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不良少女と呼ばれて

 息子(高校3年生)の同級生にちょっとぐれた女の子がいる。
 
 その子は髪を染めたり、学校を休みがちだったり、飲酒したり・・・
 
 いろいろと問題のある女の子だと思われるけれど、息子は「いいやつ」だという。

 今はLINEでみんなと繋がれるので、その子の動向もよくわかるらしく、だいたいもめごとがあるとその子の名前が出る。

 息子が言うには、家庭環境に問題があるようで、母親が家にいないときもあるようだ。


 出雲神話にも、ぐれにぐれた神様がいる。

 スサノオである。

 高天原での問題行動は目に余るものだったらしく、みんなに懲らしめられて下界に落とされる。そこからのスサノオの出雲神話は英雄伝説としてよく知られている。

 どうも、出雲人はヤマタノオロチを倒してもらった恩義があるからか、スサノオに同情的である面は否めない。しかし、それを差し引いても、スサノオのぐれる気持ちもわからないでもない。スサノオの家庭環境もあまりいいとはいえない。

 父親であるイザナギはイザナミと別れた後、禊(みそぎ)で最後に3貴子を生む。アマテラス、ツクヨミ、そしてスサノオである。

 アマテラスとツクヨミはイザナギが洗った目からお生まれになった。それはいいとしよう。

 スサノオは、なんと、イザナギの洗った鼻から生まれたというのである。

 「お前には母はおらず、わしの鼻の中から生まれたのだ」

 そう言われて、誰が「やったー」と思うのだろう。

 誰が鼻毛を通って、鼻水、鼻糞まみれの場所から生まれてくるだろう。

 「そんな、馬鹿な」とスサノオが思ったとしても当然である。

 普通、ぐれますよ、イザナギさん。

 そんなわけで、ぐれにぐれたスサノオであったが、出雲に来てからはヤマタノオロチを退治して、櫛名田比売(くしなだひめ)と結婚し、そこに宮殿を建て、二人仲良く暮らしたそう。その場所が須賀という土地である。

 そこでスサノオは日本で初めて和歌を作っている。

  「八雲立つ 出雲八重垣 つまごみに 八重垣つくる その八重垣を」

 さすが、以前はぐれていたとしても、高天原の貴公子なだけはある。

 その教養や、大したもの。

 立派になったものである。


 さて、息子の同級生の女の子、
 今は大変かもしれないけれど、
 いつか事態が好転するかもしれないので、
 あきらめず、めげずに、
 時には立ち止まり、
 休んだりして、
 また前を向いて歩いていってほしい。

   きっと、スサノオも我が身を振り返り、温かい目で見守っているかもしれないよ



こちらでは出雲神話から青銅器の使い方を考えてます

よかったらご覧ください ♪



 

 
 

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