見出し画像

【登記関連】登記・供託に関する定番の実務書20選

 登記に興味関心のある方、司法書士試験合格者及び司法書士有資格者向けに登記関連に関する定番の実務書を独断と偏見で20冊選定してみました。
 どちらかといえば初心者?向けなので、より専門的な実務書については、別途記事を作成予定です(未定)。実体法の書籍については、冊数が多くなるため、除いています。
 なお、本記事中意見にわたる部分は私の個人的見解を述べたものにすぎません。



第1 はじめに及び選定基準

1 はじめに

 まず、なぜ登記に関する書籍の記事を書こうと思ったのか、といいますと、単純に不動産登記及び商業法人登記に関する実務書について、まとめサイト、書評やレビューがめちゃくちゃ少ないからです(司法書士の先生はみなさんお忙しい、そしてまとめるのは結構めんどくさい)。 
 そこで、「ないなら自分で紹介してしまおう。どうせ誰も見ないだろうし(笑)」と書いてみた次第です。司法書士の諸先輩方にとっては、真新しさもなく異論のある記事だと思いますが、何卒ご容赦いただければと思います。
 独断と偏見とはいえ、書籍の選定基準については、次のとおり定めました。

2 選定基準

ア 発売中の本
 入手できない本をおすすめされても困りますよね。
イ (自分の経験上)定評のある本
 実務家の方が使用している本を選定しています。
ウ 基本書的な本
 登記法の分野自体が専門的ですが一般的に多い登記申請に絞りました。
 判決による登記や渉外登記はあえて除外しています。
エ 高価すぎない本
 高価すぎ、巻数多すぎ…という本は除いています(書式シリーズ、書式精義、詳解商業登記など)。
オ 自分が所有又は使用してよかった本
 主観的なものです。使用したことがない書籍については除いています。


第2 定番の実務書20選

1 実務書20選一覧(忙しい方はこちらをどうぞ!)

  1. 鈴木龍介『登記法入門―実務の道しるべ』(商事法務,2021)

  2. 山野目章夫『不動産登記法概論―登記先例のプロムナード』(有斐閣,2013)

  3. 日本法令不動産登記研究会『6訂版 わかりやすい不動産登記の申請手続』(日本法令,2023)

  4. 青山修『【補訂新版】 不動産登記申請MEMO 権利登記編』(新日本法規出版,2009)

  5. 幸良秋夫『全訂 設問解説 相続法と登記』(日本加除出版,2023)

  6. 青木登『元登記官からみた登記原因証明情報―文例と実務解説―』(新日本法規出版,2017)

  7. 青山修『改訂 登記名義人の住所氏名変更・更正登記の手引』(新日本法規出版,2009)

  8. 松井信憲『商業登記ハンドブック(第4版)』(商事法務,2021)

  9. 神﨑満治郎・金子登志雄・鈴木龍介『商業・法人登記500問』(テイハン,2023)

  10. 永渕圭一『3訂版 ケース別 株式会社・有限会社の役員変更登記の手続』(日本法令,2023)

  11. 神﨑満治郎『特例有限会社の登記Q&A(新訂版)』(テイハン,2023)

  12. 泉水悟『事例解説 合同会社の登記』(日本加除出版,2021)

  13. 金子登志雄・立花宏『商業登記実務から見た 合同会社の運営と理論(第2版)』(中央経済社,2021)

  14. 伊藤文秀『【新訂版】公益法人・一般法人の登記』(‎ 全国公益法人協会,2022)

  15. 磯部慎吾『基礎からわかる供託【第2版】』(きんざい,2020)

  16. 登記研究編集室『【新訂】実務 供託法入門』(テイハン,2015)

  17. 鎌田薫・寺田逸郎・村松秀樹編著『新基本法コンメンタール 不動産登記法【第2版】』(日本評論社,2023)

  18. 神﨑満治郎・金子登志雄・鈴木龍介『論点解説 商業登記法コンメンタール』(きんざい,2017)

  19. 山本浩司ほか『司法書士 山本浩司のautoma system 必携オートマ先例集 不動産登記』(早稲田経営出版,2020)

  20. 山本浩司ほか『司法書士 山本浩司のautoma system 必携オートマ先例集 商業登記・供託』(早稲田経営出版,2020)


2 登記法概論

① 鈴木龍介『登記法入門―実務の道しるべ』(商事法務,2021)

