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オンラインセミナーと異文化マネジメント


5月に国際認知症ケア連合主催のウェビナーを開催します。私を含めて日本人スピーカー3人で日本の介護や認知症ケアについて発表します。

前回のウェビナーでは各国のスピーカーが、フィリピン・インドネシア・日本の介護事情を発表しました。ウェビナーをFacebook Liveで同時公開したのですが、フィリピンを始め世界中から約1200人の視聴者が集まりました。認知症ケアの関心の高さがうかがえます。

今回も同様の規模になると思いますが、日本人のウェビナーらしく、きっちりと内容の濃いものに仕上げていきたいと思います。

来月のウェビナー開催に先立ち、先日は日中福祉プランニング主催のオンラインフォーラムに参加しました。日本と中国の認知症ケア最新情報を発表するという内容です。

通訳者を交えての発表にもかかわらず、1時間半というコンパクトな時間で参加費用は3000円。〝結構強気な値段設定だな〟と、金額の高さに惹かれて参加しました(笑)

無料で学べるオンラインセミナーが多数ある中で、3000円の価値をオンライン上だけでどう作り出すのか。この1年間は、デジタルだけでどうやって付加価値を作っていくのかがテーマだった私としては、そのヒントを得たくて迷った末に参加することにしました。

【異文化マネジメントと通訳の〝間〟】

日中福祉プランニング主催のオンラインフォーラムで確認したかったことは3つあります。

  • 日本語と中国語の通訳を挟んでのオンラインセミナーでどの程度、通訳の間が気になるか。

  • 計画的で時間に厳しい日本人視聴者がいる中で、時間の概念が異なる中国人主催者が、日本人と中国人の両国民をどうやってマネジメントするのか?

  • 介護業界のオンラインセミナーで、3000円分の価値を創り出すコンテンツはどのようなものか、です。


フィリピン在住10年、フィリピン人と一緒に様々なイベントを開催してきました。計画的で時間に厳しい日本人と、臨機応変で時間に緩いフィリピン人の両国民を同時にマネジメントする難しさを骨の髄まで思い知らされてきました。

とはいえ、リアルのイベントであれば土壇場での軌道修正がある程度可能です。フィリピン人はアドリブが強いので、上手に場を繋いでくれます。

しかし、オンラインイベントではそれが難しい。日本人のように確認作業を徹底しないので、ほぼ必ずテクニカルエラーが発生します。その間視聴者を楽しませることもできず、無意味な時間が空虚に流れていきます。日本人にとってはきっとイライラする時間でしょうね(私はだいぶフィリピン化しているので耐えられますが)。

また、今回モンゴルで介護クラスを実践し、通訳を挟んでのオンライン授業がいかに生産性が低いかを学びました。同時通訳ではないので、必ず通訳の間ができます。間ができると会話の流れが切れやすくなってしまうんですよね。

しかも、通訳者の理解度に応じて内容が知らないうちに〝変換〟されてしまいます。自分の言葉で伝える価値と比較すると、半減してしまうのではと感覚的には思っています。

異文化マネジメントと通訳の間という2つの難関を潜り抜けて、3000円分の価値をどう創り出すのか、興味津々でした。

【世界のマーケットにチャレンジ】

ワクワクしながらのぞんだ、日中オンラインフォーラムですが、ある意味私が事前に想定していた通りの展開になってしまいました(^^;)

国をまたいでのオンラインセミナーは難しい、と言うことが再認識できました。

その意味で、私にとっては3000円分の価値がありました。一方で、運営者側の気持ちが分かる分、終始日本人ゲストスピーカーが気の毒でしたね。。しかし、さすがのプレゼン内容で逆境をはねのけて中国人視聴者に価値を提供していました。運営者側の人間ではないのに、ほっとした自分がいました(笑)

さて、現時点の自分の実力とフィリピン側のマネジメント力を鑑みると、とても有料セミナーはできないというのが私の率直な気持ちです。焦らずにコツコツと実力をつけていきます。

一方で、日本の枠の外には大きなマーケットが存在しているのも事実です。日本語が話せる人は世界で2%以下です。しかし、介護が必要な人は世界中にいます。

文化の壁、言語の壁を乗り越えて、日本の介護を世界に届けていくのは意義のあることだと思います。

昨日からDemenita "Design" Careのオンラインクラスをスタートしました。今までのように、日本で働きたいフィリピン人を対象としたクラスではなく、日本を含め世界でチャレンジしている人に門戸を広げています。

初日は、フィリピン、マレーシア、シンガポールからの受講生が集まりました。オンラインクラスのマネジメントだけでも大変なのに、さらにmiroを使ったオンラインワークショップもメニューに加えています。

新たにスタートしたDementia "Design" Careでは日本語の優位性を外して、純粋に認知症ケアを外国人と共に学ぶクラスを作っていきたいと思います。毎週毎週チャレンジができて、鍛えられそうです^^

半年後には、胸を張って日本の認知症ケアを外国人に教えられるように頑張ります!

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