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読書日記『あえて数字からおりる働き方 個人がつながる時代の生存戦略』尾原和啓著

Kindle版で読みました。
表紙に武田双雲の書で「GIVEと感謝が最大の自己投資」と書かれており、これがタイトルだと思って読み進めていたら理解力が乏しくて少々迷子になりました。

Kindle版表紙

あとがきまで読み進めるとその意味がようやくわかりました。
本来のメッセージが「GIVEと感謝」であって、コロナ禍の混乱の時代に「GIVEと感謝」でいかにして生き残っていくか(生存戦略)に変えられたのだと知りました。

誰かの役に立とうなどと気負わず「スキ」を続けていけばいい。
フォロワーが何人増えたとかいいねがいくつ付いたといった数字にとらわれることなく「スキ」なことを続ければいい。
ただし、オンラインファーストの時代に生き残るにはちょっとしたテクニックがあったほうがいいよね、という提案です。

ギブの効用については、アダム・グラントの『GIVE & TAKE 与える人こそ成功する時代』にもありましたが、利己心だけで成功するより自分の気持ちに素直でいられるギバーが結局成功するということが示されています。
中でも、相手の視点に立ってギブすることが自己成長につながります。自分にはない視点を学ぶと新しい着想が得られるのです。
さらに、そこにはアブダクション(アイデアの抽象化によって他のアイデアに転用する)というスキルが形成されます。
結果として、相手の視点に立って考えたギブは、その人にとっての「ありがとう」になり、おまけに自分も成長する、というわけです。

第2章ではオンラインでつながる時代だからギブしやすくなっているということが書かれています。
いわゆる「人的資本主義」の時代であり、個人の力を投資やリターンによって拡大させ再投資させていく「拡大再生産型」に移ってきています。
自分をアピールするより、相手のことを知って何を提供するかを考えよう。
情報を持っていることはもはや大した武器ではない。いち早く情報をギブする人になろう。
そうやって信頼を重ねていき、さらにギブが多くの人に届いて「ありがとう」になります。
ここでは肩書きは足枷にしかなりません。
肩書きを捨てて→推しゴトを見つけ→お仕事になれば最高ですね。

さて、「スキ」の見つけ方ですが、はじめから「スキ」で稼ごうと思わないことです。

仕事において、「ライフワーク=自分が好きだったり、得意だったり、つい自然とやりたくなること」の比率を増やしていくことで“生きがい”で食べていく状態をつくり上げていくことこそ、変化の時代において生きる意味合いを見出していく働き方だと思うのです。
あえて数字からおりる働き方 個人がつながる時代の生存戦略

「稼ぐ」というフィルターをかけると、多くの「スキ」を見逃すことになります。
「スキ」なこと自体を人に認めてもらう必要はないので、誰かに認められたいという欲求はひとまず脇に置いておきましょう。

これから好きなことをして(ついでに稼いじゃって)残りの人生を豊かにしよう、なんてちょっと甘かったかな。
教訓です。
・アンラーニングで過去の成功方程式を捨てよう
・自分の知識をシェアすることで成長できる
・ライフワークで食えなくてもいい
・ジョブクラフティング(仕事を自ら設計)せよ
好きなことができる仕事に転職する前に、「スキ」をギブすることから始めましょう。
それなら今すぐ始められますね。

まとめ

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