映画「透明人間」の感想

 最初、タイトルを「透明人間を観た」って書こうとして、ちょっと馬鹿みたいな文章だったので変えた。

 千葉の京成ローザで、会員の更新をしてもらった無料鑑賞券で観た映画。

 もし、全く情報を入れないでこの映画を観ようと思っている人がいたら、広い意味ではネタバレを含んでしまうから、この段落から先は見ないでね。透明人間、ってタイトルの映画だから、透明人間が出てくることだけは初めから全員がわかってていいとは思うんだけども。そして、一応、この先を読んだとしても映画的な面白みは損なわれないはずですが。気になる人は、ってことで。





 妻に異常なまでに執着し、彼女を精神的に支配下に置こうとする(というか関わった人間とはそういう関係しか築けない)サイコパス的な恐ろしい人間が、光学迷彩技術開発の天才だったら……というお話。
 なんでも、映画会社がミイラ男や吸血鬼なんかのリブートをしたがってる動きの一つとして作られた作品だとかなんとかいう話をあとから聞いたのだが……。
 まあ、詳しい事情は知らないが、ウェルズの透明人間とはかなりちがったテイストで、「なるほど、面白いアプローチだなあ」と楽しめた。

 ただ、原作がそうだったからなのか、透明人間にまともなやつがいないってところは非常に悲しいよね。
 前情報は入れなかったが、透明人間=裸、と思っていたから、「こいつよっぽど鍛えてんだなあ。あるいは皮膚が厚いのか?」とか思って観ていて、途中で「あっ!」となった。
 それにしても、奥さんのほうもつけ狙われていると感づいたときから、探り方や対処のしかたが頭悪すぎてイライラした。まあ、途中からクレバーになっていくから、前段階としてはマヌケになってしまうのはしかたないとはいえ……。
 あと、死んだことにするのなら、もっともっと「霊現象なのか!?」と思わせておいて実はちがう――というほうが面白い気がした。霊だと主張する人がいる中、ちがうと気づいた奥さんが……とか。
 サスペンスというかスリラーというか、その辺の展開がかなり楽しい。
 前半の気づくまでが少し長すぎる気もするけれど、後半のテンポの良さは悪くなかった。
 それにしてもあのラストはすごいやね。

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