(資料集)情報熱力学・情報幾何学関連

情報熱力学・情報幾何学関連の資料集です(*'▽')
どなたかのご参考になれば幸いです( *ˊᵕˋ* )



東京大学 大学院理学系研究科 生物普遍性研究機構 伊藤 創祐 准教授


・“情報理論と小さな系の熱力学”

https://sosuke110.com/NoteBenkyokai.pdf

第 1 章 情報理論入門 2
1.1 確率分布 . 2
1.2 Shannon entropy (シャノンエントロピー...... 3
1.3 Relative entropy (Kullback-Leibler divergence, 相対エントロピー) .... 4
1.4 相互情報量 (Mutual information... 7
1.5 Communication channel (通信路... 9
1.6 Noisy-channel coding theorem (シャノン第二定理.... 11
1.7 まとめ ... 14

第 2 章 情報理論と小さな系の熱力学 17
2.1 詳細ゆらぎの定理(Detailed fluctuation theorem.... 17
2.2 エントロピー生成 (Entropy production...... 19
2.3 フィードバック制御下での小さな系の熱力学 ..... 21
2.4 小さな “部分系”の数学的記述: Bayesian network ... 25
2.5 小さな “部分系”の熱力学: ネットワーク上の情報熱力学 ........ 29
2.6 まとめ, 今後の展望 ........ 36


・熱・統計力学と数学 ~ 熱・統計力学と情報理論・情報幾何の関係を例にして ~

https://sosuke110.com/surikagaku2023.pdf

  • 平衡統計力学におけるカノニカル分布

  • 平衡熱力学における Legendre 双対性

  • 平衡状態におけるゆらぎと応答

  • 結びに代えて - 幾何学と非平衡熱力学

私自身の興味の対象は未だ未完成とされている平衡状態を離れた非平衡・非定常な状態における熱・統計力学を, すでに完成したとされる平衡熱・統計力学の一般化としてどのように構築できるか,ということである.

この一般化の際に重要となるのは, 平衡熱・統計力学における結果の一般化を与えてくれる情報理論・情報幾何の数学だろうと我々は考えている.

なぜならば, これまでみたように平衡状態における確率分布に基づいた「平衡統計力学」の結果や, Legendre 双対性に基づいた「平衡熱力学」の結果は, 「情報理論・情報幾何」の数学の結果の特殊なケースとして理解可能だと言えるからである.

よって, 平衡状態を離れた非平衡・非定常な状態における熱・統計力学も, 何らかの意味で情報理論や情報幾何の数学の助けを借りながら, 物理的に妥当な形で構築することが可能だろうと考えている.

そのような考えのもと, 現在我々が興味を持って取り組んでいる研究は, 情報幾何や最適輸送理論などの情報理論に関係する幾何を用いて, 非平衡熱力学の幾何学的な理論フレームワークを構築することである.

実際, 今までに得られた結果によると, 熱力学的な散逸であるエントロピー生成や, 物理量のゆらぎ, 物理量の期待値の変化速度などは, Fisher 情報量や, Kullback–Leibler ダイバージェンス, Wasserstein 距離などの幾何学的な情報の指標を用いて捉えることができている.

その結果, ある種の省エネルギー性能であったり, もしくは熱力学的な最適化や制御を, 情報の幾何における測地線といったような幾何学的な視点から捉えることができるようになってきた (例えば, 文献14~16)).

このような研究によって非平衡熱力学をある種の「数学化」をすることで, 今まで物理的な事実として知られていた結果を数学的に捉え直すことができ, 拡張や一般化を考えることが容易になった.

さらに様々な幾何学的な不等式や幾何学的な事実を「物理的に」読み替えることで, 非平衡系のダイナミクスにおける物理的な制約や新たな見方を数学から提供できるようになってきた.


・物理学と情報幾何学—ゆらぐ系の熱力学の視点から 

https://sosuke110.com/surikagaku2020.pdf

  • マスター方程式でのゆらぐ系の熱力学(stochastic thermodynamics)

  • エントロピー生成Kullback–Leibler ダイバージェンス

  • 射影エントロピー生成

  • Fokker–Planck 方程式でのゆらぐ系の熱力学

  • 時間に関する Fisher 情報量とゆらぐ系の熱力学

  • 長さと熱力学的速度制限

  • 時間に関する Fisher 情報量の単調性と定常への緩和

Glansdorff–Prigogine の安定性理論を情報幾何学の視点から捉え直すのが面白いと考えている9).
実際, 安定性理論における過剰エントロピー生成と呼ばれる量と dI(t)/dt の対応関係が成り立つ.
また安定性理論は非線形力学系の視点が導入されているため, 情報幾何学を力学系の視点から考え直すことにつながるだろう.

