インドのスタートアップ~直近1年間の調達額ランキング(シード)🦄TOP10企業をご紹介~
はじめに
インターンの松永です。今回は、近年目覚ましい成長を遂げている、インドのスタートアップ事情についてまとめたいと思います!
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事前調査
2022年現在において、インドのスタートアップエコシステムは、米国・中国に次ぎ、世界第三位の規模を誇ります。成長性に関して、インド政府投資局(参照元のリンクはこちら)によってまとめられています。以下は、本文を要約・翻訳したものです。
本noteにおける独自調査として、成長目覚ましいインドにおける直近1年間のシード案件から調達額ランキングTOP10をまとめたので、ご紹介していきます!
直近1年間の調達額ランキングTOP10(シード)
*調達額等個別企業の情報は、Crunchbaseを中心に参照
*集計対象期間は2022年2月23日から2023年2月21日迄
1.Arata
設立:2017年
直近調達額:3,500万米ドル(2022年5月11日)
関連カテゴリー:コスメ, EC
事業概要:100%植物由来で化学物質を含まない、ヴィーガン向けユニセックスのスキンケア、ヘアケア製品を販売。
AmazonやNykaaなど様々なマーケットプレイスで製品をオンライン販売しているほか、自社ウェブサイトでも販売を行っており、インド国内で10万人以上の顧客を有する。
2.StrideOne
設立:2021年
直近調達額:3,223万米ドル(2022年5月30日)
関連カテゴリー:金融サービス, フィンテック, 中小零細企業支援
事業概要:中小零細企業やスタートアップ向けに、与信を含む金融サービスを提供するプラットフォーム
NBFC(非銀行金融会社)のライセンスを持っており、ノンバンクでありながら融資を行うことができる。同社のプラットフォームで個人が利用できる融資枠は、約128米ドルから最大258,000米ドル。設立から6ヶ月で最初の買収(消費者向け金融プラットフォーム)を行った同社は、2022年にも関連企業の買収による事業拡大を予定。
3.Recur Club
設立:2021年
直近調達額:3,000万米ドル(2022年4月19日)
関連カテゴリー:金融サービス, フィンテック
事業概要:企業が、未収収益やリカーリングインカムをディスカウント取引で事前に受け取ることが出来るプラットフォーム。
短期の資金繰り・キャッシュフローの透明化に役立つソリューション。共同CEOのSherwal氏は、資金調達に革命を起こし、資本アクセスの民主化を進めると語る。
4. Kuhoo
設立:2021年
直近調達額:1,978万米ドル(2022年3月1日)
関連カテゴリー:クレジット, 教育, 金融サービス, フィンテック
事業概要:国内外の大学への進学を志望する学生を対象に、デジタルローンを提供。
高度なテクノロジーとデータサイエンスを組み合わせて、リスクと信用モデルを作成。学生の潜在的な雇用可能性と将来収入を評価し、カスタマイズされた融資ソリューションを提供。
5.Siply Services
設立:2020年
直近調達額:1,900万米ドル(2022年6月14日)
関連カテゴリー:金融サービス、フィンテック
事業概要:アンダーバンク向けマイクロ資産形成アプリ。
多くフィンテック企業が目を向けないアンダーバンク(銀行口座を持たない人々)をターゲットとしたフィンテックソリューション。彼らが貯蓄を始めとし、金や株式等への投資、保険サービスの利用を支援。インドにおける貯蓄の民主化及び国民の経済的な独立を目指す。
6.NONA Lifestyle
設立:2016年
直近調達額:1,400万米ドル(2022年10月10日)
関連カテゴリー:B2B, 繊維
事業概要:B2Bテキスタイルマーケットプレイス。
設計から納品までのサプライチェーンを簡素化。需要中心でコストが最適化されたソリューションで多様なカテゴリーランドスケープを作成。150以上のブランドを顧客に持ち、50以上のメーカーと提携し、20以上のカテゴリーで7100万枚以上の商品を供給
7.Card91
設立:2020年
直近調達額:1,300万米ドル(2022年3月27日)
