約束

『ちょーさん、長崎来たらマジ連絡下さいね！
　待っとりますよ！（≧∇≦）
　あと、6月は絶対沖縄行きますからね〜♫
　今日も頑張っていきましょ♫』

なぁ、まだ何一つ、約束果たしてないじゃないか？

出会ったのは昨年の10月、いつものBARで。

店内が混み合ってたので、いきなり俺が隣の店に

誘ったんだっけ？　美味いピザにワイン、そして

どうでもいいような、くだらない話で盛り上がって

またBARに戻って朝までずっと笑ってたな。

まだ出会ってから一年も経ってないんだな。

お前の町での想い出は山ほどあるのに。

俺の町には一回もまだ来てないのに、

黙って、星になるのは早すぎるんじゃないか？

きっと、いろいろあったんだな。

そうだよね？　お前は優しすぎるから。

写真を見返してみたら、お互い赤い顔して

酔っ払ってる顔しか写ってないよ。

相当、楽しかったんだな。

6月に沖縄に来たら、見せたい景色も、会わせたい人も、

連れていきたい場所もたくさんあったんだぞ。

この約束は、絶対に守りたい。

いつか、いつか、また会える日が来たら、

一緒に旅をしよう。

お前の笑顔だけ浮かんでばかりで、

俺は涙が止まらなくて、どうしてくれんだよ。

当たり前に時間が過ぎて、7月がやってきて、

今日の午後は土砂降りになって、

まるで空が代弁してるみたいで。

まいったよ。

とりあえず、お前の町に会いに行くから、待ってろ。

マジ連絡くださいねって。

待っとりますよって。

そう言ってくれたのは、お前なんだから。

何一つ、力になれなくてごめん。

これからも、ずっと、ずっと、弟だ。

出会ってくれて、ありがとうな。

これからも、ずっと、よろしくな。