 商業登記分野で高名な鈴木龍介先生(日本司法書士連合会副会長)が著者です。本書は、不動産・商業登記に限らず、動産、後見登記についても概要があり、全体を俯瞰したくなったときにおすすめの1冊です。
 以下は、商事法務HPからの引用です。

「多種多様な登記について、実務の視点から平易簡明に解説」
「実務で必須の各種登記のアウトラインについて、記載例や図表などの ビジュアルを取り入れた「使える」入門書。」

商事法務


② 山野目章夫『不動産登記法概論―登記先例のプロムナード』(有斐閣,2013)

 著者は、早稲田大学教授、令和3年民法・不動産登記法改正にかかる法制審議会民法・不動産登記法部会長でもある山野目先生です。
 本書は、不動登記全体を見通すことができる1冊で、特にコラムが秀逸です。私もかれこれ4回購入しています(3冊後輩に贈呈)。
 以下、有斐閣HPからの紹介文を引用。

「不動産登記法の基礎知識がまとめられたテキスト。実際の運用をうかがうことのできる重要な先例(通達・回答)を豊富に引用し,さらに,私たちの暮らしとのつながりや民法との関連などにも触れながら,散歩するように(プロムナード)いきいきとした不動産登記法の世界を解説。」

有斐閣

3 不動産登記の実務書

① 日本法令不動産登記研究会『6訂版 わかりやすい不動産登記の申請手続』(日本法令,2023)
 
本書は、不動産登記申請について、網羅的に書かれた1冊で、はしがきにもあるとおり、法務局の若手職員向けに書かれた節があり、申請に関する根拠条文もしっかりと記載され、信頼できる1冊だと思います。
 なお、監修は法務局職員OB(元統括登記官)の方です。
 以下、日本法令HPから紹介文を引用。

一般の方が自力で登記申請できる手引書、法務局職員および不動産登記に何らかのかかわりがある方々の手ごろな解説書として好評をいただいている書籍の最新改訂版!
参考法令、通達、実務の実例を検索しやすいように記載しています。
<本書はしがきより>
令和3年に民法の一部が改正され、また、それにともない不動産登記法も一部が改正されました。
改正された一部は令和5年4月1日から施行されましたが、残りは今後、順次段階的に施行されていく予定です。
また、「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が、令和3年4月21日に成立し、令和5年4月27日から施行されました。
不動産登記法の大きな改正は、相続登記と所有権の登記名義人の表示変更登記の申請が義務化されたことでしょう。相続登記の申請義務化は令和6(2024)年4月1日からであり、所有権の登記名義人表示変更登記の申請義務化がスタートするのは令和8(2026)年頃です。
これらは、所有者不明土地をなくすための方策ですが、法務省も相続登記をやりやすいように工夫をしているところです。たとえば、法定相続情報一覧図の写しの制度、登記所が自筆遺言書を保管する制度の創設などです。
したがって、これらの改正に応えるために本書を改訂する必要性を感じていたところ改訂の話がありましたので、快く受諾した次第であります。

日本法令


② 青山修『【補訂新版】 不動産登記申請MEMO 権利登記編』(新日本法規出版,2009)
 
著者は数多くの書籍を執筆されている司法書士の青山修先生です。
 本書は「MEMO」シリーズの権利登記編で、私も相当お世話になった1冊です。ほかにも表示登記、商業登記、利益相反、農地、抹消登記、仮登記などなど、私もかなりお世話になっています。ただし、本書で注意が必要なのは、2009年以降の法改正に対応していないことです。
 なお、現在は電子書籍のみとなっています。
 以下、新日本法規出版から紹介文を引用。

◆Q&A 約1,000件収録
◆登記関係者に必備の一冊
◆登記実務で直面する疑問が一目で解決できる
<<補訂新版の特色>>
・30年ぶりに見直された「不動産登記記録例について」平成21年2月20日法務省民二第500号)に完全対応
・平成20年7月にすべての登記所がオンライン申請対象登記所に指定されたことを受け、内容を見直した最新版

新日本法規


③ 幸良秋夫『全訂 設問解説 相続法と登記』(日本加除出版,2023)
  
本書は、相続登記について、網羅的に書かれた1冊で、相続登記の問題はこれ1冊で解決するのでは?と思うほどです。実際、私も疑問に思ってい立点について、本書を読んで解決したことがあります。
 著者は、元公証人(元地方法務局長)の幸良秋夫先生です。
 これは絶対に買うべき1冊です。
 以下、日本加除出版HPから紹介文を引用。

