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【iCARE Designer Interview#01】デザイン本部立ち上げの背景

こんにちは。iCAREでUIデザイナーをやっております、jackyです。

2022年2月1日、iCAREでは新しく「デザイン本部」が立ち上がりました。
今回は、デザイン本部立ち上げのキーマンであるデザイン本部の長である2人に、立ち上げの背景から裏側まで話を聞いてきました。

吉田和也 (写真右)
Sales&Marketing マーケティング部長 兼 デザイン本部 部長
慶應義塾大学文学部哲学科卒。外資系企業、国内上場企業、スタートアップ企業などでマーケティング、事業開発、コンサルティングを手掛けてきた。

青木隆之 (写真左)
デザイン本部 マネージャー
BtoB向けのSaaSを中心にUIデザインを10年以上手掛ける。フリーランスデザイナーなどを経て2018年iCAREに入社。自社プロダクトのデザインを一手に担う。


ーーデザイン本部がうまれた背景を教えてください

青木:
僕がここに勤めてから3〜4年になります。その中で、従業員人数や事業規模が一気に伸びました。最初僕が入ってきた時は従業員規模30人くらいでした。顔を見合わせれば誰かわかるし、何をやっているかも大体把握できていたんです。
でも最近、従業員規模も100人を超えて、よく言われる“100人の壁”を弊社も迎えました。そこで「デザインの関わり方も少人数の時代と一緒ではいけないな」と考え始めたのが発端です。WEBサイトやプロダクト、ユーザー体験っていう文脈を統一していかなければならないなと。また導入数も増えてきていますので単純にCarelyに触れる人数が増えてきている。
以前は最速でリリースするために、スポット、かつ部門別で動いていてよかった。でもユーザーはスポットで体験するのではなく、線でユーザー体験をしていくので、スポットでUX…見え方やテイストが違うと、違和感を感じてきてしまいますよね。そこをきちんと考えるフェーズにきている、そういうのを大切に提供していきたかった。プロダクトを高い位置で見ている人、ユーザー体験を俯瞰的に見ている人に提案したくて、COOのよしさんと相談しながらすすめました。

ーー相談を進めて行った中で、吉田さんに白羽の矢がたった?

吉田:
デザイン本部のお話しがあるまで、僕はマーケティングチームの中でBPS(Brand Positioning Statement)の策定と全社での定着・活用を推進していました。ブランディングとデザインは密接に関連していて、より統一していかなければいけないという問題意識のもと、まずCarelyっていうブランドの概念自体の共通認識を持たなければいけないというところからスタートしました。更にCarelyブランドを対外的により効果的に伝え、そのブランド価値を向上させるためのアクションプランを各部門長から出してもらって、毎週のリーダーマネージャー会議で振り返る活動をしていました。次のフェーズとしては、それを“カタチのデザイン”としてもちゃんと反映しなければならないなとずっと思いながらも、当時のマーケティングチームのデザイナーはまっつん1人で業務量的に進められる段階ではなかった。採用をかけるもなかなか決まらず...でも、ようやく純ちゃんに決まった。新しいデザイナーが決まったから、ようやく全社展開ができそうだぞっというタイミングで、ちょうどよしさんから声をかけられたんですよね。

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でも最初は「デザイン本部やってね」ではなくて、「デザインってこれからのiCAREにとって大事だよね」という話から始まり…「誰かやってくれないかなぁ」というニュアンスで相談を受けました。僕は先ほどお伝えしたような背景があったので、じゃあマーケティングチームと包含して進めるのもひとつじゃないかなとご提案したら「それいいね!」と、あれよあれよと。数日後に「決めたよ!」って、本格的に始動することになりました。

