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デザイナーがスクラムイベントに行ってきたお話

2023年1月の11日から13日に渡り、Regional Scrum Gathering Tokyoに参加してきました。
POやスクラムマスター向けのイベントではありますが、デザイナーの私にとって様々な学びがあり、参加してよかったです。



Regional Scrum Gathering Tokyoとは?

そもそもRegional Scrum Gathering Tokyoは何かというと、スクラムやアジャイル開発に関わる方が集まり、講演やワークショップを通じて情報を共有し合うイベントです。

公式ホームページでは、以下のように説明されています。
"Regional Scrum Gathering℠ Tokyoは、スクラムの初心者からエキスパート、ユーザー企業から開発企業、立場の異なる様々な人々が集まる学びの場です。講演やワークショップ、そして参加者同士の交流を通じて、世界最前線の情報から日本の現場での工夫まで多くの知見を得られます。

2023.scrumgatheringtokyo.org/
メインホールでの発表の様子






記憶に残っている講演、ワークショップ

今年は約70名からの講演とワークショップがあり、私自身はいくつかに参加してきました。

講演は同時に行われ、残念ながら全ては見えなかったので、イベントが終わってもできるだけ他の方のブログを読み、情報収集していきたいです。

以下にて私自身が参加し、特に記憶に残っている発表をご紹介します。


ワークショップ|Open Space Technology オープンスペーステクノロジー

イベントの最終日には、OST(Open Space Technology オープンスペーステクノロジー)を行いました。


OSTは何かというと、「参加者同士で議論・話し合う」ワークショップです。
事前に決まったアジェンダはなく、当日参加される方が話したいテーマについて、グループに分かれて話す、というイベントです。

OSTはぜひ自分が働いている会社に持ち帰り、実施したいと思っています。

<セッションの流れ>

  • 参加者が話したい内容を考えて、テーマを提案する

  • どのテーマについて、いつ、どこで話すかを決める

  • グループに別れて、それぞれのテーマについて話し合う


私は「デザイン X アジャイル」に関する以下のテーマにご参加させていただきました。

  • デザイナーはスクラムチームとどうかかわる?みんなの現場ではどうしているか教えて!

  • デザイナーがスクラムやアジャイルを知ると、組織的、キャリア的に何がうれしい?


上記テーマにご参加したのは、とても良かったです。
私と同じような職場で働く方のお話を聞いて「わかる!」と思ったり、私が全く経験のないゲーム会社の方のお話を聞いて、「なるほど!」と気付いたり、とても刺激の多い良いイベントでした。

同じテーマに参加した方が取ってくださったメモ


同じテーマに参加した方が取ってくださったメモ




キーノート|Five Practices for Building Software with Scrum

https://confengine.com/conferences/regional-scrum-gathering-tokyo-2023/schedule/rich#session-30657-info 

メモ・サマリー

成功している会社であれば、必ずレガシーアプリケーションという形で技術的負債を待っています。

Davidさんの発表は、技術的負債を理解し、そしてうまく対応できるよう、IT業界ではまだ伸び代のある手法・考え方である、XP(エクストリームプログラミング)についてご紹介されました。

特に、以下のようなプラクティスをご紹介してくれました。

  • Continuous implementation (継続的な実装・テスト実施)
    リリース後のバグ対応を削減できるよう、継続的な実装を行い、リリース直前ではなく、実装時でテストを行うことによって、開発者がすぐにバグ対応できるようになる (リリース直前で数時間の対応のバグは、実装直後で対応すると数分まで時間短縮ができる)

  • Collaboration(協力)
    チームがより一貫性性のある、及びマージしやすいコードが書けるよう、協力が不可欠である。(チーム全員が「良いコード」を定義し、モブ開発を行うことが推奨)

  • Create CLEAN code (CLEANなコードを書く)
    Cohesive 
    Loosely coupled
    Encapsulated
    Assertive objects
    Non-redundant  

  • TDD (Test Driven Development) (テスト優先開発)

ちなみに、Davidさんに「XPを行なっている開発者をサポートするために、デザイナーには何ができるか」と尋ねたところ、「デザイナーは開発者に正確にユーザーの想い・思想・ニーズを伝え、協力していく必要がある」のアドバイスをいただき、改めて開発者との良好な関係を保っていきたいと思いました。



