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無形資産の形成

先週土曜日、無事にモンゴルチームの発表を終えて、これから頭をフィリピンに切り替えていきます。

本当にありがたいことに、年明けからオンラインセミナー登壇のご依頼をいくつかいただいており、そのための準備に取り掛かっていきます。

僻地フィリピンにいながらも、こうやってプレゼンの機会が得られるのはワールドケアカフェのおかげだと感謝しています。



「フィリピンの人材送出しの現状」

「With コロナ時代の新しい教育方法」

「介護現場における異文化理解力」



など、現地情報と共に、私の〝インサイト(気づき)〟を含めて、まとめていきたいと思います。

ネットで簡単に情報が取れるようになった時代、調べればすぐにわかるような表層的な情報には価値がなくなってきました。

例えば、私が半年以上掛けて作り上げた特定技能介護試験対策のオンライン教材が、すでにネットで出回っているようです。教材自体の価値がどんどん失われてきています。

同僚の日本人スタッフが大騒ぎして報告してくれましたが、〝ま、そりゃそうでしょう〟と、特に驚きもありません。コピーできる情報には価値がない、と初めから分かっていましたからね。

重要なのは、その過程で得られた〝インサイト〟であり、〝新しい人脈〟でありといった、無形資産だと思います。

コツコツと無形資産を積み上げていけば、どこかのタイミングでそれが有形資産へと変わっていくはずです。とはいえ、資本主義社会である以上、稼がなくてはいけません。しかし、不思議と生きるために必要なお金は入ってくるものです。

何の保証もない海外の生活が長くなると、本当に必要なものは何かを感じ取る〝感覚〟が、知らず知らずのうちに研ぎ澄まされていきます。

モノ、お金などの有形資産も大切ですが、同様に、目に見えない価値である、無形資産も大切です。人生100年時代、両方のバランスを上手にとっていく生き方が重要ですね。

【価値の循環】

無形資産の形成という意味では、今回参加しているJICA Innovation Questの3カ月プログラムは、ものすごく価値があります。ご紹介いただいた田村 岳男 さんには、本当に感謝です!ありがとうございます!

SDM(システムデザイン・マネジメント)のオンラインキャンプとモンゴルチームとのワークショップだけで、私にとっては、すでに数十万円の価値がありました。

それだけではなく、JICAを始め、他チームとの交流から得られる異業種との新たな人脈を考えると、プログラム終了後には数百万円の価値になっているのではないでしょうか。

もし、上段に述べた介護試験対策のオンライン教材が外部に出て、私の知らないところで価値の提供ができてたとして、今回のJICAプログラムを通しての学びがその報酬になっていたとしたら、お金を介在させない、不思議な価値の循環ができています。

受け取った価値を元に、さらなる新しい価値を生み出して、介護業界に貢献していきたいと思います。

【オープンイノベーション】

今回、国際協力のオープンイノベーションに参加していて、自分の根っこになっているのはやはり介護・福祉なんだなと再確認できました。

フィリピンの不動産業でビジネスをしたり、アメリカで指圧師としてマッサージをしたり、最近では教育に関わっていたりと、自分ではマルチなキャリア形成だと思っていました。しかし、異業種のプロと接していると、付け焼き刃的なスキルはそぎ落とされ、自分の本当の強みがあぶりだされていきます。

オープンイノベーションの場では、その人個人のスキルや経験とともに、関わっている業界の影響が色濃く反映されます。面白いですね。

例えば、介護・福祉の領域であれば、〝施設系〟〝在宅系〟もっと言えば、〝介護〟や〝看護〟〝リハビリ〟といった分野で、違いが強調されますが、業界の枠の外に出てしまえば、「介護・福祉分野」、もしくは「介護・医療分野」としてまとまります。

この視点は異文化理解力にも通じます。日本国内であれば、〝関西だ〟〝関東だ〟と違いが強調されますが、一歩国外に出れば、私たちは紛れもなく「日本人」として認識されます。

そうやって、枠の外に出ていくことで、自分が関わっている所属単位(業界や国など)の抽象度が高まり、ミクロな視点だけではなく、マクロな視点を持つことができます。

あらためて言うまでもありませんが、介護は誰もがどこかで関わる身近なことです。逆に言えば、介護業界にいる我々は、数多あるどの業界とも繋がりを持つことができます。

オープンイノベーションでの活動を通して、自分の強みの再発見、そして、介護の可能性を改めて感じています。

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