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脱サラして驚いたこと10選 ー後編ー

こんにちは。脱サラのヤンです。
昨年10月に会社員生活に終止符を打ち、フリーでお仕事をいただきながらMBAの勉強中でしたが、先日遂に事業を立ち上げました。起業ミュージシャンです。

さて、長い間サラリーマンをやっていると、当たり前だったことが実は全然当たり前じゃなかったり、実は知らなかった、意識していなかったことがたくさんあります。そんな中、脱サラして気づいた10のことをランキング形式でお届けした前編から1年が経とうとしています。そう、脱サラして1年。脱サラしたてのころとは状況がだいぶ変わった今、落ち着いて振り返ってみてわかることを後編としてお届けします。

その前に前編をまだ読んでいない方はこちらからどうぞ

6位:他人と毎日隣り合って過ごしていた不思議

これ本当にすごいな、って改めて思ったことの一つです。だって、親子でさえ兄弟でさえ夫婦でさえ恋人でさえ、ずーっと一緒に暮らしていると喧嘩したり嫌になったりするのに、起きている時間の半分以上の時間を、これまで何も接点がなく、友達ですらない赤の他人と隣り合って同じ空間で同じ空気吸って同じゴール目指して毎日仕事しているんですよ?昨日の上司のあの言い方が嫌だとか、同僚の誰々のああいうところが気に入らないとか、ある程度の時間を一緒に過ごせば、当たり前に出てくる話だと思うんです。

とは言え社会人で、大人になってから仕事を通じて知り合っているのでそれなりに気を使いあったり、そもそも同じ目標を一緒に達成する仲間なので、親子みたいに気を使わない故のいがみ合い、みたいなことに発展はしにくい環境もあるかもしれません。

それでも「ぐぉーーーー!あいつイラつくぜ!」ということがあっても安心しましょう。全くもってフツーの感覚です。

だって入社前に、その会社内の人のうちで、人間性(の一部)を確認できるのは、面接する人事の担当と上司くらいだと思うんです。最終面接が社長や経営陣ってこともあるかと思いますが、どんなにたくさんの人の面接があったとしても全社員のうちの一握りです。しかも30分や1時間といった短時間で人間性をすべて見抜くのは無理です。まして、忙しい時、非常時のその人の態度や価値観を見極めるのは不可能と思います。

私もこれまでに在籍した会社でそれなりに人間関係のいざこざやらもめごとなどもありましたが、そこで生まれた関係は意外と会社を辞めてもつながっている、というのも面白いなと思います。会社で人と合わないことがあってもそれは生き物としてフツー。うまくいっていたら超ラッキー。辞めてから仲良くなるなんてこともあります。とにもかくにも、価値観の異なる赤の他人の集団と毎日毎日遅くまで一緒に働いていた当たり前が、今や奇跡だったようにも感じています。

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5位:満員電車という悪魔の乗り物

みなさん、もうこの状況で乗る機会が減った方もいるかなと思いますが、「もう毎日満員電車に乗らなくてもよい幸せ」を改めてお伝えしたいと思います。6位のことにも通じますが、赤の他人と大密着大会ですよ?寝不足で疲れていても目の前のおじさまのニンニク香る吐息や自分の好みに合わないお姉さまの香水を長時間吸わなければならないのです。そして汗でべちょべちょの腕や背中をこすりつけあわなくてはならないのです。遅延でさらに混雑している時はあばら骨が折れるほどの人圧に耐えなくてはなりません。女性だとさらに痴漢との戦いもあります。

私たちは毎日頑張って生きています。満員電車はそんな頑張りを虚無感に変えてしまう悪魔の乗り物です。そしてテリトリーの境界がぐちゃぐちゃになった状態で喧嘩だって起こります。私もそんな戦々恐々とした満員電車が嫌で、飛行機の金属探知機のように「ストレス探知機」を設置して、あまりにイライラしている人は乗れないシステムを作るべきだとすら思っていました。もしくはアンガーマネジメント修了証を持っていないと乗れないとか。

満員電車に乗らなくなると、今やもう本当に乗りたくないので1駅くらいは歩こう、とか時間をずらそう、と努力するようになりました。コロナの後に、満員電車が少しでも緩和されていますように、と願うばかりです。

4位:人との繋がりの大切さ

毎日誰かしらと話したり一緒に仕事したりしていたのに、サラリーマンを辞めると、基本的に自分から積極的につながりをキープする努力が必要です。みんな自分たちの会社の仕事や家族のことが目の前の優先事項なので、それ以外のことに時間をかけません。仕事はしているのでその取引先の人との会話もありますが、会社勤めをしていた時とは会う人数が全く違います。特に前職では広報担当だったため、様々な人たちと繋がりをキープする必要がありました。ですが、辞めると私の肩書は消え、ほとんどの人にとって連絡する必要のない人になります。

一方で会社を辞めて肩書がなくなった私に連絡をくださる方はめちゃくちゃ貴重です。ほんとにいつか絶対仕事しましょうね!仕事ではないまでも絶対なんかよさげな案件や人を紹介できそうだったら率先します!と、思っています。5回転職経験があるので、辞めると連絡をくださる方とそれきりになってしまう方がもちろんいるんですが、連絡をくださる方の重みはサラリーマンを辞めた後に一番感じました。別にそれきりになってしまう人はそれはそれなのですが、サラリーマンを辞めて会社の名前も肩書も無い今、人間関係が一番の宝だと思っています。

3位:「出来ません」って言えない病のフシギ

サラリーマンだった時、「出来ません」って言えない病でした。チームで働くので、スケジュールも基本的には仕事の都合に合わせるので、むちゃなスケジュールでも「やりましょう!」「出来るように動きます!」と働いていたので気づくと鬼のように残業してました。ポジティブな反応(できます)が善で、ネガティブな反応(できません)が悪だ、とさえ思っていました。仕事柄土日も取引先やお客様の都合で仕事していました。周りの人も「やったるで!」という感じの人が多かったので余計自分が足を引っ張るわけには、、、と息巻いていたところはあります。

