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ITC2023体験記~俺が、世界の景色を見れた!~

International Trade Challenge 2023(以下、ITC)の国際大会に出場した高校生の皆さんに体験記を書いて頂きました。シリーズの第二号は、国際大会の予選プレゼンを突破し、6チームだけが出場できる決勝ラウンドに臨んだ、Kさんの体験記をご紹介します。(なんと、今回は日本代表の生徒を含む3チームが決勝ラウンドに進出しました!)

【ご参考】
International Trade Challengeについては下記のサイトをご参照ください。
https://ja-japan.org/contests/ITC.html

それは学校のラウンジ前の廊下で始まった。

以前一度だけビジネスコンテストに共に出場した友人が、これに出ないか、とITCのページを私に見せながら誘ってきた。前回完璧だと思って臨んだ自分たちのプロジェクトがあっけなく予選落ちしてしまい、悔しい思いをしていた私たちは即出場を決意しリベンジをしようと決めた。
 
そして2023年8月、高校最後の夏休みも終盤に差し掛かった時、私は日本代表の一員として国際大会に出場し、決勝の景色を目に焼き付けてきた。
 
第一回戦、日本国内予選は書類で行われた。意外とここが一番の難関だった。学校のスケジュールの事情により、国内予選の期間と中間テストが丸被りしてしまった私たちは、ビジネスプラン提出期限の二日前から作成を始め、時間ギリギリに提出をした。正直突破するとは思っていなかったが、このステージが一番ビジネスの基本知識について知り、成長できた過程だと達成感はすでに感じていた。

私たちは予選では役割分担を上手く行い、相手が得意ではない部分をカバーしあい進めていて、私は主にファイナンスを担当していた。起業する際にかかるスタートアップ費用や運営費用、他にもあとから必要になってくる小さなコストなどを論文や既存の企業のホームページなどを参考に厳密に調べあげる作業は、初めて真剣にビジネスに取り組んだ私にとって大きすぎるチャレンジであったが、時間をかけ、パートナーと互いに自分の作った部分を説明し一緒に落とし込んでいくことでお金に関するスキルが定着したと思う。
 
結果はなんと国内予選突破、全国大会出場に選ばれた8チームの中に私たちの名前はあった。

よし!ここまで来たら全国優勝を目指そう。私たちは放課後の少ない時間を出来るだけスライド作成にあて、同級生の目があるなか、何回もラウンジスペースでスクリプトの暗記やリハーサルをし、Q&A対策も行った。

迎えた本選当日、準備してきた全てを出し切る思いで会場に向かった。自分たちにできることはすべてやった、穴はない、完璧にやってきたと自信があったが、他のペアがどのようなものを準備しているのかが分からず本選は緊張でいっぱいだった。

しかし結果は優勝、日本代表入りを果たし国際大会に向けて準備できることが嬉しくてたまらなく、信じられなかった。このステージでは、プレゼン力を更につけることが求められるという課題を見つけられたと思う。私もパートナーも、人前でしゃべることが苦手ではなかったためプレゼンに関して心配はしていなかったがものの、審査員の方々の険しい表情に少し固まってしまっていたということを後から聞いた。

どれだけ審査員の意識を自分たちのプレゼン力でプランの良い方向に持っていくかが大事かということにも気づかされた。後にフィードバックセッションでFedExの社員の方に国際大会に向けて直すべき点を教えていただける機会があったのだが、プランは大人が作ったものと遜色ない、ととても嬉しい言葉をいただけたが、ただプレゼンの態度が少し幼稚に見えてしまう、という明確なアドバイスもあった。まだ改善できる課題が新しく見えたことは、次のステージに向けてモチベにつながるものであり、それから得たものは代表入りを果たしたという達成感と同じくらい大きかった。
 
迎えた国際大会一日目。違う国代表の人とランダムでペアを組まされると聞いていた私は希望と恐怖を胸にくじ引き結果を待った。私のパートナーはインド代表の女の子だった。私が一時期アメリカに住んでいた時にもインド人の友人は沢山いたが、彼女のアクセントは聞き取るのに苦戦し、初日はコミュニケーションを円滑にとれるようにする事だけが私の課題だった。そのために間に入ってもらおうとボランティア社員のメンターの方にお願いしたが、なんと彼女もインド出身の同じ喋り方をされる人で、私が聞き取れないところで二人で盛り上がり話が進んでいるのがとても怖かった。

帰国生として英語に相当な自信があり参加したこのコンテストだったが、通用するのもここまでなのかと自信を失いかけた。その時、JAジャパンの方に助けを求めたところ、ゆっくり話してもらえるように聞くのはどうか、と提案をいただいた。その他にも、実際社会に出た後はこのようなことは多くあるもので、大会の一環だと思って自分でも解決策を考えてみてください、と元気づけてもらえた。それがバネになり積極的で社交的な本来の自分を出していくことが出来、テキスト上でのコミュニケーションを試みたり、二日目にはアクセントに慣れたこともあり普通に会話が出来るようになった。

30チームで始まった国際大会の予選は突破し、6チームが参加できるグランドファイナル(決勝ラウンド)まで勝ち進んだが、結果はベスト6止まりとなった。

私のパートナーは今まで何回もビジネスコンテストに出場した経験があり、インドでも上位で国内大会を通過した話を聞いたとき、これはもしかしたら優勝もありえると油断したが、決勝で他のグループのプレゼンを見た時、いくら個人が強くてもグループとして強い方が勝つ、と思い知り世界は広いと実感した。

私が国際大会で上位に入ったグループを見ていて共通していたと思ったことは、プレゼンをする際に連携がうまく取れていて、2個人ではなく1チームとしてプロジェクトを提案しているという姿勢が見えたことだった。日本の国内大会ではそれが出来ていたと実感する部分があり、きっと今回上位についたチームもお互いに仲良くなるためにコミュニケーションを怠らなかったのだろうと気づいた。

私は国際大会の三日間を通して、始め意思疎通が上手くいかず、相性も分からないような初対面の相手とも、そのような相手だからこそコミュニケーションを大事にするべきだということを改めて再確認した。
 
以上から、この大会はビジネス以上に人として成長する機会を沢山くれると思う。

これは基礎のビジネスの知識やスキルが学べるのはもちろん、国内大会のソーシャルの時間から国際大会の全体ズームまで、つながりを増やし人と関わっていくすべを身に着けることが出来る大会!

少しでも興味ある人はぜひ!!!! 
 
記載:高校3年 K.H.

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