二つ目は, レート方程式で駆動される化学反応ネットワーク上の化
学熱力学
を考えることである10).
このとき Gibbsの自由エネルギーと正測度空間の f-ダイバージェンスが対応づく.
確率分布の規格化の形をしていない保存則による拘束条件が入った正測度空間が考察対象になるため, 情報幾何学的にも新規性があり面白いと思う.


・最適輸送と熱力学的最適化

https://webpark2072.sakura.ne.jp/otworkshop/slide_ito.pdf

・連続状態の確率密度分布の最適輸送
ブラウン運動における熱力学的最適化と最適輸送
最適輸送の幾何と情報幾何

・特にブラウン運動を記述するFokker-Planck方程式と最適輸送理論が熱力学でつながっていることに基づき, 熱力学的な散逸(最小エントロピー生成)を達成する最適輸送を考えた.

・L2-Wasserstein距離の空間での速度の二乗に比例する散逸(過剰エントロピー生成率)が,さまざまな熱力学的な最適化に関係する不等式(熱力学的速度限界, 熱力学的不確定性関係)を与えることを示した.

最適輸送の幾何と情報幾何が結びつくことを, 勾配流による表現による確率分布の情報幾何と, interpolated dynamicsと呼ぶ速度場を変更したダイナミクスの経路の同時確率分布の情報幾何の二つの視点から導出した.


・最適輸送に基づいた熱力学

https://sosuke110.com/ERATOkickoff.pdf

・最適輸送に基づく非保存力と保存力の分解
・最適輸送に基づくエントロピー生成率の分解
 ※過剰エントロピー生成率
維持エントロピー生成率の分解
有限時間で最小エントロピー生成を達成する 最適なプロトコルと測地線
・観測量の速さ
との関係
・様々な系への拡張 1 - Markov jump系
様々な系への拡張 2 - 決定論的な化学反応ダイナミクス
様々な系への拡張 4 - 決定論的な流体ダイナミクス
・情報幾何/情報熱力学との関わり
維持エントロピー生成率のモード分解の 脳ダイナミクスへの応用

最適輸送理論におけるバリエーションの一つである「有限時間 で連続の式のダイナミクスで輸送する時 に流れに応じたコストがかかる」という問題 (e.g., Benamou-Brenier公式)とその拡張により, 様々な系(e.g., 拡散系, Markov jump系, 決定論的な化学反応系, 反応拡散系, 流体系)における最小エントロピー生成の問 題を取り扱う事ができる。

熱力学における非保存力と保存力による散逸の分解が, 最適輸送理論における最適なプロトコルの考え 方から導入できる。
またその分解によって, 時間変化に起因する散逸(過剰エントロピー生成率)と, 時間 変化を伴わないサイクルによる散逸(維持エントロピー生成率)に分解できる。
時間変化に起因する散逸(過剰エントロピー生成率)は, 系の状態の時間変化に対する制限をトレードオフ 関係(熱力学的不確定性関係/速度限界)の形で与える。


・情報による観測量の変化速度の熱力学的な限界を発見

熱力学的な観測量の変化速度情報の抽象的な概念を結びつけることに成功した。

観測量の変化速度に関する情報による熱力学的な限界を新たに導出した。

・有限の熱コストで機能している生体システムにおいて、この熱力学的な限界が情報処理速度に影響している可能性があるため、生体システムの熱力学的な理解が進むと期待される。


東京大学大学院 工学系研究科 物理工学専攻 沙川貴大 教授

・「Maxwellのデーモン」はフィードバック制御によって,第二法則と矛盾はせずに,情報(相互情報量)を仕事・自由エネルギーに変換するデバイスであると理解され,量子情報理論との関係も見出されたことで,現在でも活発な研究対象となっています.

・これらの拡張された第二法則においては,仕事 W や自由エネルギー F などの熱力学変数が,相互情報量 I やShannon情報量 H などの情報量と,対等に扱われる形になっています.
したがって,この拡張第二法則は「情報熱力学の第二法則」と呼びうるものになっています.
また,この結果は,量子と古典の両方の領域に適用できる一般的なものです(量子効果は,自由エネルギーや相互情報量の具体的な表式の中に現れます).

