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CDSの仕組みについて

【週間レビュー No.281】

今週の週間レビューです。

今週もChatGPTの話題花盛りでした。その中でシリコンバレーバンク、クレディスイス等、信用不安が増大した週でもあります。クレディスイスはCDSが一気に上昇しました。

クレジット・デリバティブは信用リスク(クレジット・リスク)から派生した商品であり、今までのデリバティブと大きく異なる点は個別のキャッシュ・フローを変更するのではなく、ある企業などの信用リスクを第三者に移転出来る点が特徴的です。

例えば、B銀行がA社に10億円を融資している場合、クレジット・デリバティブによって信用リスクを移転出来る条件には、A社の倒産や支払遅延、金利減免等も含まれています。

そして倒産などに陥った時にお金を受取れる権利はプロテクションと呼ばれ、それをC金融機関から10億円分購入しておくことで、A社が倒産した時、B銀行は10億円を受け取ることが出来きます。

要はクレジット・デリバティブを利用し信用リスクをC社に移転したことになります。

銀行融資でいう信用保証協会や、住宅ローンの銀行の保証会社と同じ役割りですね。ただし、銀行のローン会社は銀行と連結なので、あまり意味はありませんが。

当然、プロテクションの購入代金はA社の信用力と深い関係があり、業績不振先は当然購入代金が高くなります。

また、通常は原契約(融資契約など)の倒産リスクを軽減するためにCDSを行う場合が多かったのですが、ここではCDSの再委託、若しくは原契約がなく、CDSの取引だけを行う業者、いわゆるある会社の信用自体が商品となり、契約で保証料だけをもらい、その会社がデフォルトしたら、プロテクションに応じた損失料をもらうという契約が出てきました。

このことが、リーマンショックでは一体いくらの損失になるのかわからなくなった大きな原因と言われています。

そして、プロテクションの買い手も売り手も銀行が多かったのですが、これは銀行ですから、原契約があるのが中心ですが、これが儲かるということで、証券会社も行っており、これが、再委託や、単なる商品としてのCDSとなり、リーマンブラザースはこれを派手に組成していたということになります。

それでは来週はリアルイベントです。

何卒よろしくお願い申し上げます。

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