【2/25〜3/12の短歌まとめ】

また性懲りもなく短歌にのめり込んでいます。誰に頼まれたわけでもないのに、ひとりせっせと詠んでいるもの(と解説らしきもの)をまとめておきたいと思います。

手懐けたはずの孤独が牙を剥く手当ての術は忘れた夜更け

日々生活に手いっぱいであるからか、若いころのように空白を埋め尽くすかのような、突如込み上げる孤独感はなくなり、夜はただただ眠るためだけの時間になったのだけど、それでもときおり胸のエアポケットにすとんと落ちてしまう夜がありますね。

遠雷に引き留められてぼくたちはひかる虹にも気付くことなく

これは『遠雷』を入れたいと思って詠んだもの。好きなバンドの曲名です。遠くに響く雷の音を理由に、帰るタイミングを(わざと)逃したふたり。そういうの、私にはもう一生ないなあと思うわけです。


誘われた先は最果てPayPayが使えるのなら行ってもいいけど

こちらも『最果て』が使いたくて詠みました。表記は違うのだけど、↑と同じくこちらも好きなバンドの曲名です。私は金銭管理がおそろしく下手なので、あまりPayPayの類は使わないのですが……。「最果て」と「PayPay」の釣り合わなさが良いなあと思っています。

遠い日に君からもらった囁きを今も時折取り出して舐め

ちかごろ話題の本、『たまに取り出せる褒め』に勝手にインスパイアされて詠みました。「時折取り出して舐め」がまあまあ気持ち悪くて好きです。

最後まで“スカッチ”の意味も知らぬまま甘くしびれる舌先残し

明治の『チェルシー』が終売になると聞いて。こどものころ、キャンディといえばイチゴとかブドウとか想像しやすい味が定番だったのに、チェルシーの「バタースカッチ」「ヨーグルトスカッチ」っていうひと捻りしたネーミングと味がおしゃれだなと思って大好きでした。でも「スカッチ」の意味を知ることはなかったなあという歌です。ちなみに、私が高校生のころに好きだったCASCADEっていうバンドにも「チェルシー」っていう名曲があります。

道端で力尽きたる靴下が鳥に託した一縷の望み

道路の真ん中に謎に落ちている片方の靴下ありますよね。本当はどこかを目指してこっそりベランダから抜け出してきたんじゃないかなと思って詠みました。でも途中で力尽きてしまった悲しい靴下。たぶん、乾いたら力がなくなってしまったんでしょうね(逆アンパンマン方式)。


拙さはもう誰よりも自分がわかっているのですが、とにかく今はたくさん詠みたいと思っているので、ご笑覧いただければこれ幸いです。あと、いいねとかももらえたらめちゃくちゃうれしいです。

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