映画の感想を4本分

 つぶやきもしたが、イオンシネマでワンデーフリーパスポートという企画をやっていると聞き、長いこと映画に行ってなかったものだから我慢できずについつい幕張へ。2500円でドリンクを四杯と映画を四本観てきた。
 まあドリンクは「飲み放題」だったから、上映中に抜け出したりロビーで次の映画を待っている間でも何杯でももらえるんだけど、トイレに行きたくなっても困るし、途中で席を離れるのは私としては論外なので、鑑賞中に一杯飲めれば十分ということで。
 朝の9:30ぐらいから行けば、2500円で五本は余裕で見られると思う。
 パスを買ったらそれを提示し、初めに二本分のチケットまではもらえるが、三本目から先は一本観終わる度に申請に行くシステム。前の映画の終わりと、次の映画の始まりは15分までは重なってもいいらしい。
 昼前ぐらいに着いたので、予定していた五本のうち四本を観てきた。
 どれも前情報は皆無。
 後ろの2つがロシア映画だってことさえ知らなかった。

●ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語
 若草物語は、世界名作劇場でしか見ていないが、ナンとジョー先生も見ているし、好きなアニメなので、たぶん楽しめるだろうと鑑賞。
 いやあもう。かなり感動ですよ。どうしたって、若草物語はジョーに感情移入しちゃうもんね。小説が採用されたときのあの喜びや、初めて自分の原稿が本になったときのあの感覚。他人事でも涙が出ちゃうよ。そして、若草物語のシーン自体はジョーの思い出として展開する構成がたまらない。エマ・ワトソンのメグも良かったなあ。
まあ、回想シーンの中で四姉妹が演技で現在よりも幼い年齢をカバーする感じは、ちょっと大河ドラマの「江」を思い出してしまったが。
 小説の交渉をする場面がやはり最高。それでも10%もらえないんだから、まったく、たまらんよなあ。

●ドクター・ドリトル
 九時半から見られなかったので一本見られず、ソニックとどっちにするか迷ってこっちにしてみた。
 動物たちと探索の航海に出る&女王陛下をする毒殺しようという敵に雇われたライバルと競い合う……というのが基本のストーリーライン。まあ無難に楽しいお話になっているとは思うんだが、どうも「子供だまし感」がひどい。子供向けだからってなめた作りをしている臭いがしてならない。オフザケがすぎるというか、子供が見るからこそちゃんとしてなきゃいけないところばっかりが適当なんだよな。動物がしゃべる映画って、時々こういうイラッとするのがあるから信用できない。女王に使える少女がモヤさまの三代目アシスタント福田アナに似ていた。
 あと、ドリトル先生がどうしたってアイアンマンかシャーロック・ホームズだ。私が昔読んで夢中になったドリトル先生はあんな人じゃないね。原作の持ち味や本質の部分を読み違っているとしか思えないんだ。アイアンマンを死亡させてアベンジャーズから引退してまでやるような役かね。誰も得してないぞ。
 というわけで、とても見てられないというレベルではないが色々とダメだった。原作が好きすぎるせいもあるだろうけど。

●ワールドエンド
 ワールズ・エンドではないよ。あっちはイギリスに宇宙人が侵略してくるSF映画。
 こっちのはロシアのSF映画。
 どっちが面白いかと言われれば、私は断然、イギリスのほうを選ぶ。
 ただ、この映画が木曜で上映終了だったので、ちょっと見ておきたかったのだ。三時間近くある長尺の映画で、なによりもそれだけの長さが必要だったとは思えない構成なのがイライラする。編集がいけないってことなのかな。無駄なシーンというか、同じようなことの繰り返しが多すぎて、それでいて説明不足というパターン。そこがイラッとくる。しかも、ストーリーラインはそれほど複雑なものではない。引っ張って引っ張って、それだけ? みたいな感じがするし。肝心のことは、だいたいセリフで説明しちゃうし。
 とはいえ、戦闘シーンの迫力などは面白く、最近のロシア映画ならではの乱暴さというかその辺は楽しめる。楽しめるんだが、さすがに長過ぎてそれにも飽きてしまう感じ。
 主人公っぽい男が二人と、ヒロインが二人、本当に必要だった?
 この間観たロシアのSF映画「ハードコア」のほうが、これより面白かったかな。この映画でもハードコアでもそうだったんだが、とにかく「最後はビルの屋上で戦って決着!」というのが、ロシアっ子には受けるのだろうか?

●アンチグラビティ
 これもロシアのSF映画。
 昏睡状態にある人間は、共通の世界に閉じ込められる。そこは、その人たちの夢や記憶の断片が、重力を無視して……というか、空のいろいろな方向に下向きの重力の働く島のような都市が散らばっている感じの世界。
 なにかの原因で昏睡状態になった主人公が、その世界で同じような境遇の人たちと共同生活を始めるのだが、この世界には脳死してしまった人間の精神が怪物のようになってさまよっていて、彼らはその怪物に追い立てられて暮らしていた。果たして主人公は素に戻れるのか……? みたいなお話。
 かなり面白い。ワールドエンドよりずっと好みだ。
 きちんとお話がまとまっていたし、終り方もいい感じだったので得した気分。どうでもいいことだが、ワールドエンドと同じ役者さんが出ていて驚いた。これはDVDとかで見るのにはお薦めかな。

 ワンデーフリーパスポート、悪くはないが幕張のイオンモール、映画館の最後の上映が終わるよりもモールが閉まるほうが早いので、帰りは外周をぐるっと回ってバイク置き場まで歩く羽目になったので、あれはなんとかしてほしいな。
 あと、モール内のフードコートが値段の割にいまいち過ぎて腹がたった。といって50分の間があっても、安いフードコートまでの往復に異様に時間がかかるし。


テキストを読んでくださってありがとうございます。 サポートについてですが……。 有料のテキストをご購読頂けるだけで充分ありがたいのです。 ですので、是非そちらをお試しください。よろしくです。 ……とか言って、もしサポート頂けたら、嬉しすぎて小躍りしちゃいますが。