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【マッチレビュー】ブライトン vs リバプール 「緻密さがドラマに」

ご覧いただきありがとうございます。じゃっくです。
今回はエミレーツFAカップ4回戦、ブライトンvsリバプールのマッチレビューです。
カップ戦ながら週末開催で中1週間。双方にとって良心的な日程でしたね。

この顔合わせは2週間前にもありました。前回対戦時のスコアは3-0、シュートは16本-6本。結果・内容ともにブライトンが圧倒しており、かなり衝撃的な試合でした。

本編に参ります。

スタメン、主要スタッツ

画像:WhoScored

Goal:✅2 - 1
Possession:✅55.6 - 44.4
Shots: ✅13- 8
On Target:✅6 - 2
xG:✅1.79 - 0.8
xThreat:✅1.45 - 0.91
Corners:✅3 - 2

データ元:WhoScored, markstats bot

フォーメーション自体は両チームともに前回対戦と同じでした。


両監督の手腕が光ったビルドvプレス

修正されたリバプールのプレス戦術

クロップはプレス時の陣形を前回の3-1-4-2から4-1-2-3に変更してきました。ex)1:10, 5:08
結果としてこの修正は成功だったと思います。

ブライトンはいつもの4-2-4ビルド。しかし、前半は全くと言って良いほど「セットからのCH経由の前進ができなかった印象です。
「持てるけどショートパスを繋げる場所はゼロ」という状況に、ブライトンのCB陣はなかなかの苦戦を強いられていたと感じました。
(1:22のWGへのロングボールを使った打開のように、ビルドを省略するカタチは有効打だったと思います。)

「同じ失敗は繰り返さない」どころか最適解の一つをぶつけてきました。流石クロップです。
しかし後半になると、対応策が共有され前進できるようになったように感じました。

デゼルビによる”対策の対策”

~SBとCFのポジショニングを修正~

対処法は「相手WGに2v1を作る」というもの。ex)45:26
SBはタッチライン際に張り、CFは中盤に降りてくることで「ビルドの出口」を作りました。
ポジションマップにも表われていますが、ウェルベックはほぼIH化していました。
デゼルビブライトンとしては珍しく、サイドを使って前進していく手法。鮮やかな対策の対策でした。流石RDZです。

<追記>SB張らせる時にファジーゾーンまで上げるのは否定派です。なので、図の中のランプティは△。


ブライトンのコーナーキック戦術

1点目はコーナーキック(以下CK)の2ndボールから決まりました。そのCKでブライトンが見せていたCK戦術がロジカルで印象的だったので取り上げたいと思います。(ハイライトの抜粋です⇊)

「狙いは”ファーサイド大外”。」「そこへ持っていく・そこで優位な状況を作るためのショートコーナー採用」と解釈しました。

ショートコーナーのメリット

前提として、ショートコーナーのメリットは2点考えられます。
①:ファーサイド大外への到達率を上げる
②:マーカーを外しやすくなる

上記のようになる理由を解説します。
①について。角度がつきキックの難易度は下がる。DFライン裏が広がるのでキーパーは出ずらい。なので到達率は上がると考えられる。
②について。
ショートコーナーによってボックス内の相手はラインを上げる。よってDFライン裏が広がる。”DFラインを上げる動きをしながら裏抜けに対応する”という難しい対応を迫る。相手DF陣に混乱を生むので、マーカーの背中/DFライン裏を取りやすくなると考えられる。
また、視野を2度キッカーに集めることができる。これもまたマークを外しやすくなると考えられる。

ショートコーナ活用法

得点シーンに当てはめます。
キッカーのグロスとマーチがコーナースポットペナ角にマクアリスターを配置し、3v1を作ります。
そしてウェルベック。クリップには写っていませんが、マーチがボールに近寄っていく間に密集から離れます。マーチに視野を集めている間に背中を取ったカタチです。これはリバプール側にも問題がありますが完全にフリーになりました。
プレー開始。3v1によってフリーになっていたマクアリスターにパス。その間にウェルベックは大外に周り、TAAに対してダンクと2v1を作りました。

このCK戦術が直接的にゴールにつながったわけではありませんが、確かに効果的で素晴らしいなぁと思いました。
今季のブライトンはCKからのゴールがリーグ最低レベルで少ない中、良い兆しだなぁと感じました。


備忘録

・「カイセドの乱」発生後初試合。
・スティールのロングキック安定してた。この試合に限ればサンチェスよりも確実に上だった。ex)19:38、53:02
・ウェルベック/ファーガソンのフリック(??)が素晴らしい。安定したレイオフの実現。ex)20:53
・ランプティの献身性が印象的だった。めっちゃブロックで体投げ出してた印象。ex)43:22。そういえばアーセナル戦でマルティネッリと渡り合ってたし、絶賛成長中なのかも。尚更出場機会を求めて移籍しようとするのにも納得。
・ファーガソンの負傷が心配。思いっきり足裏入ってたので…. 。ex)85:52
・三苫のキックフェイントえげつない。(20:53)「空中ダブルタッチ」(91:10)
・ダンクのキャリーからの楔。とんでもない。「収縮させて、浮かせて掻き出す。」IHとかWGがやるやつ!(48:29)
・直接フリーキッカーにダンク!キックの調子めっちゃ良かったんだろうね。無回転で結構惜しい所に飛んでた!(50:02)

(48:29) サラー、ケイタ間を通してウェルベックに
(50:02)ダンクのFK


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