高級料理は「見えない価値」を感じてナンボ

 以前のnoteで、私は高級料理の割高感について考えてみました。

 高級料理には、料理自体の量や使用している食材など「見える価値」の他に「見えない価値」も含まれており、見える価値だけで考えると割高に感じてしまうのではないかと考えました。
 今回は、この「見えない価値」についてより考えてみようと思います。

目次
・ブランド
・立地
・手間
・見えない価値を利用する

○ブランド
 見えない価値の代表は「ブランド」です。
 例えば、雑誌に掲載されていたり、食べログで星5のお店やミシュランで星を獲得しているお店に行くことは、「あの有名なお店に行った!」という特別感を得ることができます。この特別感が「ブランド」です。
 同じステーキであっても、近所のファミレスで食べるステーキとミシュラン三ツ星のお店で食べるステーキは、明らかに違う価値を感じます。同じお肉を使っていたとしても、おそらく私たちは味が違うと感じてファミレスよりも三ツ星のお店により高い対価を払うでしょう。

○立地
 お店が銀座のような都内の一等地にあったり、観光地の景色の良いところにあるなど、お店の「立地」も「あの一等地で食事をした」「すばらしい景色を見ながら食事をした」という価値を提供してくれます。
 この「立地」については見えない価値というわけではありませんが、料理だけを考えていると見落としてしまいがちな価値です。

〇手間
 なかなか手に入らない珍しい食材を使ったり、調理に何時間もかかっている料理には、「手間」という価値が含まれています。
 同じ味だったとしても、湯せんで3分でできるレトルトカレーと、数十時間かけて煮込んだカレーは明らかに価値が違うと感じます。レトルトカレーの方も、工場で同じ時間をかけて作っていたとしても、食べる人は自分が実際に費やす「3分」で価値を考えてしまいます。

○見えない価値を利用する
 高級料理には、これまで指摘したように「ブランド」「立地」「手間」という見えない(見えにくい)価値が含まれており、こうした価値を感じられるか否かで価格を「割高」か「適正」か、判断することになります。見えない価値を感じられないと「値段の割に満足できない。損してしまった!」と残念な結果になってしまいます。高級料理を提供するお店は、この見えない価値をいかにお客さんに感じてもらうのかで、成功するか否かがかかっています。
 ところで、この見えない価値をお客さんの側も利用することができます。お店の気付いていない価値を感じれば、「本当は自分にとって2000円の価値がある料理なのに、1000円でいいのはお得だ!」とお得感を得ることができます。お店を経営する際だけでなく、お店を利用する際にも「見えない価値」を考え、感じることが経済的に得をする秘訣なのかもしれません。

皆さんはどう思いますか。

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