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【前半】先生と呼ばれる理学療法士についてのあれこれ

理学療法士は患者さんから「先生」と呼ばれます。

おそらくこれは今でもあるのではないでしょうか?

私も先生と呼ばれてきた経験はありますが、昔からこれってなんか変じゃないかな?と思っているわけで、今回はそんな話になります。


「先生」と呼ばれている人たちは、どんな職業に就いている人たちなのか?

学校の先生とか、お医者さんとか、弁護士さんとか、税理士さんとか。

囲碁の先生とか、お茶の先生とか、お花の先生とか、整体の先生とか。

理学療法士なんかもそこに含まれます。

でも、看護師さんや検査技師さんには「先生」と呼ばないですよね?

ケアマネさんやヘルパーさんにも「先生」とは呼ばないですよね?

にも関わらず、なぜ理学療法士は「先生」と呼ばれるのでしょうか?


理学療法士の歴史(引用)

理学療法士は1965年に法律が出来て翌年より公式にスタートし、その養成校はいわゆる国立療養所○○学院というところで、入学するにはとてつもなく難関な道だったそうです。
#東大よりも難しかったとか
#都市伝説

その後、1980年頃より○○大学の医療技術短期大学という道も開かれるようになり、

また1990年頃からは大学の保健学科に理学療法専攻が開設し、4年生教育が始まったそうです。

2000年頃には専門学校も少しずつ出来始めて、ちょうど私が理学療法士を目指したのはこの頃で、この医療技術短期大学(通称、医技短)、4年制大学、専門学校が重なる時期でした。
#医技短が分かる人は間違いなく昭和生まれ

なんかこんなページもあるので、興味がある人は一度覗いてみてください。

ここから何が言いたいのか?というと、

理学療法士になるためには、偏差値が60も70も必要で、1浪2浪する人もザラにいた、
そういう時代もあったということです。
#難関大学レベル
#同級生も浪人していた
#今でもいるのかな

そういう背景から、理学療法士は「先生」と呼ばれ出したのではないかと思うのです。


そんな理学療法士の今

けれど、今は違う。

理学療法士になるための専門学校や大学が乱立して、偏差値が無くても、浪人しなくても、誰もが理学療法士を目指しやすい時代にはなっていますが、それと同時に希少性も無くなって、確実に質も低下しています。

また、昔のリハビリテーションは単一疾患より生じた障害をなるべく残さないように「治す」という治療の側面が強かったですが、

今は多重疾患を抱え、障害のある中であってもどのように生活を再建するか?という側面がより濃くなっています。
#もちろんそれだけじゃない
#病期により役割は異なる
#どの病期においても最大限回復を図ることが前提

患者さん側からすると、昔は「リハビリの先生に治してもらう」という感覚だったと思うのですが、
#今でもあるかも

今は「どうすれば生活が行いやすくなるのか?について一緒に考えてもらう」という風になってきていると思います。
特に生活期(訪問や通所リハ)分野で働く理学療法士は、特にその傾向が強いはずです。

要は、理学療法士と患者の関係性が、先生と患者ではなく、一緒に寄り添って考えてくれる伴走者の関係に変わってきていると思います。

これって、生活を支援している他の職種と同じではないですか?

つまり、ケアマネさんやヘルパーさんや、民生委員さんや、宅配弁当屋さんなんかと、全く同じだと思うのです。

提供できるサービスのかたちが、「相談支援」なのか「身体介護」なのか「食事」なのか「リハビリ」なのかという違いがあるだけで、

どれが偉いとか、偉くないとか、そんなものはないと思います。
どれもが大事でかけがえのないものだと思います。

一部において「リハビリの先生」を演じた方が良い場合もあったりもしますが、(その方が患者さんに指導が入りやすいとか)

その場合を除いて、
他職種の方々には、「どうか先生と呼ばないでください」と都度お願いしています。

この、先生と呼ばれることに対して、もしかしたら今もなお結構賛否分かれるところもあるかもしれないので、

とりあえず今回はここで締めて、
後半では理学療法士が「先生」と呼ばれることに対してのメリットやデメリットなんかについて、もう少し整理できればと思います。