相続登記の義務化を見据えた1 冊
令和3 年民法・不動産登記法改正 改正相続法施行通達にも対応した5 年振りの全面改訂版!
<本書のポイント>
● 200を超える設問を交えながら、具体的事案における相続法の解釈、難しい登記の可否判断、相続登記関係書類の記載例を体系的に学べる1 冊。
● 旧民法・応急措置法における相続や、外国人に関する相続登記についても解説。
● 根拠となる判例・先例を500以上収録し、重要なものについては要旨まで掲載。
● 「登記申請書式例」「不動産登記記録例」「遺言文例」等、実務に役立つ書式も収録。

日本加除出版


④ 青木登『元登記官からみた登記原因証明情報―文例と実務解説―』(新日本法規出版,2017)
 
本書は、不動産登記の添付書面である「登記原因証明情報」について解説された1冊です。
 著者は、標題どおり、元登記官の方です。
 私の観測範囲では本書を使用する司法書士の先生は多いと思われます。
  なお、本書は2017年発行ですので債権法改正(2020年4月1日施行)に対応していませんので注意を要します。
 以下、新日本法規HPから紹介文を引用。

登記原因証明情報に関する実務を実践的かつ詳細に解説!
◆利用頻度が高い登記原因証明情報を多数取り上げています。
◆実務の着眼点として、登記実務において論点となる事項を掲げ、登記官の視点から詳述しています。
◆実務に精通した元登記官が、豊富な経験に基づき執筆した信頼できる内容です。

新日本法規出版


⑤ 青山修『改訂 登記名義人の住所氏名変更・更正登記の手引』(新日本法規出版,2009)
 
本書は、不動産登記における、いわゆる「名変」を解説した1冊です。
 本書も著者は青山先生です。ニッチな分野の1冊ですがみんな持っているのではないでしょうか?シンプルに見える名変も奥が深く、司法書士の先生も悩むことがあるのではないでしょうか。そんな悩める司法書士の救世主となる1冊…かも。
 以下、新日本法規出版HPから紹介文を引用。

最新の改正に対応した豊富な事例を登載!
登記名義人の住所氏名変更・更正登記実務のポイントがすばやく確認できる!
◆具体的な事例を図表で明示
権利に関する登記名義人の住所氏名の変更登記・更正登記について豊富な事例を掲げ、事実経過や当事者間の関係を【図表化】しながらわかりやすく解説してあります。
◆申請書記載例が一目でわかる
事例ごとに、申請書の記載事項を【一覧】で掲げていますので、申請書が速やかに作成できます。

新日本法規出版

4 商業・法人登記の実務書

① 松井信憲『商業登記ハンドブック(第4版)』(商事法務,2021)
 本書は正しく商業登記のバイブル!商業登記の仕事をする上で本書を持っていないということがあるのでしょうか?と思います。通称『ハンドブック』。
 著者は、裁判官出身で法務省民事局の松井先生です。
 主に株式会社を中心とした商業登記全般を記した1冊です。
 唯一の弱点は、持分会社、特例有限会社、外国会社の記載が弱いことでしょうか。
 なお、本書は、はしがきにも書いてあるとおり、令和元年会社法改正のうち、株主総会資料の電子提供制度の創設や支店登記の廃止について対応していませんので、他日改訂が見込まれます。
 以下、商事法務HPから紹介文を引用。

令和元年改正会社法と登記手続実務の変更を踏まえた改訂版
令和元年改正会社法は登記実務においても相当の影響を与える。また、登記手続においても、登記申請書への法人名の振り仮名の記載、会社の設立登記のファストトラック化、マイナポータル経由の法人設立ワンストップサービスなど多くの施策が実施されている。これらの改正を踏まえた実務家必携の書。

商事法務


② 神﨑満治郎・金子登志雄・鈴木龍介『商業・法人登記500問』(テイハン,2023)
 
本書は、商業・法人登記において、悩むであろうポイントを網羅し、文字どおり、「痒い所に手が届く」おすすめの1冊です。著者は商業登記倶楽部で高名な神﨑(こうざき)先生、やはり商業登記で高名な金子先生、鈴木先生です。
 以下、テイハンHPから紹介文を引用。

◆令和元年改正会社法で新設された株式交付制度をはじめ、理論と実務に精通した著者が近年の登記実務の変更点をわかりやすく解説しています。
◆設問を500問に増やし、持分会社や法人登記、渉外商業登記まで幅広く網羅しています。
◆電子証明書やテレビ電話による定款認証など、電子申請に関する論点も新設しました。