第二法則が課す限界よりも多くの自由エネルギーを系に獲得させる実験に,世界で初めて成功しました.
これは,微小非平衡系において情報を利用したフィードバックを用いることで,第二法則の制約を超えてエネルギー収支を自在に制御でき,相互情報量を自由エネルギーに変換できることを示した原理実証であると言えます.

・外部パラメータによって駆動される熱力学系において,平衡状態間の遷移に関する熱力学第二法則は,エントロピー生成が非負であると述べることができます.
しかし,非平衡定常状態間の遷移に関する制約は,エントロピー生成が非負であることだけでは十分に特徴づけることができません.
そこで,非平衡定常状態間の遷移におけるエントロピー生成から,定常状態を維持するために必要なエントロピー生成を差し引いた過剰エントロピー生成が,非平衡定常系の熱力学を考えるうえで重要な役割を果たすという議論がこれまでになされてきました.

我々は,有限個の状態をジャンプするマルコフ過程について,準静的過程における過剰エントロピー生成のキュムラント生成関数を,フルオーダーで計算するための一般的な関係式を導きました.
ここで,キュムラント生成関数と量子力学におけるBerry位相との間には数学的な対応があり,キュムラント生成関数はパラメータ空間上の経路だけに依存する幾何学的な量になっています.
この結果に基づき我々は,非平衡定常状態間の遷移において,過剰エントロピー生成を特徴づけるようなスカラー値の熱力学ポテンシャルが一般には存在しないことを示しました.
我々の結果は,非平衡定常状態間の遷移を記述するにはベクトルポテンシャルが必要である可能性を示唆しており,非平衡定常系の性質を解明する上での新たな方向性を示していると考えられます.

・量子測定で得られる測定値のゆらぎには,量子系そのものがもつ量子ゆらぎと,測定に伴うエラーの,二重構造があります.
前者は状態と物理量だけから計算されるものですが,
後者は量子測定のプロセスを考慮して初めて明らかになります.
我々は,量子測定理論と,Fisher情報量など推定理論の概念・手法を用いて,この二種類のゆらぎの構造について研究してきました.

非可換な物理量の間には,量子ゆらぎによって不可避の不確定性関係があります.一方,非可換な物理量を同時に測定すると,測定に伴うエラーの間にも不可避の不確定性関係が生じることが,理論的にも実験的にも知られてきました.
つまり,不確定性関係にも,二重構造があることになります.

たとえば,位置と運動量を同時に測定すると,量子ゆらぎと測定のエラーが同じだけの寄与をして,不確定性関係の下限が通常の二倍になることが知られています.

環境からのノイズがある状況では,量子系に対して理想的な(エラーのない)射影測定を行うことができません.
そのため,ノイズのある状況においてどうやったらできるだけエラーの少ない測定ができるか,ということが,量子情報処理を行う上で問題になります.
我々は,一般の有限次元量子系において,Fisher情報量を尺度として最適な(最もエラーの少ない)測定を明らかにし,そのときに得られる情報量を決定することに成功しました.


・情報処理の熱力学(情報熱力学)

https://noneq.c.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/2021/10/natsugaku_Sagawa.pdf

シラード・エンジン(マクスウェルの悪魔)
・情報理論入門
ゆらぎの定理熱力学第二法則
・ランダウア原理(ランダウアーの原理)
測定とフィードバックの熱力学
「デーモンのパラドックス」をめぐって

このようにして,デーモンと第二法則の整合性は完全に理解できたわけであるが,これで 情報熱力学の研究が終わったというわけではない.
むしろ逆で,これを出発点にして,多様 な情報処理を含む非平衡ダイナミクスを,現代的観点から研究する途が拓かれたと言える.

定量的なマクスウェルのデーモンの実験は,2010 年に はじめて実現された [2].
その実験では,螺旋階段状のポテンシャルを作り,単一コロイド粒 子をフィードバックによって登らせることに成功した.
そのときの情報から仕事・自由エネ ルギーへの変換効率 (15) は,約 30 %であった.
また最近になって,単一電子による実験で もデーモンが実現されている [45, 46].
それはオリジナルのシラード・エンジンにより近い ものであり,変換効率は 70 %以上を達成している.
またこれらの実験において,フィード バックがある状況でのゆらぎの定理が検証されている.

