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台風と島【八丈島滞在記前編】

 この記事は伊豆大島旅行記の執筆を終えた翌日に書いているが、伊豆大島旅行記を書き終えて思うことは、佐渡旅行記ほどの勢いをもって書けなかったということだ。佐渡旅行記は実際に行ってから2週間後の執筆だが、伊豆大島旅行記は4か月後だったので当然と言えば当然だ。以前の旅行を思い出して書く良さもあるので一概には言えないが、以前のことはむしろ沢山あるのでそっちはそっちでえっちらおっちら書くとして、最近行った場所については早めに書くように心がけたい。

 ちなみに今回は「八丈島旅行記」ではなく「八丈島滞在記」である。そもそも旅行で行ってない。仕事で行ってきたのだ。だからこそ大きな台風14号(ナンマドル)が近づいている中でも取りやめず決行したのである。ただ、現地の方のご厚意やちょっとした空き時間などもあったので仕事以外のエピソードを書くことができることから、この滞在記を執筆している次第である。

2日目朝の底土港海のうねりが大きい LUMIX TX2で撮影

 相変わらず前置きの長い記事だが、400字少々で本編に突入するのは今までの中で最短記録である。では八丈島滞在記を始めよう。

 八丈島に行く方法は2つ、船と飛行機だ。(厳密にいうとヘリも入ってくるのか)今回は仕事なので飛行機である。八丈島航路は東海汽船の橘丸という船が担っているが、片道10時間なので夜行である往路はさておき、日中の復路は絶対にない。何度も言うが、趣味ではなく仕事なのだ。(もちろん近い将来、たっちーこと橘丸には乗りたいと思っている)

 飛行機の利点は早いだけではなく、1日3便就航していることだ。つまり何かあれば同日内の便の変更が可能だということである。皆さん、八丈島は離島であることを思い出してほしい。しかも伊豆諸島でもかなり南の方にある島である。台風などが発生すると本土よりも長い期間影響を受ける。波と風の問題だ。私は今回敢えて飛行機を定価で予約した。いつでもどの便にでも無料かつ公式サイトでスムーズに変更するためである。ちなみに今回の滞在中、復路の飛行機変更は2回している。

羽田空港のレストランより撮影 LUMIX TX2

 台風14号の懸念はあったものの、往路時はまだ平和だった。いつもの出張の感覚でいそいそと飛行機に乗り込む。搭乗口が若干遠めだったりするが、全国各地に飛んだことがある身としては別によくあることだ。

 ここでまさかの閑話に入るが、八丈島というのは伊豆諸島の中でもちょっと思い入れのある島だ。実は他界した父が釣りをしによく行っていた島なのだ。ちなみに父は私と違って船には興味がないため、飛行機でしか行ったことがない。そのため、仮に遊びだったとしても最初は父が見た景色をということで飛行機で行こうと決めていた。それが思わぬ形で叶った形となる。

 ちなみに往復ともに窓際の席は取れなかったため、飛行機からの景色はあまり楽しめていない。しかし往路だけはちょっと頑張ったので、こちらのTweetをご覧いただきたい。スマホ撮影である。

 写真はちゃんと撮れなかったし、遠目に見ただけとはいえ、海にポツンと浮かぶ八丈島と八丈小島を見た時にはテンションが俄然上がった。小笠原諸島に怒られそうだが、絶海の孤島感を味わえた。着陸時には、「お父さん、着いたよ」と心の中で呟いた。

 感傷に浸りつつ、荷物の受け取りでかなり待たされたが、宿に送迎を頼んでチェックインする。今回お世話になったのはロッジオーシャンというところだ。公式HPを貼っておく。細かいところまで行き届いたHPだ。宿もそうであった。

 14:00近くに空港を出て、荷物を一通り整理したところで取引先へ。この日の午後は丸々仕事の予定である。夜までかかることがわかっていたので、先方が夕食を用意してくれた。時勢柄いろいろ気を付けつつの会食である。有難いことに島野菜を使った料理やスーパーで売っている島寿司をふるまってくださった。美味しかった。個人的には野菜もすごくおいしかったのだが、解説が必要なのは島寿司だろう。

「「島寿司(Shimazushi)」は、近海で獲れた旬な魚の寿司種を醤油ベースのタレに漬けてヅケにし、シャリはやや甘めの酢飯で握り、ワサビの代わりにカラシを載せてあるのが特徴の郷土料理です。
 元々は、船で沖に出る際などの鮮度を保つ工夫としてヅケにしていたと言われていますが、今では美味しいからヅケにして食べるという食文化が根付いています。
 寿司種には、江戸前寿司ではお目にかかれないトビウオやメダイ、岩海苔なども使われ、また、甘めのシャリにカラシを使うという技が特徴です。初めて召し上がった方は、ヅケの寿司種とベストマッチのその意外な組み合わせに驚くことでしょう。」

 引用元は下の八丈島観光協会HPだ。

 現地の方々によれば、本当に島の人が作る島寿司は、シャリがとんでもなく甘く、まさに保存食という感じなのだそうで、最近売っているものなどは観光客に合わせたシャリとのことであった。

取引先に向かう途中で撮影 LUMIX TX2

 次の日は午後から他の地域から合流する仕事仲間と、この日ご一緒した現地の方々と一緒に仕事なので、午前中は空き時間となる。現地組の皆様が「自分たちはこの時間案内できないけど、温泉に行くといいよ」と丁寧にも路線バスの時刻表とパンフレットも添えて行程を組んでくれた。私は温泉が好きなので、その行程を決行することにした。

2日目朝の底土港 LUMIX TX2

 2日目(2022/9/17)の朝は早くに目が覚めたため(台風接近のせいで風が強く、風の音で目が覚めた)、朝食を宿で一番に頂いた後、周辺を散策した。行きたかったのは底土港と神湊(かみなと)漁港周辺である。見事にその近くに宿を取ってあった。底土港はたっちーこと橘丸の着岸する港である。ここに来たらこれ↓をやらなくちゃ。

 ちなみにこのTweetのとおり、既に船は欠航が決まっていた。前日の夜に出航した橘丸は海の状態が悪かったため黒潮を超えられなかったのだ。三宅島・御蔵島には行けたようだが、御蔵島から竹芝に引き返したとのこと。

底土港から神湊へてくてく歩く。 LUMIX TX2

 実は神湊へ行きたかったのは父のゆかりの地だからだ。神湊釣り具店やおざき荘という民宿でお世話になったとのことであったが、おざき荘は運営していたご夫妻共に他界、神湊つり具店も代変わりしているとのことであった。これらの情報は今回お世話になった現地の皆様が調べて下さった。本当に有難い。母と妹に見せるためだけに写真を撮り、しばらく眺めてから宿に戻った。

 大分長くなったので、温泉から復路のドタバタは後編に回そうと思う。


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