答えは一つじゃない!~法教育イベントを受けて思ったこと~
「大事なのはその考えに至った理由である」
みなさん、こんにちはじゃこにゃーです。今回は弁護士さん主催の法教育イベントに参加したのでその感想をザッと述べたいと思います!
1.イベントの内容・流れ
最初はこども六法を使いながらわかりやすい刑事手続の話を聞くことができたんですが、メインテーマではないのでその部分については割愛します。
今回はイベントに参加する前に事前に課題が送られていました。その内容は、簡単な起訴状を呼んで被告人にどのような刑を与えるのがいいか?といったものです。事案は100万円の住居窃盗事件です。
選択肢として
ア 懲役3年より重い刑
イ 懲役3年以下・執行猶予なし
ウ 懲役3年以下・執行猶予あり
がありました。簡略化するために罰金については今回は考えないというものでした。
なお、事前に渡された架空事例の起訴状によれば比較的被告人が若いことと家にカギがかかってないことしかわかりません。
そして、この選択肢についてZOOMのアンケート機能が使われました。(ZOOMってそんな機能があったんですね、、、知らなかった)
アンケートの結果、
アはおらず、イは少数、ウが圧倒的でした。
そして、弁護士さんと参加者の議論がはじまりました。
アンケートで一番多かったウを軸に
被害金額は100万円という大金なのに何故懲役3年以下・執行猶予ありと考えたのか?
1人1人当てて話を聞いていきました。そして、議論がある程度進んだところで新しい情報が提供されました。
それは
被告人の動機、被害者の言い分、被告人の婚約者の発言
です。
例えば、被告人は会社をリストラされて借金していることとか計画的犯行でないこととか返済の意思があることなど、一方、被害者は厳罰に処してほしいことなど、そういった事情を情報として提供されました。
これをもとに再度考えて、どういう刑にするか?という同じアンケートをとりました。するとイの選択肢からウの選択肢に少し移動した人がいました。
そして、どんな刑を与えるかを考えるにあたって、
結果の重大性、加害行為の悪質性など対立する利益をもとに考えて行くことの大切さ、そして一般予防や特別予防など刑法のもたらす役割を教えてもらい、終わりました。
大まかな流れとしては
課題に対するアンケート
↓
議論
↓
新たな情報の提供
↓
アンケート
↓
議論
↓
考えるべきこと
という風に段階的なプロセスをふんでたので、
「こうだとしたらこうかな?」みたいな常に考える状態があってとても面白かったです。
2.気になったこと
私はずっと聞いていたのですが、実は弁護士さんと受講者のやり取りを聞いていて気になった部分がありました。
それは
正しい答えを求めようとしている人が多かったこと
です。
最初のアンケートの選択肢、実は私はめちゃくちゃ悩みました。というのも、
事前に渡された資料には起訴状しかなく、動機とか他の事情がわからなかったからです。
そうなると100万円という大金からイかなぁと思ってイにしたんですが、思ったよりウが多くてびっくりしました。
他の参加していたフォロワーさんもそう感じていたようです。
そして、最初の議論のときに何故ウを選んだのかという問いに対して気になった答えとして「初犯」だからという答えがあったんです。
実は、この段階では
起訴状しか資料はないので初犯かどうかはわからないはずなんです
にもかかわらず、「初犯」って言葉が出てきて「アレっ?」て思ったんですよね。それに合わせてアンケート結果でウが多かった理由を考えた結果、個人的な憶測なんですが、
答えを求めて調べている結果じゃないのかな
と実際にグーグルで窃盗、執行猶予とかで調べると刑事弁護士さんのサイトとかでてきて、「初犯の場合は行為が悪質でない限り執行猶予がつくことが多い」みたいなのがでてくるんですよね。
受講者がそれをみたかどうかはわからないのですが、少なくとも
前提となる事実以外の事実を勝手に読み込んだ、あるいは思い込んだことには変わりがないのです。
これが良いとか悪いこととかそういう話をするつもりはないんですが、やっぱりリーガルマインドっていったときは、自分がどう思うかっていうのが出発点でそこからどう理論を組み立てていくのか?何故そのように考えるのか?というのが大事じゃないかなぁと改めて思ったのです。
というのも、私自身が答えを求めてしまう人間なのですごくわかるんですよね、、、
今回もそうでしたけど、「課題」っていわれるとそれをクリアしなきゃいけない、何かしらの答えを用意しなきゃいけない、そしてそれは間違えてはいけないみたいな感じに思っちゃうんですよね。
そう考えると必死で調べます。その結果、書いてないこととかを読み込んだり、一辺倒の答えしかだせなかったり、、、
でも、やっぱり、先生が一番最後におっしゃっていたんですが、答えを決めたときに何故そう思うのか?その理由が大事だとおっしゃっていて、ウワーなるほどなぁ、、と思ったわけです。
そういう狙いもあって、絶対的な答えがない問題を用意して、課題について考えさせるっていう法教育イベントだったのですごくタメになりました。
今は本当に検索すれば答えがすぐにでる時代なわけですが、だからこそ
答えに固執するんじゃなくて自分の頭できちんと理由を考えてみる
そういう意味で、法教育って大事なんじゃないかなぁって思いました。
そんなわけで、次いつやるかわからないですけど、こういうイベントがあったらまた参加してみたいです(笑)
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