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アムトラックでアメリカ横断:初日~カリフォルニアからニューオリンズへ

コロナのパンデミックが少し落ち着いてきた2022年4月中旬、意を決してアメリカの横断旅行を敢行してきました!
普段は飛行機とレンタカーを利用するのですが、今回は期間も多くとれたので、思い切ってアメリカをAmtrakという列車に乗って横断することに
これからアメリカ旅行をされる方にとって参考になる情報もかなりあると思ったので、旅行記にして皆さんと共有したいと思います

渡航前に注意すること

アメリカではいまだにコロナの新規感染者数は一日5万人を超えていますが、既に国としての舵取りはWith コロナとして規制を緩和する方向に向いています
とはいえ、渡航前にしておくことは結構沢山あり、入念な準備が必要です
これまでも必要だったESTAに加え、ワクチン接種証明書(マイナンバーカードに紐づいたアプリが便利)、出発一日前(!)のPCR陰性証明書、宣誓書を準備しないといけません
旅行会社が必要な情報をまとめていますのでそれを参考にしつつ、日本への帰国に必要となる手続きも含めて事前にしっかり確認しておきましょう(日本に入国するにはSOSアプリをインストールする必要があるので、そういった準備も渡航前にしておくと安心です

アメリカへの入国

アメリカへのフライトについては、成田のチェックインカウンターで必要書類を出せばあとはすべてスムーズに進みました
到着してからPCRの証明書などを見せないといけないのかとドキドキしていましたが、結局イミグレ(入国審査)でも税関でも全くコロナに関して聞かれることはありませんでした…!
ある意味拍子抜けした感じもありますが、この辺りは感染の拡大状況によって変わってくる可能性もあるので、気を抜かずにいきましょう

見たことないガラガラの成田空港

アムトラックについて

Amtrakは全米をカバーする鉄道ネットワークを持っていて、西海岸から東海岸へはシカゴを経由する北回りとニューオリンズを経由する南回りがあります
今回はニューオリンズを訪ねて見たかったので、南回りのSunset Limited という路線でロサンゼルスからニューオリンズまで行き、そこからワシントンD.C.に向かう路線に乗り換えるプランにしました
アメリカの広大な大地を感じるには車やバイクでの旅が人気ですが、鉄道でのんびり車窓を眺めながら旅をするのも面白いですよ!

赤い線が全てAmtrak、かなりの範囲をカバーしています

Amtrakのホームページで希望する発着駅を入力すると、それに対応する列車の便に関する情報が表示され、そこからオンラインでチケットを購入することができます
私はパソコンでチケットを事前に購入したのですが、スマホにAmtrakのアプリを入れておけばeチケットとして使えるので便利でした(残念ながら日本語には対応していないので、予行演習と思って英語で頑張りましょう)
ちなみに寝台車は数が少ないので、日本での渡航前に確保しておくことをおすすめします

いよいよ出発

出発はカリフォルニア州のロサンゼルスにあるUnion Station
5/15 (日) 22:00発のSunset Limied 2という便名の列車でいざニューオリンズへ、到着予定が5/17 (火) 21:40着予定という、48時間の(車中二泊)の旅になります

ロサンゼルスのUnion Station はダウンタウンにあるのですが、知り合いのアメリカ人でAmtrakを使った人は殆どおらず、誰も駅がどこにあるのかや駅の中がどうなっているか知りませんでした…
ちょうど旅立ちの前日にダウンタウンで銃撃があり犯人が逃走中という情報もあって少し心配でしたが、以外に駅はまともでした

到着は夜の9時過ぎ、ロスのダウンタウンは治安が悪いのですが、駅は思ったより平和

駅の構内は欧米のターミナル駅らしいデザインで、天井が高くクラッシックな雰囲気です。
以外に旅行客も多く、家族連れや老夫婦などもいたので少し安心しました

中央が通路で、左右は列車の待ち合わせラウンジになっていました。
セキュリティが見張っているので安心です。

駅に着いたのは21時前、列車の出発は22時なので少し時間がありました。構内にはSubway, Starbucksやコンビニもありました(スタバは遅いので閉店してましたが)

ただ、やはり欧米の駅には改札口がないので誰でも構内に入ってくる事ができます。そのため、ここにもホームレスの人々が出入りしていて、トイレを利用したりしています
駅員さんが巡回して座り込んでいる人に注意したりしていますが、くれぐれも貴重品から目を離さないように気をつけましょう!