テイハン


③ 永渕圭一『3訂版 ケース別 株式会社・有限会社の役員変更登記の手続』(日本法令,2023)
  
本書は、株式会社及び有限会社の役員変更登記について、特化した1冊で申請書や添付書類のひな形も掲載された「ミニ書式精義」ともいうべき1冊です。
 また、本書は、巷間、その万能ぶりから「司法書士をダメにする本」とまで言われるほどだそうで…。
 以下、日本法令HPから紹介文を引用。

改正会社法、改正商法、登記規則に完全対応!
平成31年1月の改訂増補版発売後、下記のような法令の改正や実務上の見直しがありました。
3訂版では、これらを踏まえて作成例や解説を見直しました。
・押印規定の見直し
・取締役等の欠格事由の改正
・会社代表者等の住所の非表示措置
・併記可能な旧氏の範囲の拡大

日本法令


④ 神﨑満治郎『特例有限会社の登記Q&A(新訂版)』(テイハン,2023)
 
本書は、特例有限会社の登記について、Q&A方式で詳説し、従前(旧商法)及び会社法改正時の取扱いも含めて、現行法に対応した1冊です。
 私は旧商法時代のことについてわからないので、そんな時、この本にはかなり助けられています。
 以下、テイハンHPから紹介文を引用。

◆大人気書籍『特例有限会社の登記Q&A(増補・改訂版)』を改訂。令和元年10月以降の法令の改正に対応しました。
◆旧有限会社法と会社法の法律関係、平成17年法律第87号会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律による特則の要点等を、Q&A方式で分かりやすく解説しました。
◆特例有限会社の定款の見直しや株式会社への移行に関する手続等、実務書としても大いに活用できる一冊です。

テイハン


⑤ 泉水悟『事例解説 合同会社の登記』(日本加除出版,2021)
  
本書は、合同会社の登記について、申請書及び添付書類の記載例も含めて解説した1冊です。
 司法書士試験合格同期の方から教えていただきました。
 なお、私が司法書士試験を受けた時に商業登記の記述式問題で合同会社が出題されました。今となってはいい思い出…。
 以下、日本加除出版HPから紹介文を引用。

登記実務の現場で生じた事例をどのように受任し、何を参考に、どのように考えて処理すべきかを示す!
●各登記手続につき、複数のパターンを想定して、書式記載例も豊富に掲載。

日本加除出版


 金子登志雄・立花宏『商業登記実務から見た 合同会社の運営と理論(第2版)』(中央経済社,2021)
 
本書は、標題どおり、商業登記実務から見た合同会社の運営について解説された1冊です。
 特筆すべきは、合同会社について、実務上よく問題となるにもかかわらず、他の文献に解説がない事項についても、金子先生が解説されている点にあり、類書がないということです。合同会社は、いまだ運用に不明な点も多く、個人的にかなりおすすめです。
 以下、ビジネス専門書Оn-lineHPから紹介文を引用。

幅広い文献を踏まえた確かな理論をベースに、株式会社と異なる実務の多い「合同会社」の運営上の疑問に明快に答える。とりわけ難解な「解散と清算」の実務を加筆した第2版!

ビジネス専門書on-line


⑦ 伊藤文秀『【新訂版】公益法人・一般法人の登記』(‎ 全国公益法人協会,2022)
 
本書は、公益法人・一般法人について、網羅的に解説された1冊です。
 特に、公益・一般法人登記について類書が少ないという点で貴重な1冊だと思います。
 以下、全国公益法人協会HPから紹介文を引用。

かつてない詳細さの公益・一般法人の登記実務書が遂に登場。全公協相談室顧問 として指導した経験を踏まえた詳しい解説だけでなく、本文中で紹介された登記申請書、議 事録、就任承諾書のあらゆる書式例をデータで完全収録。電子申請にも対応した担当者なら 必携の 1 冊です。

全国公益法人協会

5 供託の実務書

① 磯部慎吾『基礎からわかる供託【第2版】』(きんざい,2020)
 
本書は、法務省民事局の方が一般的に多い供託類型について、網羅的に解説した1冊です。
 司法書士業務においても、意外と供託が必要となる場面もあると思い、本記事において紹介いたします。
 基本的な供託の理解に役立つ1冊で、私も折に触れて読み返しています。
 以下、きんざいHPから紹介文を引用。

