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太っ腹?ドケチ?割り勘NG?中国人の金銭感覚について

「中国人はおごるの大好き!」「中国人は金に厳しい!」「割り勘はしない」など様々なネット情報が出てきますが、長年中国人と付き合ってきた私の経験則から言えば、そのどれもが正しいがTPOに応じて180度変わるというのが答えかと思っています。

では、中国人はどんな時に太っ腹になり、どんな時にケチるのでしょうか?

割り勘はNGではないがメンツを潰す可能性も

中国人は面子(メンツ)を非常に重んじる文化があり、面子を潰されることを何よりも嫌います。例えば人前で叱って恥をかかせたり、謝罪を強制したりするのは絶対避けた方が良いです。(中国には謝るという行為自体が罪を認めて評価が下がるという考え方もある)

割り勘に関しては「みみっちい」という感覚をたぶん多くの中国人がもっていて、面子を保つためなのか、アラフォー世代以降だと特にオゴりたがりの人が多い印象です。

特に恋愛関係にある場合には、多くの場合男性が支払いをするという文化が強いです。ただ、私が留学生時代にお付き合いしていた中国人女性は年上ですでに社会人だったので毎回のようにオゴってくれていました。「たまには割り勘しようよ」と伝えたら、「今天我付,下次你付吧(じゃあ、今回は私が払うから次回お願いね〜)」と言われたんですが、この言い方が一番ベターかなぁ〜と僕は感じました。相手の面子を潰さずにおごってもらう後ろめたさもなくなるので。

中国語で割り勘は「AA制(エーエージー)」という言い方をしますが、近年面子とか気にしないよ〜みたいな若者もいて「AAしよう」みたいに割り勘に抵抗のない人もいます。

でも若者でもぴったり3000円ずつね!みたいな日本式の割り勘を面倒くさいと感じる人がいるので、やはり誰か1人が会計するのが無難です。

では誰が払うのか?という話ですが、基本的には食事代はホストが払います。例えば自分の誕生日会なのに自分で全員分支払うみたいなことはよくある事。友達同士の場合はご飯に誘った人が支払うのが一般的です。

先輩後輩の場合はもちろん先輩が払うのですが、日本人的にはとりあえず財布を出すフリをしたりとか、「今日はご馳走様でした!」と先輩にお礼を言ったりしますが、中国ではそもそも先輩が払うのが当たり前なので、後輩が払うそぶりを見せたり、わざわざみんなの前でお礼を言うだけでも面子を傷つけたととられる場合もあるので、「今日は楽しかったです」くらいに言っておけば良いかと思います。

生活費にはシビアだが人脈と時間には投資する

中国人の妻と夫婦生活をしてもうすぐ2年、分かってきたのは生活費にはとにかくシビアだということ。妻は気軽に外食したりジュースを買ったりすることを好まず、飲み物は水道水を煮沸した白湯が基本で、食材も綺麗にパック分けして冷凍保存したり、もともとどんぶり勘定の私からしたらかなりマメです。私の使用頻度が少ないサブスクとかも一斉に断捨離されました。
妻だけでなく、中国人の知り合いはみんなコスパの良い商品やサービスにやたらと詳しいです。

一方で、旅行をしたり家族との記念日の食事だったりはケチらずに最大限楽しもう!という主義。

これは中国に帰省した時にも感じたんですが、普段の生活はきっちり家計簿を気にしながら、バスの一番安い路線とかまで徹底的にケチるけど、家族の歓迎会やお祝いには豪華な食事を余るほど出す。これも一種の面子を保つ術なのかもしれません。

中国には「关系(関係)」という言葉があり、これは人間関係と人脈みたいな概念を指すんですが、まさに关系を良好に保つためだったり、楽しい時間や家族との絆を深めるための時間には投資を惜しまない。そんな感覚でしょうか。

損得勘定のスピードが鬼速い

中国人の方とビジネスをしていて思うのは、良くも悪くも諦めが早いということです。お金や時間を投資する時は一気に投資しますが、儲かる可能性が低いと思った瞬間に「はい、お疲れ様でした!解散しましょう」と、あっさり決断することができます。
日本の場合、もうちょっと粘ってみようとか、ここまで築いた人間関係を壊さないようにフェードアウトするにしても気を遣ったりしますが、その点中国人はドライです。この辺の感覚の違いが、日中ビジネスで様々な溝を生んでいるのかなと思ったりもします。

ということで中国人の金銭感覚はシーンによって太っ腹にもケチにもなるというのがお分かり頂けましたでしょうか?

もちろん日本人同様に金銭感覚の個人差は大きいので、あくまで参考程度としてもらえたらありがたいです。

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