理論的に興味深いもう一つの方向性は,たくさんの系が複雑に相互作用し,測定やフィー ドバックに限らない複雑な情報の流れがあるときに,情報熱力学をどう拡張するかというこ とである.
このような状況は,ベイジアン・ネットワークという概念で定式化できる(図 7 を参照).
最近,そのようなネットワーク上での情報流と非平衡ダイナミクスを統一的に扱 う形に,ゆらぎの定理や第二法則が拡張された [51].
そこでは,移動エントロピー(transfer entropy)と呼ばれる,情報の流れを表す概念が重要な役割を果たす37.
そのようにして得ら れた第二法則の拡張は,通常の第二法則よりも不等式として真に強いものであることが示さ れている.

さらに,上記の理論はいずれも,生命現象の解析に応用できる可能性を秘めている.
実際,ネットワーク上の情報熱力学を,大腸菌の走化性のシグナル伝達に応用する試みがなされている.
その結果として,大腸菌内での情報流と,ノイズに対する走化性の頑健性の間の,定量的な関係が明らかになった [53].

また,本稿では古典系の場合のみを議論したが,量子系への拡張も可能である [54–58].
その場合は量子情報理論と熱力学の接点が重要になる38.
たとえばエンタングルメント(entanglement)や量子ディスコード(quantum discord)[60] などの量子的な相関は,熱力学第二法則と密接な関係をもっていることが明らかになりつつある [61, 62].

このように,情報熱力学は,複数の分野を横断する豊かな研究分野を形成しつつある.今後のさらなる展開に期待したい.


・Maxwellのデーモンと情報熱力学

http://cat.phys.s.u-tokyo.ac.jp/publication/Suri_Kagaku_Final_Version.pdf

・はじめに:情報は物理
・熱力学と情報
・シラードエンジン
・微小系の非平衡統計力学
・量子デーモン
・情報熱力学の第二法則

情報熱力学においては,デーモンはもはやパ ラドックスの元凶ではなく,ミクロな世界にお ける情報処理の「デバイス」としての機能を果 たす.
デーモンは情報を利用することで従来の 熱力学第二法則 (1) を破る操作も実行でき,~~~

情報熱力学は,物理学 だけでなく,情報理論や制御工学といった,様々 な分野との関連を持っている.
一般化された第 二法則
(5) は,情報と熱力学が交わる広大な世 界のごく一端を示しているに過ぎないと思われ る.
情報の物理学はまだ始まったばかりである.


・ネットワーク上の情報熱力学とその生体情報処理への応用(伊藤先生&沙川先生)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/butsuri/72/9/72_658/_pdf

・(ベイジアン)ネットワーク上の情報熱力学
・生体シグナル伝達の情報熱力学

生体における情報の役割を明らかにすることは重要である.
近年は狭義のシステムズバイオロジーのみならず,統計物理的なアプローチの重要性が認められるようになってきている.

そのような統計物理の概念・手法に基づいた研究の流れのなかで,基礎的な熱力学に基づいた今回の研究が,新しい研究の方向への第一歩となることを期待している.

我々の研究以外でも,生体情報処理における情報熱力学の有効性が示されている.
たとえば式(7)右辺の連続極限に相当する情報流(dynamic information flow, DIF; またはlearning rate※)を用いて情報熱力学を構築し,9) 生体センサーを解析する試みがある.10)

このような,情報理論と熱力学に基づいて生物の柔軟な情報処理を理解しようとする試みは,今後さらなる展開をみせることが期待される.

※Learning rate 学習速度 ≒ 統計力学的機械学習と深く関係


カリフォルニア大学 数学教授 John Baez

・Information Geometry

パート 1 - 統計力学からのフィッシャー情報メトリック
パート 2 - 統計力学アプローチをフィッシャー情報メトリックの
     通常の定義に結び付けます。
パート 3 - あるシステムの混合状態へのマップを備えた
     任意の多様体上のフィッシャー情報メトリック。
パート 4 - 虚数部が量子不確実性を測定する
     複素数値の実数部としてのフィッシャー情報メトリック。
パート 5 - 例: 熱浴中の調和振動子。
パート 6 - 相対エントロピー
パート 7 - 相対エントロピーの 2 次導関数の行列としての
     フィッシャー情報メトリック。