申請から還付まで供託制度をわかりやすく解説した入門書
待望の改訂版!
◆債権法改正、民事執行法改正、供託規則の改正を反映しアップデート。
◆利用件数の大半を占める「家賃の弁済供託」と「第三債務者がする執行供託」を中心に事例を用いて解説し、その他供託の基礎についてもシンプルに説明。
◆図解が豊富に用いられ理解しやすく、書式も多数掲載。「かんたん申請」などオンライン申請供託手続も申請画面を例示しながら解説。
供託を初めて利用する方から司法書士・弁護士まで
供託に関わる人すべての方にとって必読の書

KINZAIストア


② 登記研究編集室『【新訂】実務 供託法入門』(テイハン,2015)
 
本書は、供託の実務について、「入門」と謳いながらも詳解した1冊です。 私が知る限り、供託実務の基本書といえば、現行ではこの1冊ではないでしょうか。
 
なお、債権法改正、近年の供託規則改正に対応していないので注意を要します。


6 登記法コンメンタール及び先例集

① 鎌田薫・寺田逸郎・村松秀樹編著『新基本法コンメンタール 不動産登記法【第2版】』(日本評論社,2023)
 
本書は不動産登記法のコンメンタール(逐条解説)です。
 特筆すべきは、コンメンタールといえば、学者先生が執筆されていることがほとんどなのですが、本書については、そのほとんどが、裁判官、法務省職員、法務省及び地方法務局長OBなどの実務家で占められているところにあります。
 以下、日本評論社HPから紹介文を引用。

所有者不明土地に関わる令和3年法律24号に対応し、12年ぶりに全体としてのアップデートを図った。関係法令や準則も巻末に収録。

日本評論社


② 神﨑満治郎・金子登志雄・鈴木龍介『論点解説 商業登記法コンメンタール』(きんざい,2017)
 
本書は、現行商業登記法の唯一のコンメンタールです。
 以下、きんざいHPから紹介文を引用。

日本司法書士会連合会会長推薦!
◆最新の会社法に対応した唯一の商業登記法コンメンタール。
◆実務の最前線で活躍する執筆陣が、実務上疑問となる論点を中心に詳細に解説。
◆企業の総務・法務担当者必携の一冊!

KINZAIストア


③  山本浩司ほか『司法書士 山本浩司のautoma system 必携オートマ先例集 不動産登記』(早稲田経営出版,2020)
 
本書は、実務書というよりは司法書士試験向けの先例集ですが、その網羅性は類書がなく、発行年が新しいものです。
 私も先例の早引きとして使用しています。
 以下、早稲田経営出版HPから紹介文を引用。

【司法書士受験生・司法書士実務家必携】
司法書士受験生の定番、オートマシリーズから、先例集が登場!
☆本書は不動産登記の先例・判例を体系的に掲載した資料集です☆

早稲田経営出版


④ 山本浩司ほか『司法書士 山本浩司のautoma system 必携オートマ先例集 商業登記・供託』(早稲田経営出版,2020)
 
以下、早稲田経営出版HPから紹介文を引用。  

【司法書士受験生・司法書士実務家必携】
司法書士受験生の定番、オートマシリーズから、先例集が登場!
☆本書は商業登記・供託の先例・判例を体系的に掲載した司法書士受験生のための資料集です☆

早稲田経営出版

第3 番外(関連書編)

 登記に関する関連書について、「登記」の実務書ではないですが、次のとおり、有用と思われる実務書○選をピックアップしてみました。個人的にはこちらもおすすめしたい!

1 戸籍、字体の書籍

① 小林直人ほか『相続実務に役立つ“戸籍"の読み方・調べ方【第二次改訂版】』(ビジネス教育出版社,2020)
 
相続登記は登記だけを理解していても戸籍が読めなければ意味がありません。本書は、そんなときにお助けしてくれる1冊です。
 以下、ビジネス教育出版社HPから紹介文を引用。

相続人を確定させるために必要な戸籍の仕組み・基礎知識から取り寄せ方、読み方までを分かりやすく解説したロングセラーが最新情報を織り込んでさらに充実!

ビジネス教育出版社


② 小林勝彦『むずかしくないぞ!!誤字俗字・正字』(日本加除出版,2011)
 
登記においては、氏名について、「字」が同一なのか更正登記が必要なのかが問題となります。
 本書は、そんなときに役立つ1冊です。通称「博士本」。
 以下、日本加除出版HPから紹介文を引用。

戸籍実務で疑問を抱きやすい誤字俗字・正字の取扱いが、すっきり理解できる!