関連カテゴリー:バンキング, 金融サービス, フィンテック, ソフトウェア
事業概要:決済発行インフラプラットフォーム。
企業や銀行が提携カードを発行し、ビジネス決済を簡素化するためのプラグアンドプレイ決済発行インフラを構築。
8.Aliste Technologies
設立:2018年
直近調達額:1,250万米ドル(2022年3月16日)
関連カテゴリー:コンシューマーエレクトロニクス, 製造, スマートホーム
事業概要:IoT技術でスマートホームを開発。
居住者の望みに合わせ、先端技術を用い、自宅を再構築するソリューションを開発。IoTデバイスはスマホで管理可能(スケジューラー・タイマー機能搭載)。AlexaやGoogle Home、Siriとも連携し、音声認識でのコントロールも可能。ご自宅にまつわる請求書の管理・分析まで可能。
9.YouKraft
設立:2020年
直近調達額:1,002万米ドル(2022年4月11日)
関連カテゴリー:EC, インテリアデザイン、ホームデコレーション
事業概要:インテリア商品特化のECプラットフォーム。
金物、工具、電気・照明、給排水衛生設備、床材、塗装・壁装、家具・家電など、インテリア・建設業に関わるあらゆる商品が出品されている。
10.CheQ Digital
設立:2022年
直近調達額:1,000万米ドル(2022年6月30日)
関連カテゴリー:フィンテック
事業概要:複数のクレジットカードに紐づく請求書をまとめて支払い・管理・追跡可能なプラットフォーム。
リマインダー機能で支払い遅延も未然に防止。クレジット決済に係る詳細なレポートも無料で取得可能。
10.ZippMat
設立:2021年
直近調達額:1,000万米ドル(2022年9月8日)
関連カテゴリー:建設, 生産性管理ツール, SaaS, サプライチェーン管理
事業概要:サプライチェーン管理のオールインワンSCaaS技術プラットフォーム。
資材の請求書作成から発注、現場への配送まで、建設業者のニーズに応える。同社のSCaaS(サプライチェーン・アズ・ア・サービス)プラットフォームは、建設会社が最もコスト的に効率の良い方法で、透明性のある供給計画を立て、管理するためのリアルタイムのコラボレーションツールを提供。
番外編:創業間もなくユニコーン企業の仲間入りを果たした注目の2社紹介!
とてつもないスピードで成長を遂げたインドのスタートアップの例として、Apna(ブルーカラー及びグレーカラー労働者向け就職支援プラットフォーム)とMensa Brands(インターネット販売を行うファッションブランドなどD2C企業を買収・運営)があります。
Apna(創業から2年足らず)
2019年に設立され、創業から2年足らず、2021年9月16日にシリーズCラウンドで11億ドルの評価を受け、ユニコーン企業(10億ドル以上の評価額)の仲間入りを果たした様です。
Mensa Brands(およそ半年)
2021年5月の設立からわずか半年程で10億ドルの評価を受け)、2021年11月16日時点(シリーズBラウンド調達時)でインド発スタートアップとして、最速でユニコーン企業の仲間入りを果たした様です。
まとめ
直近一年間のシード調達額TOP10企業の見渡すと、驚くことに大半(11社中8社)が2020年以降に設立された新興企業である事が分かりました!また、業種の傾向としては、フィンテック関連企業が6社と目立ちました!!
シード調達額TOP10及び創業間もなくユニコーンへと成長した2社の事例から、インドのスタートアップの成長スピードが顕著であることが分かります!!
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今回執筆した内容のシンガポール版です。比較してみると面白いです。
なお、調達額ランキングTOP10において、シンガポールではブロックチェーン関連企業が目立ちました。
【💡新規事業のアイデア出しに役立つ】JAFCOパートナー 坂による、米国で資金調達に成功した注目企業紹介!
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※本記事は、2023年2月23日時点の情報に基づきます。
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