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ポイントカード

夕方、走りに行く。
初夏の心地いい陽気、というにはかなり暑いが、思い切ってウエアを着て外に出る。
団地の階段を降りる途中で、双子の男の子とお母さんと出会ったのであいさつ。
(キックボードというのかな、2人おそろいで)

公園を走る。日も落ちて風も出てきたが、暑い、暑い……。
(ランニング用のウエストポーチは、後ろにつけるのが正解なのか)
他のランナーを見て、お腹の前で揺れていたウエストポーチの位置を走りながら後ろにスライドさせる。
2キロ走り、その後はゆっくり歩く。
小さなウエストポーチの中に1000円札と、パン屋「Do monsieur(ドゥ・ムッシュ)」のポイントカードを入れてきた。
このままパン屋に行こう。
(はあ〜汗かいた〜! ああ、いい風〜)
モーニングブレッドの6枚切りと、甘いパンを2つ、惣菜パンのコーンマヨを購入。

「ポイントカード、使えますか?」
50個の枠をすべて埋めたポイントカードをさし出す。
「はい、300円お値引きしますね。毎度ありがとうございます」

風に吹かれて、帰路につく。
団地の下のエレベーターホールで、双子とお母さんにまた遭遇。
「また会った〜!」
男の子が人懐っこく言ってくれたので、わたしも「また会ったね〜!」と愉しい気分で返す。
同乗したエレベーターの中で、彼らのキックボードをほめる。

帰宅し、買ってきたパンを台所に置く。
(中父〈ちゅうとう〉さん、おかげさまでパンを安く買うことができました)
中父は、わたしの父方の祖父の呼び名である。中父のお父さん(曽祖父)が「大父さん」であったので、中父さん。
一昨年、逝ってしまった中父。
「高島平に住んでくれない?」と、自身が長く住んだこの団地に住む機会を与えてくれた人だ。
パン屋のポイントカードは、中父によって半分以上スタンプが押されていた。それを受け継がせてもらったのだ。
おかげさまで、面白く愉快に住まわせてもらっています。

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