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日本でバイオマスが広がらない理由

その理由はいくつもあるけど、最大の理由は家庭に広まっていないことだと思う。

たとえばヨーロッパでは、バイオマスエネルギーの最終消費量のうち、住居の熱需要がもっとも多く38%、続いて製造業19%、交通13%となっている(2015年実績、AEBIOM)。日本で普及している木質バイオマス発電(発電のみ)は6%でしかない。オーストリアでは20-30kWという家庭用小規模ボイラーが主流だったり、デンマークでは住宅向け地域熱供給が多く導入されている。(「地域ではじめる木質バイオマス熱利用」参照)

日本では農業、製材業や木材加工業なんかに多く入っているし、公共施設や温浴施設に入ってもいる。けど家庭の、特に給湯でバイオマスが使われているシーンってほとんどない。だから、普通に暮らしていたら身近でみたことがなく、広告としても存在してないわけだから広まるわけもない。

だから僕は、家庭用の給湯向けバイオマスを今やるべきだと思っている。たとえば似たような分野として、「断熱・気密」に関するとりくみはいろんなレイヤーで始まっている。オルタナティブな建築家や、窓や材料のメーカーや、書籍や、雑誌なんかの消費者の近い人たちがとりくんでいる。今や、研究者やひと握りの業界人のものだけではない。

バイオマスは、まだまだ研究者とメーカーのものだ。そしてそこに、地方自治体とコンサルタントが加わったくらいのもの。なんとかして、「住まい」「インテリア」「消費者」の文脈から、バイオマスにとりくんでいきたい。
(写真は、2017年9月にフィンランドを旅した時のairbnbで泊まった家にあった薪暖炉)


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