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シリウスS・雑感

 前半1000㍍62秒4、先行馬有利の阪神ダート2000㍍で超が付くスローペースをサンマルレジェンドが引っ張るなか、後続が前を窺う動きを見せるが先行勢のの余力は十分すぎる、3コーナーで促した3番手追走のアイコンテーラーの手応えは唸るほど、その後ろにいたハギノアレグリアスも同様、道中アイコンの内にいたヴァンヤールも良い手応え

 直線で早めスパートのアイコンテーラーが突き放しにかかる、ヴァンヤールも追うが置かれだす、その外に持ち出したハギノアレグリアス、58.5㌔の斤量を微塵も感じない迫力走、残り100㍍を前に勝ちは確定した

 3月の名古屋大賞典で重賞を勝ち、帝王賞でも4着に健闘、さらに実を蓄えた印象を抱かせる重賞初制覇、2週前のローズSに続く重賞勝ちの鞍上岩田望来と共に勢いを付けていきたいところ、そして開業3年目、ダービー2勝の名騎手として馳せた四位洋文調教師にとっても嬉しい重賞初制覇、ハギノの母タニノカリスは、2002年のダービー馬タニノギムレットの姉、その後ギムレットは、当時騎手だった四位調教師に初のダービー制覇へ導き、64年ぶり牝馬によるダービー制覇を果たした女傑・ウオッカの父となっている、そのウオッカの縁を手に歩む、今後の彼らの青写真は……。

 アイコンテーラーは勝ちに等しい2着、母の父ケイムホームはインティなどダートで活躍した馬を多数輩出しているが、5歳にしてその資質が開花してきた印象、牝馬限定のレースもある、負けはしたが選択の視野が格段に広がった

 ヴァンヤールは底が見えた印象の3着、今後重賞でもチェックは必要だろうが大望は遠のいたか、ただ今回は本来の形とは異なる先行策、差しの形なら。4着のフルヴォートは初距離ながら、最後まで脚は伸ばしていた。道中掛かり気味の走り、距離はマイル前後が良い、その距離に使ってくれば相手強化でも面白そう。

「縁(ゆかり)」、一旦途切れた四位調教師とウオッカの物語、新たに紡がれる見えざる筆の先に待っているのは……。

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