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100字日記〈鳥取編〉

拙著を販売するため、鳥取県倉吉市へ。本にまつわる旅のはじまり。本が好きな人が好きということにあらためて気づく。「積ん読」も「拾い読み」も許される、おおらかな読書の世界に、一歩踏み入れた気がする。(97文字)


ギリギリまでパソコンをいじっていた。湯梨浜町・松崎でバスを降りる。目の前に広がるのは、東郷池だ。黒いボディのくちばしだけが白い鳥がそろって日光浴をしている。「水辺の鳥たちだわ」。思わず声に出して言う。(100文字)


鳥取市・日の丸温泉へ。熱いが入れないほどではない。地元のひとたちは長居をしない。風呂上がりに、大山牛乳を飲みながら日本海新聞で、地元スーパー全店閉店※ の影響と倉吉出身の十両・落合関の取組結果を読む。(98文字)

※鳥取県東部エリアの「JA鳥取いなば」(鳥取市)と、同県中部エリアの「JA鳥取中央」(倉吉市)は計13店のスーパー「トスク」全店を2023年度中に閉鎖する。3期連続の赤字決済になっていた。各店舗の後継については、いまのところ発表されていない。


鳥取に呼んでくれた友人・ノグチくんと話す。これまでのこと、仕事のこと、頼りにしている人たちのこと、去っていった人たちのこと、イカ釣り漁船と星空のこと……わたしたちは砂丘に腰かけて、いつまでも話した。(99文字)


ノグチくんと別れて、鳥取駅近くの桜並木を歩く。あったかいなあ、桜花には香りがあったんだ。こんなカタチをしていたのか。……道の端。来た道を引き返すのはめずらしいのよ、と桜に言いながらくるりとUターン。(99文字)

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