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激務薄給らしい国家公務員として働き始めて思う3つのこと〜思ったより〇〇だ!〜

はじめに

自己紹介します。

私は今年(2020年)の春から国家公務員として働き始めた者です。今のところ、全てが新鮮で楽しくて仕方がないです。

ただ、望んで選んだ道とはいえ、就職前は不安でいっぱいでした。自分の能力に対する不安ももちろんありましたが、

その不安の大きな原因は以下のような記事や資料

霞が関のリアルと題したNHKの特集たち

や厚生労働省が昨年出した緊急提言など…

これらが浮き彫りにするもの、それはすなわち霞が関の過酷な労働環境です。残業につぐ残業。セクハラマタハラパワハラ。その果てに過労死。

就職活動的にいうと、激務薄給、年功序列、若手の裁量ゼロでやりがいがない、成長の機会に乏しいなどなど、、

もちろんこのような状況は解決すべき課題であると思います。ただこうした状況が報道されればされるほど、霞が関で働き国を支えうる人材が流出するというジレンマもあると思っています。

そのため、働きはじめて二ヶ月のペーペーがこの点は過剰に不安に思っていたな、という点を生存バイアス満載でお届けします。そのため、これはたまたま問題の少ないところに配属されただけで実際は…のような話は、絶対にそうだと思いますし、情報としては受け取りますが批判としては受け取りません。用語や事実関係のミスは教えていただきたいです。

自分と同じようにツイッターやNoteを見て情報収集に余念がなく、情報を集めれば集めるほど不安になっている人にはプラスになるかな、と思います。

⒈思ったより労働環境いい

各種ハラスメントもないですし、職場の方も優しいですし、労働環境については今のところ、就職前に想像していたよりははるかにいいように思います。どんだけヤバイ場所と思ってた、て話かもしれませんが。。

もっとも超勤、残業はかなりあります。定時のチャイムがなったタイミングで帰っている人をいまだ見たことがありません。毎日が文化祭前夜のような空気です。自分も働き始めてすぐは早く帰っていましたが少しずつ伸びてきました。自分もかなり遅くに帰ることもありますが、定時が9時半と朝はゆっくりなのであまり問題はないです。ただ、自分の所属する部署は国会対応がなくてこれなので本当にやばいところは報道されているような地獄が本当に広がっているのかもしれません…

ただ自分の場合、(おそらく若手・独身のうちはですが)残業自体の長さよりもその時間をどう過ごしているかの方が問題に感じるタイプです。静かに黙々と作業する時間がずっとなら厳しいですが、和気藹々と笑い合いながら作業する時間もあるのでやってられます。こうした感覚自体、コスト感覚の欠如した官の発想なのかもしれませんが…ごめんなさい。実際突発的な事案が信じられないタイミングに降ってくるので残業はやむを得ないなと思うケースもありますが、工夫で改善できる余地もあるのでは、と思っています。法律の解釈について議論した日とかすごく楽しかったな。。

給料も世間一般の水準からするとかなりもらえていますし、コロナの情勢だとそれが一層際立ちます。人事院勧告で額はきっと下がりますが、なくならないというのは大きな違いですよね。

あれ結局思ったより労働環境いいって話に説得力を与える内容になっているかな…「思ったより」の比重が大きすぎますかね…

⒉思ったよりやりがいがある

若手の成長の機会に乏しい、若手のうちは裁量がなく小間使いでやりがいがない…こんな話もVokers(Openwork)なので多く目にしましたが、これまでの経験では今のところはそんなことはありません。

確かに、政策の中身いわゆるサブではなく、ロジ(サブを実現するための手続きすべて)(参照https://kasumigasekipeople.hatenablog.com/entry/2018/03/13/233900)が仕事の大半であることは確かにそうであるように思います。そしてその量がえげつないのも確かです。