なぜ「出来ません」と言えなかったのか。「ネガティブ悪」思考もさることながら、単純にどちらかというと「出来ない人」と思われるのが怖かったのです。特に外資系が長かったので、クビになる人を見てきているので余計に「出来ない人」と思われる危機感がありました。実際できないことも「やります」と、とりあえず言っちゃう、で、後で考える、みたいなことを推奨しているデキる人も一部いますが、私のようなハッタリかませない小心者には推奨できません。

今では、自分を守るために「出来ません」が、以前と比べるとずいぶん言えるようになりました。1週間でやるべき仕事、学業や自分に充てたい時間を割り出して、想定以上の仕事が来たら、申し訳ないのですが、とお断りをするように心がけるようになりました。一番よくないのは相手の期待値と自分の成果物にギャップが生まれることです。相手の期待値を事前にコントロールできればギャップはなくなり、お互い気持ちよく仕事ができます。

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2位:わかっちゃいるけど健康は後回し

昨年10月から、少しずつ運動と食事の改善を始めました。おかげで7キロ痩せました。(今在宅すぎて2キロ戻りましたが、、、泣)

私の場合、ストレスがかかると「食」に走ります。「こんなに頑張っているんだからご褒美においしいものをたらふく食べよう。」とか「今日は疲れたから深夜1時だけどビールたくさん飲んでポテチ食べてもOK。」など。人は弱い生き物です。いつでも隙さえあれば自分を甘やかしてやろうと狙っています。

ただ、サラリーマンを辞めると、サボろうが頑張ろうが「時間」については自分の責任のもとでコントロールできます。(*前編では会社を辞めたばかりだったので「ひたすらグウタラしたい!激務とストレスの分を取り戻したい!」という気持ちばかりが勝っていましたが…)時間の分配を決めるということは=自分の人生の優先順位を責任をもって設定するということでもあります。

サラリーマンをやっていたら「健康」は後回しになりがちです。自分基準ではなく会社の求める優先度で動かなくてはならないからではないでしょうか。

1位:見えない幾重ものフィルターの存在

「Get on the balcony」という言葉を知っていますか?ハーバード大学のリーダーシップ論で提唱されており、日本でも「バルコニー思考」などと言われて知られています。ダンスフロアで踊っている間は、物事の本質はつかめない、という例えです。つまりダンスフロアの上階にあるバルコニーに上がって、俯瞰で全体を見ることによって、誰が踊っているのか、誰と誰が良い雰囲気なのか、つまらなそうな人がいるか、ダンスフロアーの大きさやその周りの状況、位置関係などが一望できるのです。

会社にいた時は、自分が何をしたいかよりも仕事の優先度を基準に動きました。毎日の業務に追われて休日はインプットより休息やリフレッシュに時間を充てがちになります。そして会社や業界の慣例やルール、毎日の業務を通じてトップ、マネジメント、ひいては先輩や同僚たちの考え方から暗黙の共通フィルターが形成されていきます。もちろんそれは悪いものではありません。ダンスフロアでは統一のルールや認識、リズムの中でなければ成り立ちません。

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ただ、これまで在籍していた会社を改めて振り返ると、なぜこんな非効率なやり方をしていたのか、なぜ気づかなかったのか、なぜ誰も声を上げなかったのか、など不思議に感じることが多くあります。大企業が外部監査役を入れるのは、業界の外から見た常識、基準でその会社を見ることが出来、そうした凝り固まったフィルターを除去できるからに他なりません。けれどもそんな外部監査役が入れられる企業ばかりではありません。一つの会社にいる限り、視野を狭めるフィルターから逃れることは難しいのです。働き方改革の流れの中で、複数の企業に在籍する働き方も出てきています。会社を辞めることも長く勤め続けることも選択肢としてはアリですが、今後はますます多様な働き方が出てくるので、それを見極めて自分のフェーズや展望に合わせて賢く選ばないといけない時代になるなぁ、と脱サラ1年目にして思うヤンなのでした。

番外編:お金の価値は環境で変わる

最後に出ました。お金の話です。

働いていたころ、お金をあまり意識していませんでした。毎月定期的にお金がもらえて、自動で税金が支払われ、月々色々なお金がかかっていますが、基本的に気にしませんでした。言ってみれば「ザル」っすね。

サラリーマンを辞めた後、お金に対して少し気持ちが変わりました。不要なサブスクをすべて解除し、Googleのアプリやメディアの購読やサービスなど、ほとんど使ってないものを整理してかなり減らしました。そして時間もあるのでご飯はほぼ毎日自炊です。1か月でどれくらい使っているのかを確認して改善してみると数万円は節約に成功。会社員の時はお金の実態というのをあまり意識していなかったように思います。所得税、年金、都民・住民税、健康保険などなど改めて年間で見てみたら「う、うそ...だろ?」状態だったので、今では1円玉も愛でるように大切にしています。価値という物差しに対してのセンサーが上がったとでもいうのでしょうか。自分の収支計算も細かく見るようになったのでそのせいもあるかもしれません。そして税金払ってる分は色々な施設や制度も使い倒さないと損だなと思い色々調べているのでまたそのうちこちらでも共有させていただきますね。

いかがでしたか?サラリーマンって安定してて会社のお金で色々できてサボっててもばれなきゃクビにならないし最高だなって思うこともあります。とは言え私はもう戻ることは無いので、感覚が偏りすぎないように色々な人と積極的にコミュニケーションしながら研ぎ澄ましていきます!

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