書評"星野道夫"

図書館に行って、うちの小3男子のために色々借りるかーと思って子ども向けコーナーを色々見ていたら、つい借りてしまった本。

星野さんのことは、もちろん存じ上げていましたが、その人となりは全く知らず、素敵な言葉を紡ぐ写真家さんだなあと思っていたぐらいでした。

お姉さんの影響で北海道に憧れたこと、冒険記などを多数読むことで冒険に憧れていたこと、ご両親が祖母を尊敬しご自身も祖母と仲が良かったことでアラスカの古老ともすごく仲良くなったことなど、アラスカにはまったきっかけやその後の生き方につながる子ども時代のことが印象に残りました。

実は僕自身も、小さな頃は「北」へいきたい思いが強かったです。愛知県の濃尾平野で育った僕は、なんども岐阜や長野にスキーに連れて行ってもらえたおかげで、北への意識は非常に高く、結果、北海道大学に行き、そこでモーグルにハマることになります。

北大にも探検部はありましたが、全く興味を持てなかった。知床半島の海岸線(南側)を、羅臼から徒歩でなるべく先までいくんだ、みたいな話を友人から聞いて、アホちゃうか?(やりたいと思えないし、興味がない)と思っていたけど、それって星野さんも同じような、いやもっと仰天なチャレンジをアラスカでしていて(真冬のデナリで単独で何日もオーロラ撮影のためにキャンプを張るとか)、いいなと思う反面、やっぱりそれを自分でやるのは日和ってしまう自分もいて。なんだかなと思うわけで。自分。

それでも、会社経営をしていると、わりとバーチャルで複雑なことが多いのです。言い換えること、見えないこと。その成長を意識しなければいけないことの難しさ。具体的には、お金、規模、質、スタッフの能力やモチベーションなど。おそらく、ソフト的なものが自分には合うのでしょうけど、だからこそハード的な、あるいは身体性に訴えかけるような、アラスカでの探検物語に心惹かれるものがあるのでしょう。

星野さんが、学生時代に訪れ、結果的に3ヶ月もいることになったシシュマレフ村。写真家・石川直樹さんが単独でカヌーで下ったユーコン川。まだ見ぬアラスカは、僕にとってはベールに包まれた存在で、絶対数年以内には訪れたい地域であります。その時は、"霧のアンカレッジ"が僕を迎えてくれること、楽しみにしています。

この記事が参加している募集

読書感想文

いつもありがとうございます。 サポートのほど、どうぞよろしくお願いします!