その後僕に「どういう位置付けで、どの時期に、どういう形でデザイン組織を置くか?」を委ねられたので考えていたんですね。

まずはデザイン組織の位置付けですね。よく他の会社だと、本部的にセントラライズされた組織って考え方と、各事業部の中に派遣される考え方、各会社で考え方が分けられてるんです。弊社はPS事業部もできて、デザインも横断でやるって考えると、マーケティングチームの中にデザイン組織を作って横断組織化するっていうのを最初は思い浮かべていたんですね。ただ今回、Carelyのプロダクトデザインも含まれているのでそれは難しいなと。よしさんと話していても「プロダクトデザインがマーケ側に含まれているのは違うんじゃない?」となりました。それで位置付けはマーケでも開発でもないところにしようとなりました。

一方で時期の問題もありました。純ちゃんの採用が決定したばかりで、いざ蓋をあけて入社したら「マーケティングチームじゃなくてデザイン本部です」「違う上長・違うメンバーになります」って大丈夫だろうかと悩みました。ただ面接している時に「できることを広げていきたい」っておっしゃっていて、広げていくならやはりデザイン本部の方がやりたいことは広げられるだろうなと考えました。2/1入社だったので、途中で変わるよりは最初から変わっていた方がポジティブだろうなと、デザイン本部の始動も2/1からにしました。

あともう一つの論点は「本部」にするか「室」にするか。人数的には室なんだけど、より高い目標を見据えると「本部」かなと。青木さんにとってもそうかなって思ってたんです。

青木:
そうですね、弊社の開発部門も「開発本部」なので、対等な目線でやりたいというのはありました。そうなると開発部所属のデザイン組織ってどうしても無理が出てくる。そういう時期だし、形は変わっていかなければいけないなと。

吉田:
「僕らは高い目標を目指すので最初から『本部』として、2/1からいきます」って決まったわけです。ちょうど半期ごとのキックオフ会議を準備するタイミングと重なったのでバタバタしましたね。
いくつか考えるシーンはありましたが、割と楽しく乗り越えられましたね。自分が関わる領域が狭まっていくより、広がっていく方が楽しいじゃないですか。

それに僕はデザイナーじゃないんですが、デザインに対して思い入れがあるんですね。
大学では哲学科の美学美術専攻だったんです。だからアートとか思春期の頃からよく接していて、デザイン的なものに対してそれなりに接してきた。
職種としてはデザイナーは選ばなかったけど、デザインがいけてないものは選ばないようにしていた。ここで自分の人生の中で合流してきたことは、個人的に感慨深いものがあります。

ーーメンバーからの反応はどうでしたか?

青木:
開発部は最初…正直…「え?!どういうこと!??」っていう感じでしたね(笑)
でもまあみんな、なんていうか良いメンバーで、人間ができているっていうか…大人なところがあるので。1ヶ月くらい経ちましたけど受け入れてくれてますね。最初は本当に驚かれましたけど、それはそうですよね。うん。

吉田:
マーケティングチームのまっつんは最初…びびりまくってましたね(笑)。不安だな…って。でもその後は既に多数の業務をこなしてくれています。純ちゃんは入社した日に話したらすんなり受け留めてくれて、青木さんともすぐに会ってもらいました。たぶんポジティブに受け入れてもらっていると思います。なのでこうなってよかったなって判断です。デザイナー同士、仲間として切磋琢磨ができるじゃないですか。
言い方が難しいですけど…どうしてもデザイナーって、従来型組織の中だと受動的な立ち位置になりがちなんですよね。

青木:
しょうがないところもあるんですよね。従属的な関係になるから。開発部なら開発することが、マーケティング部はマーケティングすることが主要業務っていうのは当然だから。だからこそ、本部として動く価値はありますよね。

ーーデザイン本部になってから1ヶ月ほど経ちましたが、いかがですか?

