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雑談:勉強の方法(三)

前回「勉強をするということは、日常の中で生じた諸々を改善することで、自分自身をアップデートすることだ」という趣旨のことを書きましたが、これ大事なのでよく憶えておいてください。勉強をする、ということを考える時私達は「学校でやった勉強の方法/作法」を念頭に置きがちですが、端っから「勉強が大好き!」という人は別として、大概の人はそうやって構えてしまうことで逆に「勉強することを億劫に感じる」のではないでしょうか。そういう「作法」は結局「勉強のための勉強に他ならない」わけです。私達は勉強するために生きているわけではなくて、勉強することで自身の生活や諸々を豊かにするために生きているわけですから。

閑話休題。では具体的な話をしていきましょうか。日常的に勉強をするにはどうしたらいいか。
今時だと紙の新聞を広げる人は少なくなっていると思いますが、スマホ等でネットの新聞記事/コラム/解説等を日常的に読む人は多いかと思います。わざわざnoteにアクセスしてくるような人ならなおさらでしょう。そうした記事のなかには「知らない単語/よくわからない話(概念)」があるかと思いますが、皆さんそれに接した時にどのような行動を取るでしょうか。
「すぐググって調べる、当然じゃないか」という方はしばらく読み飛ばしていただいて結構です(笑)。はい、提案したいことはそれです。知らないことを知らないままに放置しない、この一点につきます。一昔であれば「大辞林」が必要だったり「現代用語の基礎知識」なんかを片手に読んでくださいみたいな腕が折れそうな提案をする羽目になったんですが、テクノロジーの進歩は素晴らしいですね。私達は「知る」だけなら実に容易な世界に生きています。これを活用しない手はない。

ただですね、この容易さには実は落とし穴もあるんですよ。
「ググって調べたから知っている/wikiにこう書かれていた」で私達は情報を知ることはできます。でもそれは理解していることとは別論なんですよ。
仕事(バイトでもいいです)で考えてもらうとわかりやすいかと思います。私達は仕事の手順を教えられて「最初に何をしたらよいか、次の手番はなにか」を頭で知っていることはできます。でもそれを実行するにあたり「要領の良い手順や効率性、あるいはその仕事をすること自体の意味」を理解しているでしょうか。ただ機械的に動いているだけではないか。
「知る」と「理解する」の違いもこれと同じで、知っているからといって理解が無い状態では、ただ機械的に「ネットにはこう書かれていた」と返せるだけで人に説明することもできないし、何より自分自身で利用しようとしても出来ない。それは勉強したとは言えません。平たく言えば「応用が効かない」
じゃあどうしたらいいのか、という話になります。突破口は案外簡単なもので「わかっていること/自分の生活や仕事に近しい事柄からはじめる」のが最適な手順になります。
わかっていることを改めてわざわざ調べる人間はいないだろう、と思われるかもしれませんが、さにあらんや。仕事であれば何かしらの新規業務というものはありますよね。既存の知識を応用できるといっても微妙に異なる業務については新しく知らなければいけない部分が出る。家宰にしてもそうです。洗剤を変える、掃除機などの道具を変える、新しいアイテムを試してみる等の日常的な変化のなかで、何かしら「目にしたことがない/耳にしたことがない」事柄を見ることがあると考えます。「調べる/知る」をそこからはじめていけば、それは当然日常業務のなかに組み込まれていきますから「理解する」に至るのも容易い。これが勉強の基本になるわけです。

後はこれをどこまで拡大していけるか、が鍵になります。営業等を業務として顧客と話す機会の多い人であれば「引き出しを多く持つ」というインセンティブが働きますから容易ではないかと考えますが、誰もがそういうわけでもないでしょう。だから日常的に接する記事やメディアの話題の中から「自分の生活や関心にもっとも近しいもの」から、この「調べて知って理解する」の手順を積み重ねていくことが一番の近道ではないかと考えます。
もちろん、「実は最近投資とかにも関心があって、でもぜんぜん知らないから…」という方向でも問題ありません。手間暇が増えるだけです(笑)。そういう「自分にとっては未知の分野」であるなら、逆にネット記事とかで勉強するより書籍にあたって「調べて理解しながら進める」ほうが、遠回りのようで近道かもしれません。

ここで大事なことは結局「わからないことをわからないままにはしない。調べることは極力自分が理解して実行/応用することができるものが望ましい」ということで。平たく言えば「身につけられるもの/身につけやすいものを重視しよう」ということです。わかった気になってそれで終わりでは意味がない、という単純な話でもある。アップデートとはつまりはそういう話です…


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