しかし、そうしたものもしっかりやらないと政策の中身が煮詰まる機会も出来ないわけで、また直属の上司が調整したものと比べてみると細部の締まり方やスムーズさが違ったりするわけで(属人的な要素もある)、のでやりがいはあります。文化に疑問を持ったり素直に吸収したりな毎日です。

また、自分の部署は人手不足なので、上司が議員や他省との折衝で忙しいこともあって、政策のサブにも関われます。自分が調べた内容で少し改善につながったかも、なんて日には心の中は大はしゃぎです。実際、天才的に賢い人はロジはすんなり吸収さくさくこなしサブに脳のメモリーを存分にさき、年次に関係なくサブをやっているような印象も受けます。

周りの方も非常に優秀な方ばかりなので、成長の機会が乏しいというより成長しないとやばいという焦りでいっぱいです。あんな頭の瞬発力身につくのだろうか… 

そして、私もあらゆることがマニュアルでガチガチ裁量に乏しい…そんなイメージもありましたが、意外とマニュアルはなく、前例を参照しながら、前例がなかったら職場に一人は〇〇に精通しているというような人がいるのでその人に聞いてみるみたいなイメージです。このプロセスは自由にできるので裁量もありますし結構楽しいです。ただ、知不知の話は時間がもったいない側面もあるので自分が出ていくときには初歩的なマニュアルは残したいと思っています。

⒊思ったより前向き

滅びゆく不夜城、そんなイメージを霞が関に持っている方も多いのではないでしょうか。みんな暗い部屋でPCモニターを見つめ、室内を歩く際もうつむきがち、生きてるんだか死んでるんだかわからない…霞が関は我々が崩壊を食い止めておくからこれからの若者はやめた方がいい、なんてツイートも見ました。実際はそんなことはなかったです。

職場のどの方も、頭をフル回転させ、省、他省、官邸など諸アクターのスタンスを踏まえながら国民の利益に資する政策はどのようなものか、どのようにすれば受け入れられるのか論理的に、ときに情緒的に必死に考えています。

ただ、逆にどんなに国民が支持するものであったとしても、成り立たない論理や無理筋な論理は正当な手続きを踏まない限り否定しなければならない。これを上司の方々が背中で見せてくれるので頑張ってついていこうと思っています。

国民の方々は公務員は国民の方をわかっていない、現場をわかっていないと思っていて、公務員はこれだけやっているのになぜ国民はわかってくれないと思っている。こんな状態になっているのではないでしょうか。そんなすれ違いが様々な問題を引き起こしているように思います。結局は説明不足、コミュニケーション不足が原因なんだろうと思います。公務員側は説明するという発想がない、わかりやすい説明に割くリソースがない、その隙間をネットにあふれるわかりやすい言説が埋め、国民全体に納得感を与えている。省庁代表制や官僚内閣制を打破しようそんな旗振りで進んだ政治主導をもくて目的とする改革の結果、盤石な官邸主導体制が生まれました。しかし、その実はより限られた官僚による政策案の提示や意思決定になっているように思います。説明不足かつ議論に参加させてもらえないような印象を持ったらそれは不信感につながりますよね。公務員が前向きに働いているという情報もプラスに聞こえるかわからない、そんな状態を改善したいと思いつつ。。無理やりすぎますね、結局関係ない話になってしまった。。

おわりに

今のところ、ネットで得られる情報で想像する場所ほどはヤバイ場所ではないと思っています。もちろんこれは自分がたまたまそういう部署、そういう方々がいる場所に配属されただけ、純粋な運の問題であったことも確かだと思います。

ただ、報道やネットの情報であまりに不安になりすぎて、国家公務員はやめとこう、そんな方は百聞は一見にしかずということで検討してみる価値があるのではないでしょうか。といいつつまだそんな偉そうな事言える立場ではないので早く使い物になるように頑張ります。

情と理を合わせもったすごーい人、めっちゃいます 優しい人もめっちゃいます どんなに仕事多くてもそんな人に囲まれたらやれそうな気がしてきませんか?(私はまだできません)

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