d20システムに役立つ? ふらっと帰ってきた 背負い袋にこの一冊!
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※2003~2006年に雑誌『季刊RPG』に掲載された記事です。
第十六回:ファファード&グレイマウザー5巻『ランクマーの二剣士』
~d20で やってみたいな ランクマー~
(本のデーター)
『ランクマーの二剣士』
フリッツ・ライバー 著
浅倉久志 訳
東京創元社 発行 940円+税
(※データは掲載当時のものです)
き、貴様、なぜそれを知っている!?
いきなりの詰問口調で恐縮ですが、最近そんな出来事があったもので、ついつい書いてしまいました。
だって、若いカップルが電車の中で「ミンゴル」「ミンゴル」と連呼してたんですよ。会話の端々で「ほら、ミンゴルがさ」とか「ああ、新作のミンゴルね」てな具合に……。
私ゃ思わずピクッと反応してしまいましたよ。
真っ先に思い浮かんだのは、あのシリーズ小説で主人公の盗賊の二人組が船員に使っていたミンゴル人奴隷のオウルフ――です。
なんで? どして?
なぜこの若者たちは「ランクマーを脅かす大草原の残忍な騎馬民族・ミンゴル」を知ってるんだ?
新作って? たしかに「あのシリーズ」は四巻と五巻が二十年ぶりに出たけど、それも二年前だし……と、しばらく思考停止してしまいました。
その後の会話に耳を傾けた結果、「ミンゴル」とは『みんなのゴルフ』の略称だと判明し、ホッとした反面、「そうか、やっぱりな」と寂しくもあったのですが。
……というわけで。
こんにちは、謎のメカ侍・伊豆平成です。
久しぶりの――というか、本誌では初めての「背負い袋にこの一冊」であります。
今回は、神保氏から「d20システム特集なので、それ向きの一冊を用意してください」と、お声がかかったのですが……。
『コナン』は好きだけど手元に一冊もないし、『ドラゴンランス戦記』は大好きなスタームが死んじゃったショックで「こんなん、もう知らん!」って投げ出して五巻から先は読んでないし――本当に困ったものです。
でも、ちゃんと別のを背負い袋に詰めてきましたよ。
とっときの一冊をね……。
冒頭の戯言を読んで、「ははあ、あっちのミンゴルね」と笑みを浮かべた人は、もうおわかりでしょう。そんな人は、この後の「釈迦に説法」な部分も、どうか笑って読んでやってください。
そして、RPG好きだけど「ミンゴル」がわからなかった方――この本は、そんなあなたにこそ読んで頂きたい作品なのです。
そう! d20システムの祖の祖ともいえる、フリッツ・ライバーの傑作ヒロイックファンタジー、『ファファード&グレイ・マウザー』シリーズをRPGのお手本として紹介しようかなあと思っているわけでして……。
中でも、五冊ある『ファファード&グレイ・マウザー』シリーズで唯一の長編小説である最終巻の『ランクマーの二剣士』を中心に紹介していこうと思います。
D&Dの祖となったお話……
D&Dに出会った瞬間――つまりはRPGに手を染めた当初から、私はシーフという職業(今はローグでしたか)を愛してやみませんでした。
なぜなら、RPGに出会うより先に『ファファード&グレイ・マウザー』に出会っていたからです。初めてD&Dのルールを読んだときには「ランクマーみたいに盗賊結社がある~!」と興奮したものでした。
テキストを読んでくださってありがとうございます。 サポートについてですが……。 有料のテキストをご購読頂けるだけで充分ありがたいのです。 ですので、是非そちらをお試しください。よろしくです。 ……とか言って、もしサポート頂けたら、嬉しすぎて小躍りしちゃいますが。