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体験デザインプロセスをオープンに

この記事では、三菱UFJフィナンシャル・グループの戦略子会社であるJapan Digital Design(JDD)において、体験デザインを担うExperience Design Team(デザインチーム)の研究活動について紹介します。

デザインチームの研究活動

デザインチームの研究活動のひとつとして、体験設計やUIデザインの品質を高めたり、デザインチーム内の協働を円滑に行うために、汎用的なデザインテンプレートやデザインアセットを作成し、体験デザインプロセスの仕組み化と共有を行っています。(2019年から社内に組成したJDDのデザインチームは現在11名になりました。)

今回、このデザインチームの研究活動において作成したデザインテンプレートとデザインアセットの一部を社外にオープンにすることとしました。実は、2019年にAndroid OSの日本語デザインアセットを公開してましたが、コーポレートサイト更新後に対応ができていなかったため、今回あらためて内容を見直して日本語のUXデザインのテンプレートとバンキングアプリのデザインアセットを公開しています。


なぜオープンにするのか。

デザインチームの研究活動を社外に公開する主な理由は以下となります。

1. オープンであり続けるために
JDDの企業カルチャーとして「オープンである」ことを大事にしています。「オープンである」とは「常識や固定概念にとらわれず、物事の本質を見極めるて多様な価値観を受け入れる」という価値観や姿勢を意味しています。一方で、会社が少しずつ大きくなり、あるコンセプトやルールにおいて部門やチームが形成されると、この「オープンである」ことを自然に維持することが難しくなってきました。デザインチームでも、メンバーが増えてチーム内でのつながりや関係性が強くなればなるほど、どうしても固定化した概念や価値観が形成される傾向が強くなってしまいます。

デザインチームでは、体験設計プロセスを社内だけでなく社外に向けて公開することで、やわらかく開かれたカルチャーを創っていきたいと考えています。また、この活動を通じて個々のデザイナーが、「オープンにするやり方」「オープンにする目的」そして「オープンであることの意味や価値」を考えることができればと思ってます。

2. フィードバックを得て学ぶために
JDDでは「学び実践する」ことを大事にしています。「学び実践する」とは「環境の変化をとらえて自ら学びすぐに実践すること、新しいことに挑戦し実践を通じて自らを成長させること」を意味しています。デザインプロセスにおいて、リスクを最小化しながら目的を達成するために、プロトタイプを作成しフィードバックを得るアプローチは一般的であります。一方で、今までデザインチームが将来的なプロジェクトを見据えて行ってきた体験設計プロセスの仕組み化については、まだ社内にしか公開できておらず得られるフィードバックも限定的でした。

デザインチームでは、体験設計プロセスを社外に公開にすることで、多面的な観点からより多くのフィードバックを得て学びたいと考えています。また、この活動を通じて個々のデザイナーが、日常的に行っているデザインプロセスやアウトプット、そしてその背景にある思考やメッセージついて内省することで、自らの成長の機会としたいと思ってます。

3. 社会に還元するために
JDDのミッションは「金融のあたりまえを創造し人々の成長に貢献すること」です。もちろん、そのなかには社会課題の解決や社会貢献も含まれています。デザインチームで作成したデザインテンプレートやデザインアセット、一般的なデスクリサーチ結果を定期的に共有しているなかで、これらを公開することで社外のデザイナーやプロダクト開発者の役に立つのではという議論になりました。例えば、UIデザインアセットについては英語版は世のなかに数多くありますが、日本語はほとんど見かけません。そこで、デザインチームで作成した日本語のUIデザインアセットを公開することにしました。これらを自由に活用いただくことによって、プロダクト開発に携わるデザイナーやエンジニアの方々が効率的にUI検討やプロトタイピングを行えるのではと考えています。

デザインチームでは、日々の活動から得られた経験、知識、ノウハウを含む体験設計プロセスを社外に公開にすることで、広く社外の方々にも役立つものがあるのではないか考えています。また、デザイナーが実践できる社会還元や社会貢献とは何かを試行錯誤するとともに、この活動を通じて、業界関係者やデザイン関係者のみならず、さまざまな方ととつながる機会になればと思っています。


現在公開中のアイテム (2021年4月)

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https://japan-d2.com/division-introduction/experience-design/open-design


現在、公開中のアイテムは以下となります。

1. UI デザインアセット: Banking App ver.1
銀行モバイルアプリUI検討用のテンプレートです。

2. UX デザインテンプレート: Service Blue Print ver.1
サービスブループリント作成用のテンプレートです。

3. UX デザインテンプレート: Persona ver.1
ペルソナ説明用のテンプレートです。

今後の予定

デザインチームではデザインテンプレートやデザインアセットの更新や追加、またその他の取り組みについても順次公開を行う予定です。以下サイトにてXDチームの取り組みと公開アイテムを掲載していきます。

https://japan-d2.com/division-introduction/experience-design/open-design


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Chief Experience Officer
Head of Experience Design
Takashi Asanuma(浅沼 尚)