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「同人誌的ゲーム」としての「FF7リバース」と、スクエニの将来

今月発売されたばかりの『FINAL FANTASY VII REBIRTH』(以下、FF7R2)をプレイした。

結論から言ってしまうと、筆者個人の「好み」でいえば、全く「好きなゲーム」ではない。正直遊んでいると「苦しい」とすら感じるほどだ。しかし、本作には決して「つまらない」と切り捨てさせないような、何か狂気的な愛情もある。

実際、本作の評価は難しい。本作は現代の大作ゲームとしては珍しいほど、誰に遊んでもらい、同時に誰が遊ぶべきでないかをはっきりと定めて作られている。それは一見すると狭量に思えるのだが、同時に、他の大作ゲームにはない個性──すなわち、本稿で論じる「同人誌的」な唯一無二の魅力が詰まっているからだ。

そこで本稿は前作『FINAL FANTASY VII Remake』から続く「FF7R」シリーズが一体どうして生まれ、なぜ求められ、筆者個人がどうして「好きではないが、悪くもない」という認識に改めたのかという話をしたい。もっとも内容は込み入ったものだし、扱うタイトルの性質上よからぬ邪推を避けられそうにないので、本稿は月1本定例のメセナプランでの発表となる。

では結論として、「FF7R」シリーズの本質とは何か。これは「ものすごく豪華な、合同同人誌、あるいは公式アンソロジー」である、というものだ。


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いわゆる「リメイク」ではなく「同人誌的ゲーム」

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