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口臭の原因

 昨年からのインフルエンザの流行や新型コロナもまたも全国的な増加傾向にあるなど感染症の流行はなかなか収まる兆しがみられずマスクを手放せないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
 マスクを着用していると外した時などに感じることがあるのが口臭。この口臭の原因はほとんどが口の中にあります。それは、むし歯、歯周病、乾燥、汚れ、口内炎、入れ歯の汚れなど様々な口のトラブルが口臭の原因になります。一部、胃や内臓が原因の口臭もありますが、その場合は病状がかなり悪化しないと他人が感じるほどの口臭が発生することはありません。
 では、口臭がどのように発生するかというと、口の中の細菌で、プラーク1mgには700種類、1億個以上の細菌がいると言われています。その中の嫌気性細菌と呼ばれる酸素を嫌う細菌が生きていくためにたんぱく質を分解して栄養源としますが、その分解過程で不快なにおいの素になる口臭物質が発生します。
 特に歯周病菌には嫌気性細菌が多く、歯周病の方は口臭が強くなる傾向にあります。ただ、口の中には歯周病菌以外にも嫌気性細菌は多くいるため歯周病でない方も油断は禁物です。
 口の中で最も口臭が発生しやすい場所は舌です。舌をべーーーーっと出して鏡で確認してみてください。舌の表面に「舌(ぜつ)苔(たい)」と呼ばれる苔状の堆積物が厚く蓄積していませんでしょうか。ちなみに、健康的な舌は、淡いピンク色で舌の表面に白い舌苔が薄くはえています。
 舌苔には細菌などの微生物、唾液成分、古くなって剥がれ落ちた粘膜の細胞、血球の成分、食べかすなどが含まれています。剝離した細胞と唾液や血球の成分はたんぱく質なので、悪臭を作り出す細菌とその栄養源となるたんぱく質の両方が存在していることになります。歯周病の方、口呼吸の方、唾液の少ない方、喫煙している方は舌苔が付着しやすい傾向があります。
 口臭予防には、口腔内を、清潔に保つ、乾かないようにする、舌苔を減らす、ことが大切です。口腔内を清潔に保つにはご自身による歯みがき(セルフケア)と歯科医院でのクリーニングを含むメインテナンス(プロフェッショナルケア)の両方が必要です。少しでも口臭が気になるという方は歯科での定期的なメインテナンスを受けるようにしましょう。いずみ中山歯科では予防に重点を置いて概ね3ヶ月に1度のメインテナンスを推奨しています。

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