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【オススメしたい1冊】嫌われる勇気

アドラー心理学=現代人が幸福に生きるための心理学

■この本が提示していることは3つ

1.人は今この瞬間から変われる
2.世界はシンプルである
3.誰もが幸せになれる

アドラーはトラウマは存在しないと断言している。むしろ人はトラウマを利用して自分の目的を果たしていると。
これを理解する為に、まずは原因論と目的論について見ていこう。

原因論:現在の自分(結果)は、過去の出来事(原因)によって決定される
  例:ウェイターが自分の服にコーヒーをこぼしたから、わたしは彼を怒鳴った。=コントロールできない感情、怒りに駆られて怒鳴った
目的論:目的が先にあり、それを達成する手段として、感情がある
  例::大声を出すことによってウエイターに自分の言うことを聞かせる為に、怒りという感情を捏造した

さらに、原因論に基づいた「もし〇〇なら△△できていた」というトラウマは、視点を変えると「もし〇〇だったとしても△△できなかったかもしれない、という事実」から目を背けている。
ならば過去に囚われることをやめ、何が与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかにフォーカスしよう。人は今この瞬間から変わることができるのだ。

■課題の分離〜「あの人」の期待を満たすために生きない

アドラー心理学において、人の悩みは全て対人関係だと断言している。確かに、お金がないとかあるとか、身長が低いとか高いとか、これらはもし宇宙に自分一人しか存在していなければ思い浮かぶことのない悩みだ。比較対象がいるから生まれる。

そう考えると、今起こっているほとんどがあなたの課題ではない。
自分の課題と、人の課題を分けることが大切だ。

あなたは他人の期待を満たす為に生きているのではない。同様に、他者もまたあなたの期待を満たす為に生きているのではないのだ。

『その選択による結末を最終的に引き受けるのは誰か?』を考えること。それが自分ではない場合、他者の課題ということになり、そこに踏み込むことは不要だ。踏み込むからあらゆる対人関係のトラブルが引き起こされる。
馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない。水を飲むかどうかは馬の問題なのだ。

■褒められようとするな、人を褒めるな

アドラー心理学においての禁止事項①
人に褒められようとすること
人を褒めること

私たちは皆「賞罰教育」を受けてきている。いいことをすると褒めてもらえ、悪いことをすると罰せられる。
これが人に褒められないなら行動しないという判断基準だ。それはつまりあなたの行動を他人が決めているということになる。
まったくもって自由ではない。

実は、人を褒めるという行為も、他人の能力を評価するということになり、そこには潜在的に相手に「自分よりも能力が劣っている」という上下関係を刷り込んでいる。例え自分が上の立場にあっても褒めるという行為はしてはいけない。
ではどうするのか。褒めるのではなく、感謝する。感謝はタテの繋がりではなく、ヨコの繋がりを生み出す。
そうすれば、他者の承認を求めて行動する不自由さから解放される。そもそも、あなたの行動で、相手が自分を嫌うかどうかはあなたには決められない。
つまり、相手が自分を嫌うかどうかはあなたの課題ではないのだ。だから、嫌われる勇気を持つことが必要だ。

アドラー心理学において禁止事項②
競争すること

競争するということはつまり自分以外の存在は「敵」であるということ。
そして、行動の結果には「勝ち負け」が付き纏う。

しかし、人間にとって幸福とは人に貢献できていると感じること、だ。
そこに敵も勝ち負けも必要ない。

■誰もが幸せになれる

まずは自分を受け入れること。完璧ではない自分をそのまま受け入れる。
60点だった、だからこれから頑張ろう。それでいい。

ここには行為レベル存在レベルの価値がある。

例えば「仕事でお金を稼がないと家族に貢献できない」という考え方は行為レベルでの自己肯定である。行為レベルで自分の価値を計るのは自信がないからだ。この考え方を持つ人はワーカホリックになりやすい。
しかし「自分が家族と一緒にいられることで家族は嬉しい」という感覚は存在レベルでの自己受容になる。

そして、周りの人を無条件に信じよう。
信用と信頼は違う。信用は条件付きで相手を信じるということ。
信頼とは無条件に相手を信じることだ。裏切るか裏切らないかなんてこちらにはわからない。しかし、相手は自分を信頼しているかどうかを察知する。ならば、信じた方がいいじゃないか。
信じることを恐れていたら、結局は誰とも深い関係など築くことはできないのだ。
信じた結果、裏切られるか裏切られないかは関係ない。そこはあなたの課題ではない。

自分を受け入れ、周りの人は敵ではなく仲間だという感覚になったら。最後に、他者に貢献することが幸福になる。
アドラー心理学で、対人関係のゴールは周りの人を仲間だと感じ、そこに自分の居場所があるという感覚を持つことだと言っている。
その居場所で、自己犠牲ではなく、「わたし」の価値を実感するために他者に貢献すること。それが自分にとっての幸せになる。

■人生を点で捉える

人はよく人生を線で捉えるが、そうするとゴールにたどり着くまでの人生は全て途中になってしまう。だからゴールに着く前に死んでしまったら?
人生半ばで、夢半ばで、何かをなし得ないまま人生を終えることになる。
「特別」であることを求めるのも同じことだ。特別な自分、つまりそこに到達していない、今の自分は「仮の自分」で、到達したところから「本当の自分の人生」が始まるとしたら、到達するまでの時間は全て「途上」になってしまう。さらに、その特別であることへの欲求が満たされなかったとき、叶わなかったとき、「特別に悪くある」ほうへ飛躍してしまうことだってある。

しかし、あなたが幸福になるのに、特別である必要はない。

実際には、人生は点の連続だ。自分が生まれてから死ぬまで無数の点が置かれていて、どの時点でも完結している。
目の前にあるひとつひとつの点に集中することが自分の人生を生きるということだ。

これって至って普通のことじゃないかと感じるだろうか。この普通であることの勇気が必要なのだ。
普通だが、あなたの力は計り知れないほどに大きい。世界は他の誰かが変えてくれるものではなく、ただあなたによってしか変わり得ないのだ。

◾️本書を読み終えて
初めは理解できず、本書に登場する「青年」と同じように、いや、あそこまで悪態はつきませんが、え?え?どういうこと?と混乱していました。でも読み進めていくうちに、先生の話すアドラーの教えが自分の体験に重なって見えてきます。そして、アドラー心理学は、読んで頭でっかちになる為の心理学でも、無理やりポジティブになろうとするものでもなく、冷静に捉え方を変え今すぐに自分が実践できること。わたしはまず、「課題の分離」に取り掛かりました。いままでどれだけ、余計な他人の課題を抱えていたことか。笑 ラクになりますよ。ここから、自分の課題に集中できるのですから。

これまでの考え癖もあるし、すぐに100%変わるわけではないかも。でも、この本の終わりにあるように、世界はただわたしによってしか変わり得ない。毎日、毎回の選択の繰り返しがわたしを作っていくのなら、今始めるしかないでしょう。

変わりたい、幸せになりたいと思っている自分に変化する勇気を持たせてあげましょ。

Thank you!


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