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10年前の自分との約束を果たそう。上場企業からWeb3スタートアップに飛び込んだデザイナーの話

2022年10月、Gaudiyに入社をしました。

Gaudiyは入社時、創業4年目、40名程度のWeb3スタートアップ。一方の前職は、人材系サービスを展開する上場企業。約10年在籍し、社員が約70名から1,000名を超える組織拡大を経験しながら、デザインマネージャーとしてやりがいのある仕事に挑戦していた中での意思決定でした。

そんなフェーズ・ドメイン・カルチャーが全く異なる企業への転職を決めた裏側には、たくさんの葛藤がありました。

この記事では、自分のデザイナー人生を振り返りながら、転職までのリアルな葛藤を書きたいと思います。スタートアップに挑戦したいけど決断に苦しんでいる方や、キャリア迷子になりがちなデザイナーの方に少しでも参考になれば嬉しいな。

私のざっくり経歴
【1社目】
2012年、新卒で「Webマーケター」としてスタートアップに入社するも、1年未満で退職。そして挫折
【2社目】
モノづくりをしたいと思い「未経験デザイナー」としてまたしてもスタートアップに転職
・約5年の「ダメダメ時期」を経験
・その後、新規事業の立ち上げやデザインマネージャーなどを担当
【3社目】
・2022年、Gaudiyに転職。新たなチャレンジ中

ぱっとしなかった幕開け。

遡ること12年前。私は大学時代から働いていたオンライン英会話系のスタートアップに新卒としてジョインしました。

職種はWebマーケター。今は上場をしていますが、当時の社員数は10数人程度。忙しい中でも、先輩方は献身的に私のサポートをしてくれたことをよく覚えています。

しかし何も成果を残せず、さらに自分を省みることもせず、「モノづくりだったら自分はもっと活躍できるんだ!」という圧倒的な勘違いをして、入社後たった10ヶ月で退職をすることになります。

そんなぱっとしない1年間が私の社会人人生の幕開けでした。
(当時お世話になった方々、本当にごめんなさい…)

最終日、最もお世話になった上司に退職挨拶をしました。その際にいただいた言葉が、2社目でのくじけそうな自分をいつも支えてくれました。

「おれはJackを応援するよ。だけど、次の挑戦は10年間逃げない方がいい。」

市場価値がゼロに等しいこと。
同じ意思決定を繰り返すと、逃げ癖がつくこと。
それが自分で自分の首を絞め続けることになること。

を率直に伝えられました。

「10年は逃げない」それだけを支えに過ごす日々。

未経験にも関わらず、私をデザイナーとして唯一採用してくれたのは、人材系サービスを展開する前職でした。こちらも今は上場をしましたが、当時は70名規模の誰も知らない企業。

しかし、転職しただけで成果がでるわけありません。それもそのはず、「自分はモノづくりをすれば輝ける!」とまだ勘違いをしていたからです。

そして、後から入社する優秀な先輩・後輩の活躍を見て悔しい思いをしてもなお、自分と向き合おうとはしませんでした。

心が折れまくりながらも、何も変わろうとしない自分。

ただ「10年逃げないという約束だけは守る」と決めて、当時はもがき苦しんでいたように思います。

心境の変化が訪れた。

約5年の月日が経っても「活躍したいけど苦しい」「逃げたいけど10年逃げないという約束がある」。そんな葛藤をまだ繰り返していました。
しかし、徐々に心境が変化していることにも気づきました。

「仲間のために強くなりたい」
「こんな自分をサポートしてくれる会社に恩返しをしたい」

デザイン未経験の自分を拾ってくれた会社。勘違いした自分をサポートしてくれる仲間。そんな周りの方々の温かさが、自分の心境を変化させたのだと思います。

それからは、環境のせいにするのではなく、自分がどうやったら変われるのかにフォーカスをするようになりました。そして、私の約束はアップデートされました。

「会社や仲間に恩返しをする。そして今の先輩方がしているように、10年後には自分が社会に大きなうねりを作る存在になるんだ。」

「10年は辞めない」の、10年が経ちました。

2社目ではその後、デザインマネージャー、リードデザイナー、新規事業立ち上げ、主幹事業のデザイン責任者など、たくさんの機会をいただきました。常に「これからも事業に貢献するんだ!」と考えていたからこそ、次に向けて動くつもりはありませんでした。

一方で、10年が経ったころから「10年逃げずに、会社に恩返しをする」という自分との約束をふと振り返る瞬間も増えました。

「自分は本当に恩返しできているだろうか?」
「市場価値ゼロの状態からは抜け出せたのだろうか?」

それは結局考えても分かりませんでしたが、10年という期間が自分を成長させてくれたことは実感できました。

それまでは他者から認められるような成果や成長を第一に考えていた自分でしたが、この頃には「自分が信じられるものに向き合い、地道な努力を続けて達成することが何よりもワクワクする」と思うようになったのです。