パート 8 - 情報幾何学と進化: 自然選択がベイズ推論と
     どのように似ているか
、またそれが
     相対エントロピーとどのように関連しているか。
パート 9 - 情報幾何学と進化: 複製方程式と、
         成功した種が優位に立つときのエントロピーの減少。
パート 10 - 情報幾何学と進化: レプリケータ方程式の下で
     エントロピーがどのように変化するか。
パート 11 - 情報幾何学と進化: 相対情報の衰退。
パート 12 - 情報幾何学と進化: 進化ゲーム理論の紹介。
パート 13 - 情報幾何学と進化: 集団が進化的に安定した状態に
      近づくにつれて相対的な情報が減少する。

パート 14 - オープン マルコフ過程と最小散逸の原理。
       (Blake Pollard との共同)
パート 15 - オープン マルコフ プロセスにおける
     相対エントロピーの変化。(Blake Pollard との共同執筆)
パート 16 - 複製子方程式とフィッシャー情報メトリックを関連付けた、
     フィッシャーの自然選択の基本定理の更新バージョン。
パート 17 - 熱力学におけるシンプレクティック幾何学と接触幾何学。
パート 18 - 確率論におけるシンプレクティック幾何学と接触幾何学。
パート 19 - 驚き(自己情報量)と運動量の類似性、および
      古典力学、熱力学、確率論間の類似性の概要。
パート 20 - 統計多様体を使用して熱力学と確率論の関係を展開します。
パート 21 - ランダム変数(正規分布/ガウス分布)のリストの
      期待値に対する制約の下で
      エントロピーを最大化するギブス分布の基本的な特性。

日本語訳の参考は以下のとおりです。


その他

・情報幾何学入門 ― 幾何学者から見た情報幾何学 ― 松添 博 (名古屋工業大学)

https://www.sci.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2021/kce/OI9VaQ/files/170928kyoto-handout.pdf

1 多様体速習
2 統計モデルの幾何学

3 双対接続と双対平坦空間
4 最尤推定量の幾何学

・情報幾何入門 産業技術総合研究所 赤穂昭太郎

https://staff.aist.go.jp/s.akaho/papers/infogeo.pdf

共通言語としての情報幾何
• 確率モデルやその周辺分野
 – 統計学
 – システム制御
 – 符号理論
 – 最適化理論
 – 統計物理
それぞれ独自の理論・アルゴリズムがあるが関係がよくわからない
情報幾何で統一的に理解しよう

・空間の構造 計量テンソル、接続・接空間、測地線
・フィッシャー情報行列(共分散行列/相関行列)、フィッシャー計量
・フィッシャー情報量、クラメールラオの情報不等式、統計的推定限界
・指数分布族と混合分布族、e接続とm接続、EMアルゴリズム
・ルジャンドル変換と双対空間基底の変換
・部分空間、射影、カルバックライブラーダイバージェンス(カルバックライブラー情報量、発散)拡張ピタゴラスの定理
・隠れマルコフモデル(潜在変数モデル)
・集団学習、ベイズ推定、マルコフ連鎖


・情報幾何の基礎的スタディ ~情報幾何とその応用について~

1.情報幾何とその周辺

2.情報幾何の基礎知識

(1)確率分布と幾何学その1
(2)確率分布と幾何学その2
(3)確率分布と幾何学その3
(4)確率分布について
(5)確率分布の点~座標系
(6)点の近傍~接空間・接ベクトルと自然基底
(7)点の近傍の性質~Fisher情報計量
(8)異なる点を結ぶ~アファィン接続
(9)アファィン接続その2~接続係数、平坦性と共変微分
(10)アファィン接続その3~α接続とem-接続
(11)指数型分布族その1
(12)指数型分布族その2
(13)双対接続の持つ性質
(14)ダイバージェンス

3.ニューラルネットと情報幾何
(1)ニューラルネットの統計モデルその1
(2)ニューラルネットの統計モデルその2
(3)ニューラルネットの統計モデルその3
(4)期待値パラメタと最尤推定

4.EMアルゴリズム
(1)EMアルゴリズムとは
(2)EMアルゴリズムの幾何学
(3)EMアルゴリズムの手順


・Kullback-Leibler情報量とSanovの定理 
東北大学大学院理学研究科数学専攻 黒木玄 助教

https://genkuroki.github.io/documents/20160616KullbackLeibler.pdf

1.3 Kullback-Leibler 情報量と相対エントロピーの定義
1.4 Kullback-Leibler 情報量の基本性質
   最大相対エントロピーの原理
1.8 Kullback-Leibler 情報量多項分布の中心極限定理の関係

