アムトラックでアメリカ横断:5日目~ニューオリンズからアラバマへ
楽しかったニューオリンズに名残惜しさを感じつつ、次の目的地であるテネシー州のナッシュビルを目指して出発する日を迎えました
その前に…
朝9:15のAmtrakに乗るのですが、それまでに一つやり残したことをするために早起きして、もう一度フレンチクウォーターに向かいました
やり残したことというのは、ニューオリンズの老舗カフェ「Cafe du monde(カフェ・ドゥ・モンド)」でベニエとチコリコーヒーを堪能するというものでした
実は友達からこの話は聞いていたものの予習をしていなかったので、カフェはパリの街にあるようなこじゃれた雰囲気なんだろうか…とか、ベニエって何?チコリ??と「はてな」だらけでお店に向かいました
お店は蒸気船のある川沿いの船着き場とジャクソン・スクエアという大きな公園の近くだったのですが、そこに行くまでの道のりもちょっとしたアドベンチャーでした…
昨夜の饗宴から一夜明けたフレンチクウォーターの通りには大きなゴミ箱が歩道の両側に沢山並べられていて、道路のあちこちにも昨夜のゴミが散らばっていて悪臭を放っていました。そこを道路清掃車(車の両側に大きな回転ブラシがついていて道路のゴミを拾う特殊車両)がゆっくりと走っていて、その周りに何人かの作業員の人がホースを持って高圧水で歩道のゴミや汚れを洗い流していました潔癖な人はまず歩けない状態なので、掃除が終わってから街にでることをお勧めします
動画でみるとこんな感じ…
https://youtu.be/m4ki7JVmY_k
また、路上にはそういった作業員の方以外にもホームレスの人やフラフラと街を歩く怪しい人も多くて、そういった人を事前に察知して避けながら進む必要がありました
特にジャクソン・スクエアの周辺はそんな感じの怪しい人がウヨウヨしていたので、できるだけ注意をひかないようにそそくさと歩いていく必要がありました
さすがに大きな通りには通勤者もいましたし、川沿いの道などはランニングや散歩をする人たちもいたのでほっと一息…
Cafe du monde
「Cafe du monde」は想像していたのとは異なり、広場に大きなテントを張ったようなシンプルな店構えで、カフェというよりは大衆食堂?に近い雰囲気でした
朝の7時半を過ぎたころでしたが既に多くの観光客が来ていて、みんな紙袋と紙カップのを丸テーブルに置いて、粉をまぶしたドーナッツのようなものをほおばっていました。特に席に案内される訳でもなく、カウンターで注文したらそれを受け取って適当にテーブルで食べるシステムのようです
それにならって私もカウンターの列に並び、アジア系のおばちゃん店員に注文を伝えました
ベニエというのはパイのような軽めのさくっとした揚げパンで、周りに大量のパウダーシュガーがまぶしてありました。それが二つ紙袋に入った状態でハイっと渡されます。チコリコーヒーというのは普通のコーヒーで、発砲スチロールのカップに入っていました。他にもカフェオレや紅茶などもあるようです
まだ朝が早かったこともあって席は沢山空いていたので、適当な場所を見つけて座り、粉をぼろぼろこぼしながらベニエにかぶりつき、じわじわと気温があがる汗ばむ陽気の中で熱いコーヒーをすすりました(アイスコーヒーにすればよかったとここで後悔)
お腹にドーンとくる訳ではなく、比較的軽めの朝食になりました
ベニエを食べていると、お店の外にある歩道に黒人のおじさん達が楽器を持って座り始めました。どうやらこのお店のお客に向かって音楽を演奏してくれるようです。ドラムの人はタイコを背中にしょって自転車でやってきました
トロンボーンが二人、トランペット、チューバの編成で、シンプルで懐かしい曲を聴かせてくれます。昨晩のフレンチマン・ストリートのようなクオリティではありませんが、なんだか素朴でほっこりするような雰囲気でした
2曲ほど演奏が終わると、予想通りドラムの兄ちゃんが入れ物を持ってカフェのお客にチップを要求し始めました。システムは分からなかったのですが、恐らくミュージシャン達はここのお店の前で演奏する許可はもらっているものの出演料などはなく、チップで生計を立てているのではないかと思います。そんな気持ちを鑑みて、$10札を一枚渡しておきました
列車の発車時間があるので4曲ぐらい楽しんでから店を離れ、ホテルで荷物を持ってタクシーで駅まで向かいました