駅の表示版、欧州よりはるかに便数が少ないので簡単です。
プラットフォームが決まると右端の数字記号が表示されます

なかなかプラットフォームが表示されないので遅れるのかなぁ?と思っていた矢先…
21:30頃、突然黒人の大柄な女性の駅員さんがめちゃくちゃ大きな声で「You guys, all get on board—!!!」の様な事を叫んで、搭乗開始となりました🤣
はじめは何を叫んでいるのかよく聞き取れなかったのですが、その合図を機に待合所のみんながワサワサと動き出したので、ああそうかと理解できました

いよいよ待望のAmtrakに乗り込みます!

今回のプラットフォームは12B番線でした
駅構内からスロープを上がります

Amtrakは天井につくぐらいの大きな車体で二階建てになっています
先頭がディーゼル機関車(二連結)で、続いて寝台車(Sleeping car)、食堂車(Dinning car)、普通客車(Coach class)という編成です。全部で6両ぐらいでした

チケットの表示にある通りCar 0230を探したのですが、0230という客車は見つかりませんでした😰
駅員さんに聞いたら先頭の客車だという事でしたが、先頭の車体にある表示は331となっていたので不思議に思っていると、他の乗客の人が笑いながら「ここが230なんだって」と言ってくれて安心しました
アメリカあるあるですね😅

寝台車の中はこんな感じで、通路を挟んで両側に個室が並んでいます


今回買ったチケットは寝台車の「Roomette 」というタイプで、個室に2段ベッドがついていて最大2名が寝る事ができるようになっています
一階と二階にそれぞれ部屋があり、一階にはRoomette仕様の個室が5つと共同シャワー、トイレがあり、二階にRoomette仕様の個室が10部屋と、更に広いBed roomが5部屋とトイレがあります
ちなみに私はRoom 4でした

個室の広さは横幅1m、奥行き2mほどで、高さも2mほどあり、人目を気にせずくつろぐ事ができます
わずかですが、何とか自分のスーツケースも部屋の中に収める事ができました(一階にちゃんとした荷物置き場はありますが、着替えなどの出し入れをする事と貴重品の管理を考えて部屋に持ち込みました)

トイレとシャワーは共用になりますが、寝台車を使う人専用なので、比較的綺麗でした
また、寝台車の顧客は食堂車での食事料金も全て含まれています

深夜の出発なので既にベッドがしつらえてあり、柔らかめのマットレスに清潔なシーツと、ふかふかの枕が2個、それにツヤっとした肌触りのブランケットが備わっていました
お水もペットボトルが2本ついています

タオルを持っていなかったので汗拭きシートを使おうと思っていましたが、シャワーを浴びる時のタオルもちゃんと用意されていました、ありがたや…
ただし、シャワー室にはシャンプーやリンスは無かった(石鹸は個別包装でシャワー室に沢山ありました)ので、髪質を気にする人は持参する必要があります
あと日本と違って歯ブラシや髭剃りなどのアメニティもありません

スーツケースはこんな感じで、ヘッドレストと扉の隙間にギュッと押し込む事ができました


170cmほどの人なら寝転んでも少し余裕があります



料金とチケットの種類について

このAmtrak Sunset limited でロスからニューオリンズまでは約71時間(二泊三日)かかるのですが、いくつかのチケットの種類があります

私が利用したRoometteという寝台車は一ヶ月ほど前にネットで事前予約したのですが、片道$810しました。決して安くはありません…
ただし、飛行機で移動してホテルに二泊して食事をするコストと比較すればそれなりにリーズナブルな範囲と言えます

普通客車にあたるCoach class は今回調べた時点では片道$177でした。値段は安くてシートも一列4席の広さですが、やはり寝台車を予約する事をおすすめします
いくら広いシートとはいえ48時間という長時間をフルフラットにできないシートで過ごすのはつらいですし、シャワーもありません
また、寝台車の利用者はDinning carという食堂車で全ての食事と飲み物が無料で楽しめますが、Coach classの人は入ることができません

しかも、やはり客層は値段に比例します。今回私が利用した経験では、寝台車は比較的裕福な老夫婦やシニアのグループが利用していましたが、Coach classは家族連れや少し怪しい雰囲気の男性なども見受けられましたので、安心してくつろぎたい人には寝台車を強くおすすめします

食堂車はこんな感じ。席は予約制ですが、
混んでいると相席になる事もあります

また、Roometteより更に広い空間と専用のシャワー、トイレが部屋の中についている「Bed Room (2名まで)」「Bed Room Suite (4名まで)」という部屋や、大人二名と12歳までの子供二名が一緒に泊まれる「Family Bedroom」もあるので、旅のニーズに合わせて選びましょう

値段は季節や空き状況によって変動しますが、特に寝台車は予約で埋まってしまいやすいので、早めに抑えましょう

次は二日目の投稿です

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