2 条件付き大数の法則からBoltzmann因子へ

4 Sanovの定理を使ったカノニカル分布の導出
4.1 分配函数とエネルギーの期待値
4.2 条件付き確率分布のカノニカル分布への収束

6 付録: Cram´erの定理
6.3 カノニカル分布の相対エントロピーとの関係
6.6 Ψ(β) = log ∑r i=1 e −βiqi の Legendre 変換は相対エントロピー

7.2 統計力学の教科書におけるカノニカル分布の導出 (1)
8 付録: 他の種類のエントロピーについて
8.1 自由エネルギーMassieu 函数との関係


・Information geometry in quantum field theory: lessons from simple examples(情報幾何学とAdS/CFT対応、ゲージ/重力の双対性、「情報/幾何」双対性)

https://scipost.org/preprints/scipost_202002_00001v1/

こちらに日本語訳の参考があります。

1 はじめに
2 情報幾何学
3 双曲幾何学のred herring(罠)
4 不安定系の配位
7 曲率の異なる概念
8 考察
ホログラフィックRG(繰り込み群)
複雑性


・統計における幾何のかかわり 高野 嘉寿彦 自然科学教育部門 教授

https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/general_old/uploaddocs/%E6%A9%9F%E6%A7%8B%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%82%BF%E3%83%BC%E7%AC%AC9%E5%8F%B7%E3%80%90%E5%AE%8C%E6%88%90%E7%89%88%E3%80%91.pdf

2.統計多様体
  共分散行列と正規分布
  概複素構造をもつKähler-like 統計多様体
3.指数型分布族
5.概複素構造をもつ統計多様体
  概 Hermite-like 多様体
  Kähler-like 統計多様体
6.概複素構造をもつ指数型分布族の例


・大阪市立大学数学研究所ミニスクール 「情報幾何への入門と応用」

https://www.sci.osaka-cu.ac.jp/~ohnita/2006/inf_geom/sos_dan/book_0403.pdf

長岡 浩司 情報幾何の基礎概念
渡辺 澄夫 代数幾何と学習理論の関係について (1)
栗木 哲 積分幾何と統計分布理論
田中 利幸 確率モデルにもとづく推論の情報幾何 (1)
田中 勝 ゲージ変換とα-接続
高野 嘉寿彦 概複素構造をもつ統計的モデルの例について


・情報幾何と機械学習 赤穂昭太郎

https://staff.aist.go.jp/s.akaho/papers/infogeo-sice.pdf

  1. はじめに:なぜ情報幾何なのか
      図 1 機械学習の幾何的イメージ

  2. 情報幾何とは何

  3. 機械学習の情報幾何

  4. おわりに


・量子系のエンタングルメントと幾何学(ゲージ重力対応) 講師:松枝宏明(仙台高等専門学校 教授)

http://nakamura-lab.phys.sci.ehime-u.ac.jp/matsueda2018.pdf

第 3 章 エンタングルメントとテンソル積変分理論
第 4 章 ブラックホール熱力学
第 5 章 情報幾何的アプローチによるゲージ重力対応の研究
5.1 双曲的時空におけるバルク境界対応 .66
5.1.1 AdS/CFT 対応 . 66
5.1.2 GKP-Witten 関係式 .67
5.1.3 笠–高柳の公式 .69
5.2 情報幾何によるゲージ重力対応の研究 .71
5.2.1 情報幾何の基礎とエンタングルメント熱力学 . 71
5.2.2 ガウス分布の幾何学 .73
5.2.3 時空間座標とカノニカル変数の間の変換則,
  エントロピー公式の導出 . 74
5.2.4 双対性とバルク境界対応 .76


・第一原理計算と密度汎関数理論(数値計算)

※関数=の集合(リスト・ベクトル)
 関数=関数の集合(リスト・ベクトル)
・確率分布・確率密度関数は、確率量・確率測度の集合
・確率密度関数は、確率分布(確率密度関数)の集合

・量子力学の経路積分 ≒ 汎関数積分 → 密度汎関数理論
・グランドカノニカル分布 → 混合分布族(異なるパラメータを持ったカノニカル分布の集合) → 汎関数
・確率密度行列の集合や、波動関数の集合 → 汎密度行列・波動汎関数 ≒ 非平衡量子統計力学(各密度行列、汎導関数に対するギブス測度の割り当て)



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