いよいよ旅の再開、クレセント号
ナッシュビルにはAmtrakが直接通っていないため、今回はアラバマ州のバーミンハム(Birmingham)という街まで行って一泊し、そこからレンタカーを借りてナッシュビルに向かうルートにしました
まずはニューオリンズ駅9:15発のAmtrak Crescent line(クレセント号)に乗り込みます
バーミンハムまでは10時間ほどかかるため、仮眠できるように今回も寝台車を予約しました
クレセント号
クレセント号というのはニューオリンズとニューヨークを結ぶ路線で、ニューオリンズが「Crescent city」と呼ばれている事からこの名前がついたそうです。
もし直接ニューヨークまで行くとなると約32時間の長旅になります
列車の編成はサンセット号とほぼ同じように機関車2台、Coachクラス(普通車)、ダイニングカー(食堂車)、スリーピングカー(寝台車)がありましたが、サンセット号にあった展望車(オブザベーションカー)はありませんでした。寝台車の仕様も異なっていて、二階建てではなく一階建ての車両に寝室が区切られていました。もう一つの大きな違いは、クレセント号の個室にはトイレと洗面台がついていた事です。これは嬉しいことではあるのですが、ベッドの真横にトイレがあるというのはあまり気持ちのよいものではなく、しかも使い古された設備なので使うにはちょっと抵抗を感じました
ミシシッピー州からアラバマ州へ
ニューオリンズを出てしばらくすると、列車は大きな湖の横を通ります
そこではたまに釣り船が浮かんでいたり、ボートに乗っている人をみかけました
ところどころ湿地のように水草らしき物が浮かんでいる場所もありました
それを過ぎると車窓から見る景色は「緑一色」になり、ひたすら森と畑の中を走っていきます
個人的にはアリゾナやニューメキシコの荒野の方が見ていて面白かったですが、この豊かな緑の風景を進むのも悪くありません
やはりこのアムトラックも警笛をしょっちゅう鳴らしながら走ります
たまに緑の中にポツンとかわいい家が建っていたり、小さな教会があったりして、南部らしいのどかな雰囲気を垣間見ることができます
動画をまとめてみたのですが、これを見ればイメージがつかめると思います
ランチは…
サンセット号では豪華な食堂車で三度の食事が無料で楽しめたのですが、残念ながらクレセント号の食事は飛行機のエコノミークラスの機内食に近いクオリティでした
ただ、車掌さんに頼めば自分の寝室まで持ってきてくれるサービスはありました
でもメニューの紙を読むだけでは分かりづらいので、結局食堂車に行って注文だけしておき、それができたら車掌さんに部屋まで持って来てもらうようにお願いしました
この路線では結構沢山の駅で停車するので、その度に乗客と荷物の入れ替えなどをしたり、途中で貨物車の通過待ちなどがあったので、結局アラバマには予定より1時間ほど遅れて夜の18:30頃に到着しました
バーミンハム
この街は公民権運動の発信地だったことで有名で、マーティンルーサーキング牧師が活動していたことでも知られています
人口は25万人ほどですが、かなり近代的でスッキリした印象です
ホテルは駅から徒歩10分ほどの場所にあるので、今回はスーツケースをゴロゴロして歩いて行くことにしました
街はほぼフラットで、歩道も広くて整備されていたので、楽に歩けました
この日のお宿は「Courtyard Birmingham Downtown at UAB」という、バーミンハム大学付属病院に隣接したマリオット系列のホテルです。キングベッドのシングルで$250ほどでした
https://www.marriott.com/en-us/hotels/bhmdw-courtyard-birmingham-downtown-at-uab/overview/
のんびりした旅とはいえ長距離の移動が続いていたので、ホテルに着いたらちょっと疲れが出てきました
なので、この日は簡単にホテルの近くのテイクアウトを買って部屋で食べることに
あまり選択肢はなかったので、無難?に中華のテイクアウトをチョイス
予想通り?味はイマイチでしたが、まあ仕方がありません…
つづく
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