原発マフィアと反原発の不都合な真実 2

藤沢数希 「反原発」の不都合な真実 

https://www.amazon.co.jp/dp/4106104571/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_AMqIzbZCVBGZ4 

著者の藤沢氏は物理学PhDであり、外資系金融機関を経て、ブロガー兼作家で活動している異色の経歴の方です。古賀氏の指摘や問題提起とはまた違った視点で原子力テクノロジーを考察する上で大変参考になったので紹介したいと思います。 

原子力で命を守りたい。エネルギーなしでは生きられないのも事実

エネルギーは現代文明にとっての正に心臓部でもあり全てといっても過言ではないくらい生活に密着しています。豊富なエネルギーが人間の命を守りそして、エネルギーが人間の命を奪っているとも言及しています。 

エネルギーを扱う事によって、事故や環境破壊で多くの人々が命を落としてきた

エネルギーというのはそもそも危険と隣合わせで、安全性、経済性、環境問題を考慮しつつ多少の犠牲を払いながら、エネルギー源をうまく選択していく以外になく、エネルギー産業の不都合な真実であるが、社会生活をしていく上での現実として受け入れる必要があるとも指摘しています。 

原子力は火力、水力よりもむしろ安全

この言葉を見たり聞いたりすると、どうしても原発事故後の感情では反発したくなりますが、ここは冷静に分析して行きたいと思います。著者の論点としては統計学的に見れば、原子力は実は危険性が少ない電力源であると指摘しています。

例えとして、統計的には飛行機は自動車より安全である

同じ移動距離で比較した場合実は自動車のほ方が危険な乗り物であると指摘しています。飛行機事故を想像すると、どうしても飛行機の方が危険で車の方が安全だど思いがちですが、同じ移動距離での事故分析してみるとあきらかに自動車の方が危険なのです。不都合な真実なので中々受け入れがたい話ではあります。

1テラ・ワット・アワーの電力を生み出すのに、人命という観点からみれば、原子力は石炭や石油より1000倍程度安全とされている

書籍内の著者の分析や様々なリスク管理の専門家の試算を統計的に分析すると上記の答えが導く事が出来ます。感情論で原発は危険と思っていたりすると中々受け入れがたい計算式ではありますが、分析というにはそういう物ですし、人命という観点から分析した結果というのも大切な内容だと思いました。


世間の声や雰囲気で判断すると中々受け入れ難い内容と最初は思っていましたが、本質的な議論をする上で大切な内容ですし、多様性を持って物事を判断していく貴重な内容となっています。原子力テクノロジーも生活には現段階では必要でまだまだイノベーションの可能性も有ると思っています。古賀氏と藤沢氏の問題提起を交互に見ていくと様々な発見があり、多様性の大切さが実感出来ます。

騙されない 諦めない 希望を捨てない 

記事を読んでいただき感謝致します。

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