本当の自分に出会う旅インド【2010年】その6
その5の続きです。
自分の話に戻りますが、バスに揺られながらインドの夕日をみて、「日本に帰って日本語教師の学校にいって海外青年協力隊に行きたい、そしてそれをきっかけとして国際協力の仕事がしたい」と思ったのでした。
日本語教師の仕事、海外青年協力隊、海外での生活、外国語の取得・・・私の場合すべて自分が就職に有利とか食べるのに困らないとかそういう目的ではなくて、世界の人がもっと分かり合えて平和に生きていければいいなという気持ちから発していたことに、気がついたんです。あまりに大きな希望だし、微力な自分が国際協力なんてできるのかな、って思います。
でも世界も社会も国も実体がないものですよね。すべて一人一人の人で成り立っているんです。じゃあ一人一人から心の壁をなくして世界の人と仲良く分かり合えるようにすればいいじゃないですか?
私はマザーテレサに感動します。ゼロからインドで寄付を請いながら無料学校を作り、インドの子供たちに教育の場をつくった後藤和尚に感動します。ミャンマーで医師として活動するジャパンハートのお医者さんに感動します。国境のない医師団に感動します。
私の感動は自然と世界平和に貢献する組織でもなんでもない、一人の人の熱い思いから生まれるようです。そしてその一人の人間の熱い思いが2人になり、3人になり、共感を生んで大きくなるのではないでしょうか。
いっしょにインド旅行にいった同世代の女の子は社会のいろいろな疑問に学問を追及することで真剣に向き合おうとしていました。学問で市民を啓蒙し、政治を変え、法律を変える。
女性だから生意気なと周囲から言われ傷つきながらも自分が社会を変える意思を持たなければ何も変わらないのだと勉学に励む彼女は偉いと思いました。
彼女は学問を通じて、私は身近なところから自分にできる世界平和のための一歩を踏み出して生きたいと思います。
インドの聖者ラーマクリシュナの弟子ビバカナンダがラーマクリシュナの教えを広げるためにつくったラーマクリシュナミッションで数冊本を買いました。
お金のことを書いている面白い小冊子があったので、抜粋します。
人間は紙切れに価値を与えました。
そしていまその紙切れが人間の価値をきめるのです、なんという皮肉でしょう!
お金は人間に素晴らしいレッスンを与えます。でも静かに。
お金が儲かったとき、人間は何かを学びます。
お金をなくしたとき、人間は何かを学びます。
お金を使ったとき、人間は何かを学びます。
お金を寄付したとき、人間は何かを学びます。
人間が何を学んだかがお金以上に大切です!
お金は人を救う
お金は人を殺す
それはお金の責任ですか?いいえ、人間です!
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私は18歳の時から33歳まで15年ほどかけて一周してまた、出発点に戻ってきたような気分です。
いまではこれまでの経験すべてが必要だったんだと思います。この経験があってようやく自分の心の奥底にあった感動を実現するための一歩が踏み出せそうな気がします。
お釈迦様は6年間修行して35歳で出家しました。私も35歳までにあと1年ちょっと。日本に帰って日本語教師の講座に通うつもりです。海外青年協力隊は35歳までがキゲンなのでそれまでに応募するつもりです。
9年ぶりの東京での生活で、自分の感じかたがどうかわっているかが楽しみです。
この日記のような、一人告白のようなものを書いたあと、ものごとは急展開をむかえました。急に大学の留学生担当の事務の仕事がきまり、あれよあれよと仕事をしながら日本語教師の講座に通うことになったんです。