【ネタバレあり】うる星やつら2 ビューティフルドリーマー 鑑賞

押井守監督作品の本作。
機会があったので鑑賞&感想。
ファンでもなく、アンチでもなく、ただのニワカです。ネタバレあり注意。

原作のキャラクターを再解釈し、「うる星やつら」を自分の映画にしている本作。

押井守色の演出が存分出ているため、観る人を選ぶかもしれない。
いつだったか押井守監督のオールナイトショーにて鑑賞した「御先祖様万々歳!」までいかないが似た演出をしているため、観ていて「押井守の作品だなあ」と強く思うことになる。

冒頭、舞台を正面から映したようなドタバタ劇は「御先祖様万々歳!」(1989年)でも演出されていたからこの当時の押井作品の中での流行なのか、と思いつつ多少冷ややかに受け止めていたが、それだけではなくこちらの「うる星やつら2」ではアニメならではなトリッキーな描写もあった。

エンターテインメントを守りつつ、やりたいことをやっている、ある意味媚びていない作品。
1984公開の本作を公開当時に観た人は強烈な印象を持っただろう。

押井守監督は雰囲気づくりがうまく、この映画も本来「○○かよ!」※1とツッコミが入りそうなところをきちんと雰囲気に落としこみまとめている。
が、それが苦手な人は苦手だろう。


ひどい悪夢の中で起きて夢でよかったという経験が重なり、多重構造の世界に落ちる。すべてが夢の中なら失敗も成功もすべて夢の塵芥となり、何度もやり直せる。

それが良いか悪いかは自分次第で、あたるの選択は正解とも不正解とも言えない。原作のキャラクターであるあたるはそちらの道を選んだ。エンタメ作品のキャラクターとして正しい。


夢とはある種のエンターテインメントで、エンターテイメントを提供し続ける押井監督の主張が形になったものが夢邪鬼なのかもしれない。


※1強烈なネタバレのため伏せ


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