講演|4年かけていよいよ拡がりをみせる銀行DX

https://confengine.com/conferences/regional-scrum-gathering-tokyo-2023/schedule/rich#session-30622-info

メモ・サマリー
「みんなの銀行」と同じ福岡フィナンシャルグループからの発表で、とても興味深く聞いていました。

よく「固い」と思われる金融業界でのアジャイルトランスフォーメーションについてご発表され、とても参考になりました。

社内でのアジャイルを広げるために、以下の3観点から取り組みをなさったようです。

  • 「アジャイル」
    アジャイルの影響・認知度を上げるため、部門問わずトレーニングの実施

  • 「オーナーシップ」
    ユーザーインタービュー、管理職でのワークショップの実施

  • 「スピード・アジャイル・オーナーシップ」
    経営増のメンバーがアジャイル研修へのご参加




講演|大企業がアジャイルになる途中で起きること

https://confengine.com/conferences/regional-scrum-gathering-tokyo-2023/schedule/rich#session-30621-info


メモ・サマリー
大企業でアジャイルを始めると、「アジャイルの知識もあるし、やりたい!」と「アジャイルは知らないが、やらないといけない!」という状況の方々が共存し、会社・チームとしてどうやっていけな良いな、悩まさせることはよくあります。

この状態から、アジャイルのメリットが全社で図れる状態になるためのアドバイスを語ってくださいました。

以下にてピックアップしたものを記載します。

  • 自社でのアジャイル成功例を積極的に発信(社員にとってイメージしやすいものを紹介)

  • 長い目でみてトランスフォーメーションを行う(一日だけでメリットが出るわけじゃない)

  • トランスフォーメーションには時間がかかるため、自分達だけで行おうとせずに、新しいメンバーを関わらせて、初期メンバーがいなくても継続できるようにする

  • 一気に働きすぎないで、持続可能な範囲で安定的に進める




講演|”エラい人”にチームの状態を見える化セヨ ~組織にアジャイル浸透の輪を広げる チーム状況の定義/可視化/運用 のアイディア共有~

https://confengine.com/conferences/regional-scrum-gathering-tokyo-2023/schedule/rich#session-30583-info

メモ・サマリー
「えらい人は私たちのことわかってくれない。中々支援してくれない」という想いをする人が多いのではないでしょうか。

ただし、「えらい」人は決してチームに支援したくないわけではない。逆に支援したいと思っている、ただ、チームの状況がわからないと、支援できないのです。
えらい人にうまくチームの状態を共有し、チームに支援できるようにするには、以下のプロセスが推奨です。

  • 今はそもそもどういう状態かを定義する

  • 今の状態を見える化(グラフ)する

  • 注意点とともに状態をえらい人に伝える

注意点というのは、チームの状況(プロジェクト進捗など)は決してチームの評価や比較のためではない点、などです。




講演|ふりかえりを少しでも好きになってほしい

https://confengine.com/conferences/regional-scrum-gathering-tokyo-2023/schedule/rich#session-30614-info

こちらで、森さんがレトロスペクティブをより楽しく、よりチームにあったやり方でできるようにアドバイスやヒントをくれました。とてもインタラクティブなセッションで楽しかったです。


当セッションでは、参加者が実際にMIROを使って、実際にレトロスペクティブに使えるような統計を行いました。





残したい言葉

こちらのスクラムのイベントに行き、正直とてもアウエイでした。
デザイナーのイベントでしたら、「デザイナー同士だから!」と緊張を乗り切って他人に声かけることが出来ましたが、別の職種の人だと「そもそも話せることあるかな?」と心配してします。

しかし、ワークショップなどを通じて、別の職種の人といきなり話せても、意外と盛り上がることもありますし、そもそも個人としても話すことが多いです。
ぜひ来年もご参加し、いずれか自分から講演という形でコミュニティにインプットしたいと思います。

お会いできた皆様、仲良くしてくださり、ありがとうございました。





様々なお写真

会場に行くと自由に読めるスクラムに関する本がありました。


私がOSTに「AGILE X DESIGN」のテーマを出そうとしていたが、提案できる前に他の方が提案してくださっていました。笑


一生懸命集合写真を取ってくださったスタフさんです。ありがとうございます!

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