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【ユニコーン分析】一番大事なのは、事業特性を考えること


#COMEMO #NIKKEI

デジタル化が進む競争では先に大きなシェアを握った企業が最も優位で、勝者総取りの構図になりやすい。当初は赤字でも高い評価を許されたのはそのためだが、この先も追い風の事業環境が続くとは限らない。不況期も耐えうる事業モデルかも含め、投資家が冷静に選別を始めたといっていい。

この部分は重要です。
特にプラットフォーム系ベンチャー、最初に大きく赤字を掘るので、市場の伸びと、そこでの競争優位性、そして規模化された時に、事業特性としての付加価値率、限界利益が確保出来るかの見極めが必要かと。
少なくともUberにはない。

いずれにしろ、リーマンショック級の出来事が起きた時に耐性があるかも重要です。

【事業特性(コスト構造分析)】

弊社田中が運営しているオンラインサロンでは何度もこの図を出しますが、事業特性分析はM&Aをした場合や、プラットホーム企業がグロースした場合、規模の経済性が出るか否かを検証することは極めて重要です。B3Cで一番重要だと考えています。

事業特性を考えることは、以下の問いに答えることになります。

1.どのようなプレイヤーが勝つのか?
2.それはスケールなのか?スコープなのか?スピードなのか?そしてそれはなぜなのか?
3.エコノミクス(経済性)上の必然性を説明出来るか?

エコノミクスは事業構造の中で最も重要な側面です。政策も人間関係も、長期的にはエコノミクスに逆らえません。絶対にです。

例えば、これは美容サロンチェーンの事業特性です。

先ずはコスト構造を分解します。そしてそのコスト階層ごとに挙動分析を行います。

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【コスト挙動分析】

⑤広告宣伝費
規模は効くか?
全社的なのか?店舗別なのか?
規模(広告量)よりもアイデアなのか?
④消耗品費
規模は効くか?
副資材なので、大量購入する意味はあるか?
③水道光熱費
規模は効くか?
水道光熱費と売上の相関はどうなのか?
②店舗家賃
規模は効くか?
坪単価は何に影響受けるのか?
立地産業なのか否か?
①直接労務費
規模は効くか?
労務費は何か(顧客指名等)に影響を受けるのか?
何故分散型事業なのか?

結局、各プロダクツの単価を分析したり、店舗、全社でもいいわけですが、トップライン(売上・売価)があり、原価(労務費・材料費・外注費)があり、販管費があって利益となるわけですが、コスト構造の中で売り上げに対する比率が一番大きいところから順に優先付けをおこないます。

美容サロンの場合、労務費(店舗人件費)がコストの半分を占める業界です。また次に来るのは店舗家賃です。

例えば、労務費が売上の55%を超えたり、家賃が売上の15%を超えるとほぼ間違いなく赤字になります。

重要なのは、このコスト構造の中で、労務費が少ないこと、家賃が低いこと(換言すれば効率性)は絶対的な「正義」なわけですね。

例えば、デューデリジェンスや、成長戦略の精査を行うときに、ここの2項目が悪くても、水道光熱費が低い、広告宣伝費が他社比少ないと言ったところで、それ自体は正しいですが、事業の優位性には全く関係ないということです。

事業特性は粗利率の良さがすべてであり、そのためには、製造原価(労務費、材料費、外注費)のうち、どこが強いのか、その強みはこれから将来も継続されるのかという分析が必要だということです。

その考え方で、付加価値率というのがあります。
付加価値とは「売上高 - 外部購入高」です。

ビジネスを考える時、付加価値率、管理可能コストがどれだけ大きいのか、考えることはとても重要です。

付加価値率が小さいということは、コストコントロールの幅が小さいということです。

そういった意味では、ウーバーもウィワークも、冷静になって分析すれば、固定費が高く、ほとんど付加価値率がないことになります。

【お知らせ】

弊社代表に田中が登壇した、今月のセミナーのDay2のみをご要望にお応えし、
別途開催します。

何卒よろしくお願い申し上げます。


■このようなことが学べます
1. 先方事業計画の蓋然性の判断(KPIを中心に)
2. 資本コスト / WACCの考え方
3. レバードβ、アンレバードβ、マーケットリスクプレミアム、サイズプレミアムなどの考え方
4. ベースケース、アップサイド、ボトムサイドの設定

■このような方におすすめです
・スタートアップのM&Aを検討しているCVC/事業会社の投資部門
・M&AによるExitを視野に入れるスタートアップ経営幹部




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