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家紋 2018 1/31

コンペで応募するロゴマークのデザインで悩んでいた。日本的で落ち着いて重厚感あって、かつシンプルなものを作ると決めたときに参考となるようなものを探していた。そんな時に見つけたのが家紋。グループの顔となるロゴマークと家紋は非常に似ている。どちらもグループの顔となるものだ。しかも家紋はフラットデザインでとても現代的だ。そんな家紋を参考にしようと見よう見まねで真似て見たがどうもうまくいかない。あの力強いずっしりした感じが出ない。なので、家紋の要素を一旦抽出し、それを取り込むことにした。

家紋がどうやって使われて来たか

家紋の色ははっきりとした白黒だ。たまに多色の色をみるが、なんらかの装飾的意図があるだろう。しかし白黒でも白地か黒地かというところが重要なのだ。

家紋を描く時、白地に黒で描くか、黒地に白で描くかの二択である。どちらが正しいのかと言うと両方正しく用途が違うだけです。おそらくどっちが正しいとかなかったのでしょう。家紋としての役割を果たしていれば

家紋が使われ始めたとされているのは平安時代で、いわゆる車紋を使っていたようだ。

平安時代の使われていた車紋

当時、平安貴族しか乗ることのできなかった馬車の車輪からきてるそうです。これをどっかにつけることで、自分の貴族としての身分を誇示していたのですね。それから顕著に現れるようになったのは戦国時代。貴族が廃れ武家が台頭する事で、自分にあった家紋をつけたかったんでしょう。

戦国時代の有名人の家紋

その中でも特に、旗印に使われるのが多いようで、この時代は白地のものが多かったようです。時代劇とかでよく見ますね。

家紋ではなくても旗印にしたりするんですね、サッカーの応援団みたい

黒地の用途で言いますと、葬式の喪服などに印刷したりするようです。それ以外にも普通の着物だったりと衣類系が多かったようですね。葬式に白い着物なんて着ていけないですから当然と言えば当然ですね。そもそも白一色の着物なんてあるのだろうか・・・

真っ黒の服にアクセントとして白い家紋はかっこいいですね

家紋のルーツが自分の家の権力だったり、つけているものが自分の家族だ言う風に、家族を表すVIなんですね。この点で言うとロゴマークとほぼほぼ同じですね。

家紋の特徴

ではどんなものなのか見て行きましょう。

家紋の数が山ほどあって紹介できませんが、一部を抜粋してもその特徴がわかります。

全体的に決まった形がありませんね。丸で囲われてたり、花の文様であったり、銭が6つあったりと、とても自由です。自分の家柄を表すのに型なんて必要ありませんからね。海外のマークと比べて見ましょう。

海外のマーク

これはイギリス王室のシンボルマークのライオンですね。イギリスを表すマークのいたるところで出て着ます。ライオンは権力の象徴で、強いイギリスを表したいのでしょう。サッカーイングランド代表のマークも、国旗の赤十字ではなく三頭のライオンになっています。ヨーロッパの多くの国はこのように具象物をわりかしリアルに抽象化してマークにしています。戦争が頻繁に起こり、キリスト教が広く浸透しているので、おそらくそこらへんと関わりが深いでしょう。中世のキリスト教絵画にどことなく似てる気がします。

中世のキリスト教美術といえば平面性・無個性が特徴ですね。美術の暗黒時代と言われていますが僕はそうではないと思いますよ

日本の家紋

海外のマークに比べ、日本の家紋はとてもシンプルで子供でもすぐかけそうなぐらいシンプルなイラストです。しかしそれであって家紋独特のエレメントを持っています。

こう見ても種類は千差万別です。丸と十字でできたもの、太陽のような丸の連続、細かい装飾が施された鶴、草と鳥が描かれたもの、特徴はバラバラで全て一括りにこれといった特徴がありません。それでも、ある程度は読み取れるものはあります。


太い線、でかい色面

太い線が使われているものが多いです。黒くて太い線は、白地とのコントラストでくっきりはっきり、力強く見えます。また面としてもでかいものが多いです。黒い面が多いとカッコよくバシっとした印象がありますね。

こう多く並べても、目にガツンと家紋が入って来ます。逆に言うと細い線のみで作られた家紋はそう多くは見受けられません。もちろん細い線でのみ作られたものもあります。太い力強さがない代わりに、美しい線の美と優雅さを持っています。

こういう家紋もカッコよくていいですよね。でも少数派です。きっと自分の身分を示すときにバーーーンと力強い印象を与えたかったのでしょう。戦国時代ならなおさらです。

線の細さ

もう一つは、装飾的な線がとても細いということです。

この家紋一つ見ても装飾の線が細いのがわかりますね。一定して間隔が同じです。ということは黒の色の面積が多いということですね。これも先述した力強さに関係するからだと思います。


結局、家紋は私が述べた特徴をぐらいしか全体的な特徴はありません(多分)。それほど自由なのです。そりゃ我が家のシンボルを型で制限されたくないですもんね。これを踏まえてロゴ制作頑張りマウス。

久しぶりに長い記事書いて疲れた。

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