資本主義をゲームに例えて考える④ ~お金の発生方法、好景気・不景気イベント~

 今回は、「ゲームにおけるお金の発生方法」「好景気・不景気というイベント」について考えてみました。

お金の発生方法
 ゲーム内でお金はどのように発生しているのでしょうか。一般的なRPG等のゲームでは、モンスターのような敵を倒すとお金が勝手に発生します。しかし、資本主義ゲームでは勝手にお金が発生することはありません。お金は「人」を介することで発生します。

 私は以前のnoteで、資本主義を「人の欲望を原動力にお金を材料として競争を行い、欲望を満たすものを無限に創造していく仕組み」と定義しました。この定義において、「競争をして何かを創る」のは人であり、かつ「何かを、欲望を満たすために使う」のも人です。
 つまり、需要も供給も人が行うもので、そのやり取りの中でお金は発生します。さきほどの例でも、「モンスターを倒して欲しい」と求める人(需要)がいれば、「モンスターを倒す」というサービスをした人(供給)はお金を得ることができます。

 「資本主義ゲームをゲームに例えて考える①」において、お金を稼ぐ4つのジョブを整理しましたが、これらのジョブでお金を稼げるのは、ジョブの創る何かを求める人がいて需要と供給が成り立つからです。
 従業員、自営業、経営者にとっての需要は、彼らが創る何かを求めている「顧客」です。投資家は、直接顧客に何かを供給することは基本的にありませんが、投資した会社や不動産を利用する顧客がいるからこそ稼ぐことができますから、やはり「顧客」が需要になります。

 そして、人はこの需要と供給の両方を担っています。供給側としてジョブを行い、稼いだお金で今度は需要側として他のジョブが創る何かを得ます。

好景気・不景気というイベント
 ゲーム内では、おおよその周期で「好景気・不景気」というイベントが発生します。また、頻度は低いですが「バブル・恐慌」というイベントもあります。
 好景気は、需要と供給が上手くバランスを保ちながら、互いに拡大していくイベントでお金を稼ぎやすく消費も活発です。ゲームのプレイヤーは、この好景気イベントがずっと続いてほしいと考えていますが、必ず不景気イベントが発生します。
 不景気は、好景気とは逆に需要と供給のバランスが崩れてしまい、互いに縮小していくイベントで、お金が稼ぎにくく消費も不活性です。プレイヤーにとって避けたいものですが、メリットもあります。
 お金を簡単には稼げないことから、プレイヤーは新たな人の欲望を満たす事業を考え、創り出すことに全力を傾けます。好景気の時よりも力を入れるため、消費者にとってよりよい何かを作り出しやすくなります。
 
 不景気でも、お金を稼いでいるプレイヤーもいます。彼らは、お金の発生が人を介して行われるものだと知っているので、普段から顧客との付き合いを大事にしてファンを作っています。ファンは、たとえ不景気であっても自分にとって大事だと思う商品やサービスを購入します。ファンの多い自営業や会社の従業員・経営者は不景気でもお金を稼ぐことができますし、ファンの多い会社や不動産に投資している投資家も稼げます。

 現在の日本、もとより世界は明らかに不景気イベントが発生していますが、これまでにきちんとファンを作れていたプレイヤーは生き残りやすく、ファンがいない場合は新しい何かを創ることに全力を注ぐことが必要です。

皆さんはどう思いますか。

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