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足趾の重要性! Part2

④足趾筋力の低下は転倒の要因になるの?

足趾運動能と片脚・両脚起立能、足趾把持筋力と足趾運動能に有意な相関関係が認められている。

転倒群は非転倒群と比べて、足趾把持筋力、握力、動的姿勢調整能、下肢誘導能、前方FRT、10m歩行時間などに有意な差を認め、動的姿勢制御能、10m歩行時間、重心動揺外周面積の改善は転倒の危険性を減少させる要因であると報告されている。

足趾把持筋力は握力、動的姿勢制御能、膝伸展筋力、FRT、10m歩行時間、TUGとの相関も認められている。

つまり、足趾把持筋力はバランス能力改善に影響を与える因子であると考えられる。

⑤足趾把持練習の効果は?(高齢者の転倒予防の可能性)

老人保健施設にて10分間の足趾把持筋力強化練習を週3回、8週間実施した研究では、有意に重心動揺の総軌跡長、外周面積、X軸方向の最大振幅が改善したとする報告がある。

足趾把持筋力強化練習により、足底のメカノレセプターの賦活と、目と足の協調性の改善が要因であると考えられる。

つまり、高齢者の足趾把持練習が転倒の予防となることが考えられる。

⑥足趾把持練習の効果は?(全身動作遂行能への効果)

健常若年成人に対して足趾把持筋力の増強練習を1日1回、週6回を4週間継続させ、膝・足関節粗大筋力と50m全力疾走や垂直跳びといった動的全身運動に好結果を与えたとの報告がある。

つまり、足趾屈筋群の活動は、足・膝関節周囲筋の同時収縮を促通して、多関節機能に関与しており、足趾屈筋収縮は下肢の機能的連鎖運動における引き金であるとされている。


参考文献:理学療法学 18(1):41-48,2003 「足趾の機能」加辺 憲人



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