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口呼吸のデメリットと鼻呼吸のメリット

今週は呼吸の話です。呼吸には、鼻から空気を吸い込む「鼻呼吸」と、口から息を吸い込む「口呼吸」の2種類があります。
口呼吸は口の中を空気が直接通り抜けていくため、習慣化すると口腔内の乾燥を招きやすく、唾液の分泌やむし歯予防にも影響が出てきます。
風邪で鼻が詰まっている時や、激しく息があがっている時は必然的に口呼吸を行いますが、口呼吸が習慣になると口腔内の乾燥から喉の痛みやその他のトラブルを招く可能性があります。
まずは口呼吸になってしまう原因と口呼吸による歯や健康への影響についてご紹介します。むし歯などのトラブルを防ぎたい、口内環境を衛生的に保ちたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
口呼吸の多くは、顔やあご周りの骨格や鼻の通り(形状)が関わっているとされています。生まれつきの骨格構造が関わっているほかにも、子どもから大人へと成長するにつれて顔の骨格などが変わってきて、その過程で鼻呼吸の癖がつきにくくなって口呼吸になっている方も多くみられます。また、歯並びや悪習癖によっても口呼吸になりやすくなります。
口呼吸による歯や健康への影響としては、むし歯や歯周病、口臭、歯の着色、顔のたるみなどの影響が生じやすくなります。
口呼吸をしていると乾燥した空気を直接口の中に取り込むため、唾液が分泌されてもすぐに乾燥してしまい、むし歯や歯周病を引き起こす菌が停滞しやすくなります。また、唾液に含まれる成分には、歯の再石灰化を促す作用があるため、唾液で湿っていればむし歯になりにくくなりますが、乾燥していることでむし歯予防効果も減衰してしまいます。すでにむし歯や歯周病にかかっている場合、口の中が乾燥することで悪化しやすくなります。乾燥対策やこまめなオーラルケアが必要になりますが、根本的解決のためには鼻呼吸に変えていくことが大切になります。
唾液は口の中に残っている食べかす、外から入った異物、雑菌や細菌などを洗い流す役割と細菌の増殖を防ぐ抗菌作用という両方の役割もあります。しかし口呼吸を行うと唾液がすぐに乾燥してしまい、異物や細菌を洗い流せずそれらが口腔内に留まって増殖して、口臭の原因ともなります。
「ステイン」と呼ばれる歯の着色汚れは、食べものや飲みものに含まれる色素が、歯のタンパク質と結びついて沈着して起こります。唾液にはこの色素を洗い流す作用もありますが、口呼吸による唾液の乾燥は洗浄力を低下させ、歯や歯茎の着色が起こりやすくしてしまいます。
口呼吸をしていると、物理的に口が開いた状態で呼吸を行います。そのため、舌の位置が通常よりも下に降りてきてしまい、舌を動かす顔やあごの周りの筋肉が衰えて、フェイスラインや口まわりがたるみやすくなります。鼻呼吸に支障が出ている場合は歯並びやその他の問題に対処し、舌の正しい位置を確認しながら、口呼吸へと正していくことが大切です。
その他にも、唾液には消化を助け胃の負担を軽減したり、味を感じやすくしたり、粘膜を保湿し守ったりしてくれる役割もあります。口呼吸により唾液が乾燥してしまうと全身の健康にも影響を及ぼすため鼻呼吸を意識することがとても大切です。
鼻呼吸は先にご紹介した口呼吸のデメリットを回避する呼吸になります。外からの乾いた空気を加湿して肺に送り込むだけではなく、口腔内の乾燥を防ぐことでむし歯菌や歯周病菌などの定着、汚れや色素の沈着を防ぎ、口内環境を衛生的に保つというメリットがあります。

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