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3/18-3/31 ミクニヤナイハラプロジェクト「船を待つ」本番

3/18 
稽古。吉祥寺。

3/19 
稽古。吉祥寺。通し稽古。失敗ばかりの人生。台本読み返す。

3/20 
稽古。舞台に上がる。演技スペースがどんな大きさなのか等々みんなで確認(※稽古場の大きさと舞台の大きさが違うため、諸々の確認が必要なのです)。そのまま通し稽古、いろいろ間違えて反省する。ああ、本番かあ。大丈夫だろうか、私。まあ、不安だけど、とにかく楽しい日々だったと急に回想モードに。それに、まあ、この年齢からしたらよくやってるぜ!と自分を励ましモード。

3/21
休み。舞台上の仕込み。スタッフの皆さんが頑張ってくれている。感謝の休息。カレーを食べた。スパイス頼み。

3/22 
小屋入り。いろいろ迷いが生じて、眩暈がする。大きな何かに飲み込まれそうだった。私の精神的な弱さの問題。占いサイトを見る。占いってなんだろうなあ。何かに縋りたいんだろうな。タロットやってほしいなあなんて考えつつ、差し入れのフルーツの匂いに癒される自分。場当たり。照明、音楽、音響、映像の確認作業。素晴らしいスタッフワーク。舞台監督の湯山千景さんがいると心から安心。助けてもらっている。夜、衣装をつけて、メイクもして、通し稽古。最終リハーサル(ゲネプロ)。確認しながら、挑戦しながら、不安と闘いながら、それでもこの三人で舞台に上がれることが本当に嬉しいと思った。

3/23
ミクニヤナイハラプロジェクト「船を待つ」初日。三人で同じ楽屋。それぞれの緊張。私は楽屋で亡くなった愛猫テーオのことを考えていた。テーオに会いたい。そう思ってこの舞台にあがろうと思っていた。見えないあの子に手を振ろう。無事に終演。見に来てくれた友人、家族、お客様に心から感謝する。初日を見ていただけることの喜び。夫に感想をもらう。

3/24
「とにかく乗り切ろう」これが合言葉。昼夜公演だったから。稽古から続いた疲労も溜まりつつあり、ここが一つの大きな山場だと思っていた。将一朗さんと二人「乗り切ろう」ってばっかり言ってたなあ、この日は。ミクニさんからの初日明けてからのアドバイス、変更点確認。栄養ドリンク(チョコラBBの高いやつ)を飲んでいたら「カサギさん、元気の前借りですよ」と将一朗さんに言われる。この言い回し、出会った頃から言われているお約束フレーズなので、かれこれもう20年は言われてるってことか。ってことは私は20年栄養ドリンクを飲み続けているわけで(正確にはもちろん将一朗さんに出会う前から飲んでいるわけだし)、前借りしすぎてもはや命があぶない。

3/25
夜公演。体の重みを感じる。足だな。足が痛い。足のどこかが漫然と痛い。ケアのことを考える。若くない。ケアが大事だ。何より、労わること。リカバリーすること。明日を迎えること。それが大事だ。毎日セリフの確認。特に不安なシーンは将一朗さんと一緒に合わせる。何度も稽古しているのに不安だ。

3/26
休演日。朦朧としていたのかよく覚えていない。何を食べたのだろう。夫とカレーを食べたのかもしれない。食べたな。スープカレー食べたんだ。スパイス頼み。

3/27
夜公演。疲れがやってきている。疲れが私の魂をノックする。ノックしないで。帰ってちょうだい。居留守します。テーピングを買う。いっぱい売ってて何がなんだかわからん。吉祥寺でいろいろ安い薬局を見つけた。今更だが、嬉しい!ここ数日薬局でしか買い物してないぜ!
友人たちと少しだけ飲む。ありがとう。いつも笑顔をくれる。

3/28
今日から昼は大阪キャストの公演がある。我々よりも準備期間が短く大変だったことだろう。エールを送る。楽屋の居心地がいい。誰も喋らない。喋るときは楽しい。仲がいい。梓さんが本当に素敵、そして優しい。いつも明るい。助けてもらっている。将一朗さんは昔から友達だから、とにかく楽。ただただ、3人の時間を過ごす。本番に向けて。

3/29
夜公演。小屋入り後、整体師の方が来てくれた。体のすみずみまで見ていただき、私の癖や痛んでいるところを治療していただく。声が出やすくなった!触っていただいてすぐによくなるって、身体の神秘。びっくりするよね。大阪キャストの佐々木さんも将一朗さんも梓さんもミクニさんも施術してもらっていた。大阪から友達が見に来てくれた!嬉しい。話したいことがたくさんあるが喉の温存のため控えめに話す。

3/30 
夜公演。昼間に大阪メンバーの公演を見る。躍動感にあふれた、生にあふれた、パワーにあふれた、美しい舞台だった。素晴らしかった。やはり昼間に観劇した梓さんと感想を言い合って、すごかったねと。私たちはより「死」に向かっているのだろう。それはそれで、そういうことなのだと思う。生と死。どちらも命。篝火は、我々の命のともしび。毎日お客様が来てくれて本当に嬉しい。感謝しかない。久しぶりに会う方、嬉しい。お話をして、泣きそうになる。

3/31
昼公演。いよいよ千秋楽。いつもと変わらず、でも少し寂しさはありつつ、しかし、体力はここまでだろう。やはり今日なのだ。今日しかないのだ。明日はない。今日は今日。本番前、テーピングをする。これでよし。もうどんなことも大丈夫。これで舞台に上がる。ありがとう、テーオ。感謝して、祈る。誰に祈るわけではないが、ここまで無事に舞台ができて、やはりこれは周囲の方の応援と、お客様と、ミクニさんと、梓さんと将一朗さんと、スタッフの皆さんと、全てのおかげだろう。一人ではなにもできない。そう思って、祈って、舞台にあがった。楽しかった。終演後、片付け。梓さんと将一朗さんと少しだけビールを飲んで、別れた。じゃ、また。福島から家族が見に来てくれたので合流する。「せりふをかまないかどうか不安だった」とのこと。千秋楽はかまなかった。

体力的な問題等々不安はあったけどミクニさんの優しさおおらかさに助けられたし、何よりミクニさんは私のやることを全て受け入れてくれた。私の「飛べない肉体」をそのものとして受け入れ、そして全てを信頼してくれていたのがわかった。嬉しかった。またミクニさんとこの3人で一緒に舞台ができたら。

5年ぶりの舞台出演、無事に終えることができただろうか。務められただろうか。いろいろ考えながら帰路につく。

ご来場ありがとうございました 心からの感謝を

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