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そっか、冬季うつなら仕方がない【獺日記】

1.いつも通り、のはずだった


我、夜型遅起き大魔王の獺(かわうそ)、午後1時半の出勤に合わせて毎朝(毎昼?)飛び起きている。家を出るのが12時半ばというのに、冬はとかく寒くて出発10分前にならぬと身体が起き出そうとしてくれない。とりあえず上辺の清潔感をアピールし、不快感を感じないためにも顔だけは水浴びしておく。変態には見られたくないので服を纏い、10分後には駅まで徒歩30分の道を追われるように飛び出す。鍵をかけねば(ガチャガチャ)。あ、スマホを充電したままだった。いかんいかん(バタバタッ、ぶちっ、ガシャン。)。やはりスマホだけは夜に充電してから寝るのがいいのだが、これがなかなか、難しい。夜1時に昨日(というか今日だが)帰ってきて、飯を食ったらバッテリーが切れるが如く気絶した。そのまま昼12時まで放置されていたのだから、残量が赤くなっている。ええい、電源がつかないよりはマシよ。後で会社でこっそり人目を伺いつつ充電するのだ。
獺、電車を乗り継いで定時5分前に滑り込み出社達成。


深夜10時

定時だ。小中学生も全員追い出したし、あとは片付けとデスクワークに集中するのみである。今日中にやっておけと言われたタスク、会議が2時まであり、昼の3時には生徒が来て質問を受けていたので、獺は2割しか終わらせられていなかった。生徒が帰った後は、PCの前で落ち着いて作業ができる、貴重な時間である。(ガチャガチャ…あれ、このデータは、あっちの課長に聞いてみないとわからないぞ……あと、これは室長に確認が必要……なにも片付いていないが、付箋に書き出しておこう。)
獺は、文系科目を中心に小中学生に教える塾で新卒二年目として働いている。

深夜11時、鍵を閉めてっと……シャッターも下ろしたし、電気のスイッチも全部切った。人はいない、よし、帰ろう。次の電車…………乗り継ぎも考えると、11時半だな。コンビニでも寄ってポテチ買うか。結局、朝ごはんしか食べてないしな。
会議と質問のある生徒の対応、今日の授業の準備と講師の先生への指示出しとその集約で、外に出る時間がなかった。腹が減ったを地球一周半分ほど通り越して、「お腹と背中がくっつきそう」というやつである。

いやー、今日のあの言い方はあの子、全然伝わらなかったな…キョトンとした顔してたし……。不味かった、来週回収できるように授業案は修正だな。小学生はなんだかイヤイヤ期なのか、2割くらいしか話聞かなかったな。先輩先生が途中で観にくるくらい騒がしくなってしまった。なにも言われなかったけど、あれは「授業として成り立ってないよね」の目だ…。
獺は自分もクソガキなので、小学生の扱いがあまり上手くなかった。ずっと専門の英語だけをやっていられれば楽なものだが、そうは問屋が卸さない。というか、授業自体も仕事の一部で、実際は会議2時間と授業2〜4時間をこなしながら、本部や課長への提出物をつくり、授業準備と予習をし、、、

ぶつっ と 帰ってきた途端に虚無感と疲労感に襲われるのだ


ある日ベッドから磔にされたように起き上がれなくなった 夕方になってやっと起き出すので時間も大逆転 余暇に入れておいた友人との約束時間も守れない 

あ????れ???

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