Gaudiyとの出会い

そうした自分の変化を感じていたタイミングで、夢中になり、信じられるものに出会いました。ブロックチェーンという技術です。

プライベートな時間を使ってブロックチェーン技術のあれこれにはまっていたところ、偶然届いたのがGaudiyからのスカウトでした。

「自分が信じられるサービスであり、夢中になれるプロダクトかもしれない…!」

スカウト文章を読んで、人事の山本と話して、ワクワクしたことを覚えています。副業スタートでOKなこともあり、迷わずジョインしました。

葛藤の中で決めた転職。

副業を始めて約1年。Gaudiyからはありがたいことに「正社員として働けないか」とのお話をいただきました。

大切な本業もある中で、興味ど真ん中のサービスを展開しているGaudiyからのお話。悩みに悩みました。

自分は今の会社に迷惑をかけてしまうんじゃないか?

何者でもなかった自分を拾ってくれて、育ててくれた会社。あの時心に決めた「恩返し」がいま、本当にできているのだろうか。

退職によって迷惑がかかる人もいるだろう。もし退職するとしても、周りの人たちにどんな顔をすればいいのだろう。想像するだけでも苦しい…
転職が悪ではないと頭でわかっていても、常に心の中にあるモヤモヤ。今の組織や仲間が好きで、恩を感じているからこそ、罪悪感を感じてしまう自分と葛藤し続けました。

Gaudiyに自分は馴染めるんだろうか?

現職での経験や機会は運が重なった部分も大きいし、Gaudiyでは何が待ち受けているかはまだわからない。

規模、フェーズ、カルチャー、ドメインなど、今とは違う部分が多いからこそ、転職しても馴染めずにフェードアウトしてしまうのではないか…そもそも思い切って転職を決断できるほど若くもないし、市場価値やキャリアも気になるし…
スタートアップという海に、34歳で飛び込むことがめちゃくちゃ怖い。そんな自分と葛藤し続けました。

当時の上司には全てを打ち明け、たくさんの時間をいただき相談をしました(本当に感謝しています。ありがとうございます)。

そして葛藤が全て解決できたわけではなかったものの、「自分が信じられるものに向き合い、地道な努力を続けて達成する」という新しい指針を信じて、Gaudiyへの入社を決断しました。意図したわけではないけども「あれから10年後」のタイミング。34歳で3社目のスタートです。

「イマ」のリアルな葛藤。

入社後の今ですか?しっかり葛藤しています。

プロダクトデザインの観点では、「デファクトスタンダートのないWeb3でのコミュニティづくりを、どうやったらビジョンに沿った形で実現できるのか?」を額に汗をかきながら作っています。人材系の法人向けデザインを生業としていた自分にとっては、難しい判断もとても多いです。

一方で、デザインの原理原則はどんなドメインであっても変わらないことにも気づきました。「今までやってきたことが無駄じゃない。」そう思える瞬間も多くあります。
「この環境がデザイナーとしての自分をさらに強くする!」そう信じて、未来のアタリマエ作りに向けて日々邁進しています。

カルチャーの観点では「蠱毒」「給料は言い値、意思決定者を選挙で決める」など、特徴的なGaudiyの文化に適応すべく、アンラーンの日々を送っています。今までの自分を生かすことと否定すること、そのバランスを見極めながら葛藤を繰り返しています。
大変なことも多いですが、「この環境がビジネスパーソンとしての自分をさらに強くする!」そう信じられるカルチャーがGaudiyにはあります。

最後に。

まとめてみると「綺麗な話」という感じかもしれないですが、これは今だから書ける10年前の伏線回収ストーリーなんだろうなと思います。

なんだかんだ人生は後付けな気がします。葛藤をしている間は「綺麗な話」にならなくてモヤモヤするからこそ、たくさんの葛藤を持つ自分を受け入れ、向き合う姿勢を忘れないこと。そして仲間を頼り・頼られ、共生しながら前に進むことが大事なんだなと今になって少し気づきました。

人生はそもそも不確実性が高いものなんだから、綺麗に解決しようとするのではなく、不確実性の高いまま少しでも前進することを心がける。

デザイナーとして、ビジネスパーソンとして、これからもGaudiyでそんな日々を葛藤を抱えながらもワクワクして過ごしたいと思っています。


おまけ

Gaudiyではプロダクトデザイナー(UI/UX)、コミュニケーションデザイナーの採用を積極的に進めています。
少しでもGaudiyに興味・関心のある方は、ぜひ私とカジュアルにお話をさせていただけると嬉しいです🙆‍♀️

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