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【プロポーザル取組解説】「平泉の文化遺産WEBサイト構築業務」の企画提案の募集について

今日は岩手県に出ていた平泉の文化遺産webサイト構築業務のプロポーザルの取り組み方を紹介しますね。
https://www.pref.iwate.jp/kensei/nyuusatsu/compe/sanka/1033762.html


平泉といえば、思い出されるのが金色堂ですよね。

図1

奥州藤原氏が栄華を誇った平泉。源の義経が逃げた場所としても有名ですね。世界遺産にもなっているので僕も一度行ってみたいです。

さて、今回のプロポーザルはこの平泉の文化遺産webサイト構築業務です。

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令和3年に文化遺産ガイダンス施設というものができるようで、そこへのインバウンドも含めた来訪促進と平泉の理解促進の機能を兼ねたwebサイトを作ってほしいとのこと。
ありがちな博物館みたいなものではなく、五感で楽しめそうな施設みたいです。できたら一度は行ってみたいですね。

さて、仕様書を読み進めてみると業務概要、業務内容が記載しています。

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そうなんです。内容がほとんど決まってるんです(笑)!
県のプロポーザルではよくあるのですが、ほとんどの内容が決められていてどうやって競合との違いを出せばいいのかと悩む事が結構多いです。
県の職員さんたちも頑張って考えているのでしょうが、こういうのは餅は餅屋で任せるところに任せた方がいいと思いますけどね・・・。

そんなことを言っていても仕方ないので、競合よりも抜きんでるために審査要領を見てみましょう。

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ポイントは赤枠での箇所です。そしてその箇所だけ配点も高いことから、大切なポイントになることは確かです。

・新ガイダンス施設のオープンにふさわしい、利用者の期待感を高めるデザインや内容となっているか。

・本県への外国人観光客の入込動向を踏まえ、効果的な情報発信となる創意工夫や独自の提案があるか

・低コストかつ効率的な運用保守及び効果的なサイト構成や仕様を実現するための創意工夫や独自の提案があるか。

さて、これを見てどう思いますか??
「外国人が好きそうなデザインを作るコンペだ!」と思っているあなたっっ!!
よく考えてみてください。判断するのはお役所の方です。デザインの良し悪しについては素人の方です。その土俵で勝負しても時の運になってしまいますし、たぶんポイントがずれているので十中八九負けます。

ということで、この3つの審査基準ポイントで気になるところ、違和感を探してみてください。私が気付いたのは2つありまして、まず一つ目は↓。

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まずは、なぜこの部署が外国人観光客を誘致させる仕事をしなければいけないかです。世界遺産絡みなのでこの部署なのでしょうが、本来この文化スポーツ部というのは、県民向けに機能する部署であり、県内の世界遺産を大事に保存管理を行っているような部署です。
きっとこの部の方達は思っていることでしょう。
「外国人観光客を誘致させるって・・・どうすればいいか判断がつかん。」

そして、次に僕が感じた違和感は↓です。

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このwebサイトをガイダンス施設の来場促進のために作るということです。つまり広告機能を担わしたいということ。
本来webサイトとは情報発信のプラットフォームになるべきで、リアルへの誘導は結構無理があります。

このように、担当の方たちとしては掲載しなければいけない要素はとにかくまとめたけど、正直外国人観光客に来てもらうためのゴールがよくわからない!という方たちであるということが推測されます。

つまり、本プロポーザルを攻略するためには↓の考え方が大切になってくると思います。

岩手202

担当の方たちも必死です。そんな人達がゴールの見えない丸投げ状態になっているのならば、丁寧に理解を促しながら腑に落ちるあなたの提案をすればいいのです。

これを見ている方々はwebの知見は高い方も多いと思いますが、その技術や知識をそのままぶつけても、なぜそれが本案件に効果的なのかの思考のブリッジが受け取る側にないので担当の方は理解できません。

だから、例えばこのような図を作ってあげてみるとわかりやすいかもしれませんね。担当の方も本案件に対して、再度、頭の整理ができる思います。

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いかがでしたか?
色々と考える方法はあるとは思いますが、まずは自治体のプロポーザルに取り組むときには縦割りの組織をしっかりと考慮してあげて、その部署の悩みや本当に必要な情報の提供を行ってあげることは得点につながっていきやすいと思います。

最後に僕だったら、こんな戦術ポイントを掲げて企画を立案していきます。

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このプロポーザルは資料提出は10月26日まで。
県外の会社も参加できそうなのでぜひ皆さんチャレンジしてみてくださいね。

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