青木:
僕はもうとにかく必死...っていうのも、この人数なので、1人1人のパワーバランスがデカイんですよね。要は作業者が1人もいない。全員がデザイナーで、企画者で、ケツまで持っていくディレクターも務める。それが予想以上の結果に出てくると思うんですけど、どんどん自走してもらえれば「デザイン本部やばいんだぞ」って形になると思ってるので、僕の仕事は、これからつらいことがたくさんあると思うんですけど、みんなが働きやすいように、話を聞いたり手を出したりできるマネージャーとして、もっともっと頑張っていきましょう!っていう動きがしたい。なので必死です。

吉田:
洋太さんやよしさんからは「目線を高く」と言われていて、僕としても「カタチのデザイン」だけじゃなくてもっと上流からやっていく必要があると考えています。世の中のデザインの流れもそっちにいっていますよね。経産省・特許庁による「デザイン経営宣言」とか。ブランディングという概念とどんどん近付いて行って、そうすると全社で推進しているBPSの取り組みと合流するので、小さくまとまるのではなく高い目標を追っていきたいなと思っています。

青木:
僕、吉田さんとお仕事をして「なるほどな」と思ったことがあるんです。それは「考えをデザインする」ってこと。これ、とても大事だなと思ってて。
それは何かって言うと、デザイナーって技術力はあるけど、何を作るって言うのがなかなか考えに及ばないんです。ディレクターとかプロデューサーの指示に従っていると、なかなか考える機会ってないと思うんですよね。例えばお題だけ渡されるとどうしたら良いかわからなくなるデザイナーって多い。「より良いものを作るにはどうすれば良いのか」「どう言う思い・ストーリーがあるのか」とか、だからこそそういうのを考えて、作れるのって良い機会だと思っています。マーケティングって考えることが仕事なので、どういうことが求められているのか、自分はどう言う立ち位置なのか、とか。それって僕たちがあまりやってこれなかったところでもあるので、そこの知見は僕たちの役に立つからどんどん学んでいきたい。

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まだ答えは出てないですが、iCAREやCarelyのブランドを僕たちが作りあげるって言うっていうのが
僕たちの目標でもあります。“iCAREらしさとはなんぞや”っていうところですよね。そこをもっともっと考え抜いてアウトプットして、具体化していかなきゃいけないっていう気付きを教えてもらったと思います

吉田:
僕は立場的にも手を動かすデザイナーではないので、よりコンセプトを具体化したいっていう時に、デザイナーがいない場合は外に発注しますよね。それが近くにいていただけるとザインとして考えをカタチにする時に何度も往復してお互いアイディアを出し合うことがスムーズになるのは非常に嬉しいです。
今年も大規模な自社カンファレンスを予定しているのですが、そこに思いっきりCarelyらしさを出したいです。Carelyファイブリングス、健康データの活用などが中心トピックになるかと思うので、それをデザインとしてどう具現化できるかっていうのを一緒になってできるのがとても嬉しいですね。

日本のBtoB企業ってまだまだデザイン経営の考え方が浸透していないと思うんですよ。グローバル企業の方が学ぶことが多いですね。理想的にはそれこそBtoB、もしくはSaaSの中で一番デザイン経営が浸透している会社になっていきたいです。

青木:
本当にそうなんですよね。うちのパーパスあるじゃないですか「働くひとの健康を世界中に創る」って。世界中の誰がみてもiCAREってわかるっていうのが俺ららしさであって、それはなんぞやっていうのはずっと考え続けていかなきゃいけないし、見せていかなきゃいけないですよね。
使命というかね。しかも産業保健っていうかっこいい業界でチャレンジできる。そこで成功したらめちゃくちゃかっこいいですよね。要はまだ固まってないから。先駆者となって、俺たちのデザインがスタンダードになっていくんですよ。

吉田:
世界がサステナビリティにむかっているので、そこにのってデザイン経営につなげていきたいですよね。僕たちまだまだひよっこですけど(笑)

青木:
チームで同じ方向向いて、力を合わせて登っていきたいですね。

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ーーありがとうございました!

次回は中堅デザイナーの皆さんにインタビューしていきます!お楽しみに。

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