勝ち負けなんかどうでもいいって話。
幼い頃、父親とゲームをしていたときの話である。何かの拍子に勝つことができ、すごく喜んだのを覚えている。勝利の喜びを噛み締めていた次の瞬間、父親の「おもんないわ」という声を聞いた、嘲笑混じりのその声に、幼い僕はスッと気持ちが冷えていった。
勝利がもたらすものとはなんだろうか、僕は自分が勝つことで父親の機嫌を損ねたことをしっかり理解している。
僕が勝つと誰かが負ける。
それを僕は楽しめないのだ、どうしても。
「勝つ」ことが全てになっている人がいる。マウントを取ってくるよう