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「多様性」は正解ではない。

5月、だいすきだったリクルートから「20世紀的システムから人々を解放し、多様性が爆発する社会をつくる」をビジョンに掲げる約15人のNEWPEACEに転職した。

結果、多様性に苦しむくらい本当にいろんな人たちと出会うことができた。人間動物園と言われるNEWPEACEの多種多様なオタク、6curryに通う、雇用形態に捉われずに楽しいを仕事をするまっすぐな人たち、仕事を通じて出会った日本の最前線で己のWHYを体現する方々。自分には何があるのか?正解を探しそうになったけど、それだけ刺激的な毎日でした。

以前のnoteで「多様性が爆発した社会で生きています」と呑気に書いたけど。勢いで転職したこの半年でわかった、多様性は苦しくて正解ではないという話です。

みんな違ってみんないい、なんて。言うのは簡単だし耳障りもいい。ナンバーワンにならなくてもあなたは元々特別なオンリーワンだと気づかせた平成も終わり、そんなことは当たり前でしょ、くらいの風潮すらある。わたしもそう思っていた。でもそれは、同質性のなかにある差異を楽しんでいるだけだったと今では思う。

多様性が爆発した社会(及びそんな社会を目指す組織)には、一律の評価も正解も存在し得ない。売上を伸ばしたりKPIをクリアしたり多くの案件を推進できることが唯一の正解になることがない。正解が人の数だけある。だから、自分で自分を評価できないとアイデンティティや存在意義が揺らいで、苦しい。

CEOの新平さんが「新しい生き方を選んだ人が孤独にならない社会をつくりたい」と語るように、NEWPEACEは自ら事業も創っているけれど、それもまた今までにないモデルで多様性を受容するコミュニティを創ろうとしているので、売上にも汎用性にも正解が置けない。事業にも、わかりやすい正解がない。

シンプルに、コミュニケーションの効率は悪いし、ゴール設定も進め方も、自問自答が多すぎて疲弊する。理想のゴールを共通の価値観でロジカルに設定して、現状との差分で課題を抽出する課題解決型のほうが、圧倒的に早い。多様性を追い求めることは今の価値観における正解ではないのだと痛感した。

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(合宿の深夜、人狼ゲームの一コマ。正解は自分で判断するものだと体感。笑)

自分で自分を評価できるようになること

「普通」が消えゆく、今後10年のGDPの成長率が先進国32カ国中32位の日本で、直線的な成長を志向することに息苦しさを感じて飛び出したのは、正解ではない社会に希望を見出したかったから。でも飛び込んでみたら、そこは新しい生き方を模索する人で溢れていて正解がない。今までは「最適なのでやるべき」な正解を主張していただけで「普通に考えたら違うだろうけどやりたい」と自分の軸だけで意思を発露したことがなかったと気付かされたのだ。苦手というよりやったことがない。正解がない社会で、自分を評価できない。多様性のあふれる社会で生きるには、他者からではなく、自分で自分を評価できる人間になる必要があるのだ。

自分で自分を評価できる人間とは?「アート思考」に引用されていたアメリカ人のグラフィックデザイナー ジョン・マエダの言葉に、なるほどなあと思った。

デザイナーが生み出すのが「解決策(答え)」であるのに対し、アーティストが生み出すのは「問いかけ」である。アーティストとは、他の人間にとってはまったく意味をもたない大義、けれども自分にとってはそれがすべてという大義を追求するために、自分自身の安寧や命さえ捧げることもめずらしくない人種である。(WIRED 2012年)

問いを投げること。正解かどうかではなく自分のよくわからない違和感や高揚感に正直に、少しわがままに生きること。それこそが自分で自分を評価できる、多様性の社会で生きていく大切なポイントなのかもしれないと思う。

そしてそれを生粋のアーティスト(または何かの痛覚がバグってる人)以外が表明するには「正しくなくても向き合ってくれるはず」という心理的安全性のある場所が欠かせない。それが、NEWPEACEのつくりたい新しいコミュニティなんだと、個人的に理解している。

肝心のNEWPEACEそのものも、心理的安全性があったりなかったりする。新しい居場所をつくりたいと苦心する母体でさえも、完全にうまくいっているわけではない。それだけ多様性のなかで「正しいかわからないけど言葉にする、その言葉と向き合う」ことはとても難しいことだと思う。全員にそのスキルがあるわけでも、そもそも同じ認識を持てているわけでも、まだない。でも、カルチャーは作られるものではなく、作っていくもの。心理的安全性が担保されないときは、それもまたみんなが面倒でしんどい思いをしながらもつくっていかないといけないんだと思う。(他の要因もあって多様性の全てに嫌気がさした時に「一緒につくってよ」と言ってくれたCOOのあきおさんのおかげでこの思考に至っています)

多様性は正解ではない。でも、自分が感じた息苦しさを無視して、多様性を諦めたくもない。2020年、周りにいるたくさんの多才で多彩な人たちの光に心折れることなく、正解に逃げず、自分の違和感や高揚感を探して、少しわがままに生きるチャレンジをする1年にしたいと思います。

そして、そんな新しい世の中を一緒に創るプロデューサーを募集しています!クライアントさんとの仕事も自社を中心に創る事業も、多様性のあふれる世の中をつくるカオスの真っ只中です。そんな社内外ともに多才で多彩な仲間に囲まれて働きたい方、ぜひお声がけください。

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27日大掃除。今までBOXに名前を書いてなかったけど、これからもここで頑張ろうと意思を込めて今更書いた、超ささやかな意思表明。爆発してるのは代表のBOXです。

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