日本加除出版


2 令和3年改正民法・改正不登法の実務書

① 村松秀樹ほか『Q&A令和3年改正民法・改正不登法・相続土地国庫帰属法』(きんざい,2022)
 
本書は、令和3年改正民法・不動産登記法・相続土地国庫帰属法について、立案担当者が解説した1冊です。通称『トウキツネ本』。トウキツネかわいい。
 以下、きんざいHPから紹介文を引用。

所有者不明土地の解消に向けた新制度について背景から実務上の要点まで立案担当者が詳しく解説!
■所有者不明土地の発生予防と利用の円滑化のための新制度について、全153問のQ&Aでわかりやすく詳説。
■相続登記の義務化、相続土地国庫帰属制度の創設、所有者不明土地管理制度の創設、長期間経過後の遺産分割の見直しなど、重要な改正事項や新設制度を網羅。
■弁護士・司法書士・土地家屋調査士や自治体職員、企業法務家必読の1冊。

KINZAIストア


② 荒井達也『Q&A 令和3年民法・不動産登記法改正の要点と実務への影響』(日本加除出版,2021)
 
本書も①と同様に改正民法について解説された1冊です。個人的にはこちらの方がわかりやすかったです。
 以下、日本加除出版HPから紹介文を引用。

125年ぶり!民法物権編の大改正(2021年4月28日公布)
【法制審議会民法・不動産登記法部会委員 吉原祥子氏 推薦】
日弁連所有者不明土地問題等に関するワーキンググループの幹事として法改正の議論を丁寧にフォローしてきた著者が、誰よりも早く、コンパクトに解説!
● 2021年4月28 日公布の「民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)」及び「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(令和3年法律第25号)」について、改正点や実務上の要点をわかりやすく解説。
● 巻末資料として、改正項目別実務への影響早見表と改正後の条文を掲載。

実務家の皆さん、自分には関係無いと思っていませんか?

所有者不明土地への直接的な対策に限らず、民法の相隣関係規定、共有制度、財産管理制度、相続制度といった幅広い分野に影響する改正です!

日本加除出版

3 その他

1 寳金敏明『改訂版 境界の理論と実務』(日本加除出版,2018)
  
本書は、土地の境界について、その理論と実務を解説した1冊です。
 土地の境界について、本書は定番といってよいと思います。
 著者は、検察官出身で法務局長、最高検察庁検事を歴任された寳金先生です。土地家屋調査士の方はお持ちだと思います。
 不動産登記、権利登記に直接関係するものではありませんが、読んでおけば、土地家屋調査士の先生と土地の筆界について話すときにスムースかもしれません。
 以下、日本加除出版HPから紹介文を引用。

土地境界に関する唯一の理論書
新たな裁判や実務動向を踏まえた、待望の改訂版!
●初版発行から10年間に蓄積された裁判例の解釈・判断基準を踏まえ、実務に与える影響を分析。

日本加除出版


2 書式精義
 
書式精義とは、次のとおりの書籍です。
 ここでは、それぞれ紹介するに留めますが、現在はテイハンから登記研究編集室という著者名で発行されています。

① 不動産登記書式精義
 
本書は、前身となる書式精義が存在しますが、現在、新しい書式精義が発売されています。
 
なお、第2巻は発売されていません(2023年11月現在)。
 
以下、テイハンHPから紹介文を引用。

新不動産登記法に完全対応した、まったく新しい書籍精義が発刊されます。第1巻には“不動産の表示に関する登記”を収録

テイハン


② 商業登記書式精義
 
以下、本書改訂新版について、紀伊國屋書店HPの紹介文を引用。

商業登記主管課の法務省民事局第四課職員による責任・編集によって平成2年の商法改正による全面改訂新版。改正された法令及び発出された先例等を踏まえ、今次改正後の取扱に基づく解説及び申請書式を多数収録。

紀伊國屋書店

第4 おわりに(そんなに買えないよ!というあなたに)

 いかがでしょうか。「20冊なんて買えないよ!」という声も聞こえてきそうです…。
 そんなあなたは、とりあえず次の書籍を買っておけば間違いなし!とオススメしておきますね!

・相続法と登記

商業登記ハンドブック

 以上です。
 今後、おすすめの書籍がありましたら私にも教えていただければ幸いです!
 「おわりに」だけを読んだ方も全て読んでいただいた方もお読みいただきありがとうございました。